緒方壽人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
どこかで紹介されていて、気になったので読んでみました。
「コンヴィヴィアル」とは、ひとまず「共生」だと思っておけばよいと思います。
そして本書は、「コンヴィヴィアル・テクノロジー」というタイトルから類推できるように、人間と技術(テクノロジー)の共生について書かれた本です。
個人的に強く共感した内容の一つは、二つの分水嶺、という考え方。
技術は、あるレベル(第一の分水嶺)を超えると、人の役に立つようになるが、行き過ぎると(第二の分水嶺を超えると)、人が技術に隷属するようになる、という考え方です。
身近なところで、このことを強く感じる事象が起こっているだけに、強く共感しました。
また、寛容と不寛容の話についても、強く共感しました。
こちらについては、周りの人の寛容さと不寛容さについて考えるとともに、自分自身の寛容さと不寛容さについても考える、よい機会を与えてくれる内容でした。
不寛容に対し、不寛容ではなく寛容で向き合うのはなかなか難しいことですが、衝突を超えてよりよい状態を目指すためにも、課題解決に向けた寛容をつねに心掛けたいものです。
著者はデザインエンジニアとのことですが、非常に博識で、深い思考を踏まえた文章を書かれており、見習うべき点の多い人物、という印象を受けました。
また、人間とテクノロジーとのあり方にとどまらず、もっと高い、そして、もっと広い視点で書かれた本書は、知的な刺激にあふれた良著だと思います。 -
Posted by ブクログ
イヴァン・イリイチ
自分とは異なる他者との出会い、共に生きる技術
ちょうどいい道具としての自転車 バランス
過剰なテクノロジー 物理的な力ではなく、圧倒的な量の複雑な情報の力
デザイン =人間に着目し人間を動かす
科学と技術が出会うのは19世紀から→人間が従う→人間中心デザインへ
テクネー 自然の中にある隠された力を現わせさせるための知
脱人間主義 ⇔ 人類至上主義 原子力は自然からの自立
わたしたち
正しさ 「反証可能性」を残しつつも、反証されていないこと
自立 依存先を増やしていくこと(熊谷普一郎)
日本語の「共話」≠対話 相手の話を途中でテイクオーバーし発話を重ねていく
閉じた安心社会から 開かれた信頼社会へ さらに、なめらかな社会へ(鈴木健)
使い続けてもらえる「道具」 つくれる、手放せる「道具」
手の技は生きるための必要はなくなり、機械のボタンを押すだけに(新山龍馬)
環境との調和 オンとオフが溶けてゆく(筧康明)
マニュアルよりも レシピ
本当にバッテリーレスで動くものって、腕時計と電卓くらいしかない(高宮真)
充電の無い世界 マルチモード準静空洞共振器 QSCR 無線給電タイル Alvus
空間LED光源 luciola -
Posted by ブクログ
マウスによるPC操作から、タッチパネルによるスマートフォン操作に変わった時に、
ボタンを押す操作から、ガラスに触れる操作に変わった。
押すから触れる操作へと変わったとことで、
いかにボタンらしい表現を施して押させるかから、
どうやって触れさせて、触れたときにどう感じさせるのかに変わった。
見た目を美しくし、音やインタラクションによる気持ちよさを追加し、
触った時にいいなと感じる気持ちを抱かせる。
時代はVRへと繋がっている。VRはどうなろうのだろうか?
ガラスなどの物理的な制限がない分、視覚的な要素が強くなることを考える。
物が動いていること、光っていることなど、
人が視覚で検知しやすいことが条件になるではないだろうか。
現実世界に存在する法則や構造を嫌みにならない程度に強調し、
その動きや光を有機的に統合することができたときに、
非常に優秀なUIになるような気がした。
(以下抜粋。○:完全抜粋、●:簡略抜粋)
○フラットデザインではデスクトップメタファーやスキューモーフィズムのように現じちゅ世界に由来するヒトの行為に基づいてヒト中心の行為の設計をするのであはなく、コンピュータおよびピクセルのクリーンな平面というヒトにとっての異物に基づく行為を設計するものなのである。(P.15)
○ルパンの泳ぐ動きひとつだけで、水路に流れる水の様々な質感がとても豊かに表現されているんですね。そういう世界をプログラミングでどう設計するかに興味があります。(P.46)
○宮崎駿さんにも通底するのですが、みんなが日常の中で特に意識はしないけど無意識になんとなく感じている様々な動きや反応は沢山あって、それを自分なりに見出して解釈して誇張しているんだなと思います。現実世界では見逃されがちな小さなリアクションでも、そこから法則や構造を見出して、積極的に造形していく。ただデザイナーとしては、自分だけのフェティシズムに寄りすぎてもダメで、どんなバランスが妥当かを考えながら常にチューニングしている感じですね。UI操作の機能性を考慮しながら煎じ詰めた結果、最後に自分なりの毒っ気が少しだけ残っている、という状態が良いのではないかと思っています。(P.47)
○深澤直人さんが学生に向けて最初に話す言葉で「”いい”と”良い”はどっちがいい?」って問いがあって、時代の流れの中で、簡単には消費されない”いい”を作るにはどうすればいいかという問いが最も重要なんだと思います。(P.49)
○しかもそのアイコンの動きは一斉ではなく、それぞれに速度差があり、有機的な印象を作り出している。(P.194)
○フラットデザインは、マウス、デスクトップメタファー、そしてスキューモーフィズムへと続く身体に基づくインターフェースの流れを一度切断して、身体とは関係のないディスプレイのピクセルという光からインターフェースを構築しようとするまったく新しい試みである。(P.219)