大島隆のレビュー一覧
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色々と、色々と考えさせられた良書であった。
自分は、多様性とは真逆の環境で生きてきた。均一な人が多い小学校で、中学受験をしてそれ以降は自分と似たような境遇の人ばかり。
今も周りは子育て世帯ばかりの場所に住んでいて、それが比較的ここちいいと思う。
だからこそ反動で、自分の子供には多様性を感じられる環境に身を置いた方がいいよ、と頭では理解するが、とはいえ同質の人の方が楽じゃないという思いもあったり。
とはいえ、日本において海外にルーツを持つ人が多かれ少なかれ増えていくのは確実だろう。
結局は、国籍ではなく、人と人とのコミュニケーション。
UR団地に関わるものとして、問い続けたい課題を提示 -
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文句なく★5つ(^^)/
この本に書かれていることって、実は知識としてそれなりに知っている。
にも関わらず★5つとしたのは、知識として知っていたことがリアルとして伝わってくるからだ。
巻頭の写真の中にある、群衆の中で直立不動、祈るようにぎゅっと目を瞑って「KEEP AMERICA GRAIT!」というボードをピンと伸ばした腕で掲げている白人の中年女性。
その写真を見ているだけでも、トランプさんに望みを託す(託すしかない?)、今のアメリカの中産階級の白人の切実な思いが伝わってくるのだ。
この本については、あえて感想を書かない。
だって、書いたら、とんでもなく長くなってしまう(^_^;)
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誰でも心の中に小さなトランプを抱えている…というのは、トランプ大統領が当選した時にメキシコ人記者が書いていた文章の一部。たしか、メキシコ人が「bad hombre」と言われて公然と大統領の敵意を受ける相手となっていた頃だが、一方でメキシコ国内では他の中米諸国からの移民を排斥しようという動きもあることを批判した内容だった気がする。この本の筆者も、自分の家族が米国でアジア系マイノリティーとして生きていくことについて考える際、マイノリティーとしての立場から訴えるのではない。自分がマジョリティーである日本の中で、まずは日本人の心の中にある「小さなトランプ」に向き合っている。すごいなあ。
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この団地、中国人が多数住んでいることで有名だそうだが、初期のゴミ捨てなんかのトラブルをうまく解決し、学生ボランティアらによる交流活動も盛んだったりで色んなグローバルナンチャラ的な賞をもらうほどになった。著者は新聞記者として実際にこの団地に住み、自治会活動にも参加しながら、住民だからこその目線で等身大の団地の姿を描く。
それは必ずしも理想の共生社会とかではなく、それぞれ(特に日本人側)のモヤモヤが鬱積しお互い距離を取り合う2分割されたコミュニティだったりする。理想論だけでは片付かない旧住民側の本音は突き詰めれば「この団地は自分たちのもの」という団地愛なのだが、それが一転して排外的にもなりかねない -
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ネタバレ外国人の人口が増える中、日本でも「多文化共生」を目指そうとする声があがる。しかし、そもそも「多文化共生」は人々から求められているのか、またいかにそれが険しい道のりであるかということが、象徴的に描かれている。
下記はメモ。
「共生」と「共存」の違い、また後者を望む住民を否定することは出来ないということ。
外国人:日本人という単純な構図で分けられないこと。そもそも、世代も職業も異なる両者を、無理やり交わらせる点に、かなり無理がある。
「中国人」という大きい主語で語られることの多さ。
多数派で支配的だった人々が、少数派だった人々の割合が増えて来ると、「侵略されている」と感じてしまう。相手が -
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トランプを支持するのはどういう人なのかを知りたくて読んだ。朝日新聞の記者は貧困層でトランプ支持が多いペンシルバニア州ヨークに住む。そしてさまざまな人にインタビューしてまた、さまざまな集会に参加してアメリカの実情をレポートした本である。アメリカは意見を表明し、また議論する国である。ならば話し合って、どんどん世の中良くなりそうな物だが、そうはならない。意見の合う人が合う人だけでまとまり、運動をする。またフェイクニュースにも簡単に踊らされる。
また、アメリカで重要なことは自ら判断し行動することで、パンをもらうより働いてパンを買うことに価値が置かれる。社会的に寄付や救援物資で生きている人の声は無視され -
