八條忠基のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
枕草子に出てくる汗衫がどういうものなのか知りたくて購入しました。
全ページでフルカラーイラスト。
イラストも表紙のとおりの綺麗なタッチで統一されていて、どのページも見ていて飽きません。
古代から現代までを追うので、例えば「前代の平服が次代の礼装」になっていく流れが掴めます。
本編が100ページ位で、イラスト主体で文章も要点を押さえているので、全然詳しくない分野でしたが楽しく読み切れました。
あえて言えばインナーをどういう順番で着用するのか記述があると、束帯などは分かりやすかったかとも思いますが、最初の1冊としてはこれがベストなのでしょう。
文様についても簡単に触れているので、別の本で更に -
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日本の有識故実の世界を時代ごとにイラストで読み解く。
・装束の基本
第1章 古代~平安時代初期の装束 第2章 平安時代の装束
第3章 鎌倉時代の装束 第4章 室町~戦国時代の装束
第5章 江戸時代の装束 第6章 明治時代以降の装束
第7章 現代の装束
オールカラーイラスト。説明に装束のTPOとフォーマル度。
コラム有り。日本史おさらい年表、索引、主要参考文献有り。
中国風から唐風、国風へ。天皇と貴族中心から武家の世へ。
江戸時代の禁中並公家諸法度や幕府内の服制。
明治維新での和風重視から洋装化。
そして令和の即位式での装束と、日本の有識故実の世界を
詳細に、分かり易い文章で、丁寧 -
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安定の八條先生。
『有職装束の世界』はどちらかと言うと歴史や着方が詳細で、装束の部位についてあまりわからなかったので、イラストで詳しく説明されてる本書はとても良かった。
時代に沿った説明と、どの身分の人がどういった時に着るのか記載されているので本当に分かりやすいし各時代ごとの比較もしやすい。
昔はプライベート着やフォーマル度の低かった服がだんだんと重要な服になっていくのが面白い…。人間はやっぱり楽に着られる服の方が良いよね。
個人的には奈良〜平安初期の唐風の装束が華やかで好き!古代って感じがする…とてもよい…。
そして令和の即位礼ではここまで装束に拘って見ていなかったが、すごいものを生で見 -
Posted by ブクログ
この本素晴らしい。この内容で2000円未満は安すぎなのでは。
装束の名称や着方歴史から色彩、文様まで手広くカバー。これ1冊持ってれば有職装束について大まかなことはわかりそう。
今までなんとな〜く見ていた装束にもっと注目できそう。
実際、大河ドラマとか時代劇で「この衣装はアレかな、、」と見当をつけることができた。楽しい。
ただ、あまりにも自分にとって身近でなさすぎるので(当たり前だけど)なかなか1回読むだけでは全てを理解することは難しい。他の文献とかも読んだり史料を見ながらさらに理解を深めていきたい。
ちなみに今回電子書籍で買ったけど、電子だとアップにできるからこういう写真が載ってるものは -
Posted by ブクログ
・八條忠基「詳解有職装束の世界」(角川文庫)は、令和の即位礼正殿の儀に見られる「平安絵巻を見るような、その美しい装束(中略)について、より詳しく知りたいという方 のために、この本は生まれました。」(3頁「まえがき」)さう、正にこの通りである。有職故実の書はそんなにないと思ふ。あつても服装に関してはどれも説明不足で、肝心の所が分からなくなつてゐる。あるいは欠けてゐる。と書いたものの、私はそんな書をほとんど持つてゐな い。その数少ない一 冊が秋山虔他編の「源氏物語図典」だつたりする。これは有職故実の書ではないが、それに関する記述は多いといふものである。衣服に関しては男女ともに必要事項は書かれてゐる