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ネタバレ朝日新聞の記者が主にワシントンを取材するために駐米していた時にあえて、ペンシルバニア州ヨーク市に住んでアメリカ国内のマイノリティと白人富裕層の社会的断絶を様々な層の人々を丹念にインタビューして現実をあぶり出したルポルタージュ。
学術的な調査を行った訳ではないし、インタビューする人数や対象も限られるのであくまで著者個人的な範囲内での印象のまとめみたいな感じになるが、その分新聞記事の様に気軽に読める。
ちょうど著者がインタビューを続けていたのは2020年のCOVIDパンデミック最中からトランプの一期目が終わり再選の狙うトランプ対バイデンの頃。その当時アメリカのいち地方都市で何が起きていたのかが -
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We're not included. 社会から取り残された人がつぶやくこのフレーズが断絶しつつあるアメリカを象徴していると感じた.ペンシルベニア州南部のヨーク市に住んだ著者が、道路一本で貧困と裕福がはっきりと分かれている現実を事細かにレポートしている.トランプの支持者の弁が随所に現れており、日本から見ると何であんな非常識なオッサンを支持するのかと思っていたが、自分たちを取り込んでくれる彼の言動に共感するのもある程度理解できた.NGOの形で様々な活動が行われているのを見ると、アメリカが健全な社会を維持していると感じたが、中国やロシアのようにそのような活動を封じ込める風潮が多くなってい
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埼玉県川口市の、外国人居住者が多い「芝園団地」に住む新聞記者、大島隆氏の著書。日々団地で起こる、面白エピソードを紹介するような軽い内容…、を想像していたが中身は全然違っていた。
芝園団地には90年代頃から、中国人を中心に多くの外国人が住み始め、現在は住民の半数以上が外国人となっている。芝園団地が特に積極的に、外国人の受け入れを推進していたわけではないのだが、他地域に比べ入居の条件が比較的緩かったため、結果として大勢の中国人が集まってしまったようだ。
当初はゴミ出しのルールをめぐりトラブルもあったそうだが、中国語の注意書きを張るなどして、現在はトラブルも無いらしい。しかし団地に住む古参住人の -
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日本の行く末の縮図な様相の、シェアが中国人優位となった団地内の人間関係と、住む人たちの想いと。
芝園団地の現状と課題は、世界がまさに直面し、日本がこれから本格的に直面しようとする課題であり、どう向き合えばよいのか、その答えと試みが参考となりました。
P165 中国人の思い
・日本人と比べれば、中国人住民の方が
「もっと交流を深めたい」と思っている人は多い。
・日本人ともっと話したいと、日本語教室にやってくる
中国人住民もいる。
一方で、多くの中国人にとって芝園団地を選んだ理由は
・中国人コミュニティがあるから。
共生→日本人住民と外国人住民が交流する団地にしたい人達
共存→お -
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新聞書評欄か何かで知り手に取った。
元々、異文化共生に興味があったが、芝園団地という存在は本書で初めて知った。
本書の話は今ほど外国人排斥の空気が広がっていないであろう2017年からのものだが、当時から日本には外国人(主に中国人)が半分以上を占める団地があった。
そして、その団地で起きていることは、今まさに日本の至るところで起きていることと同じだ。
つまり、芝園団地で起きたことは日本の縮図であるとも言える。
外国人の行いに対して、文化の違いが引き合いに出されるが、実は原因が文化の違いではなく、ルールの周知がしっかりなされていないということだったりする。
例えば、ゴミ問題。どのようにゴミを捨てる -
Posted by ブクログ
個人的にこの団地の近くをときどき通るので気になっていた。
筆者はこの団地に住んでいる方なので生の声と言えそうだ。
外国人が多いというのは聞いていたが、芝園町の人口の半分以上が外国人とは。
ヒャッハーな感じのトラブル劇のようなことはあまりなくて、静かに分断されている団地という印象をもった。
日本人と外国人という人種的な分断に加えて、高齢の日本史と若い外国人の年齢的分断も感じた。
住人の外国人は中国系のIT技術者が多いのだそうだ。だが、中国のIT産業が栄え日本が没落したいく今後は、中国の若い技術者はわざわざ日本に来ないだろうという意見が印象に残った。
蕨の駅前などではイランやバングラデシュの方をよ