沖大幹のレビュー一覧

  • 水危機 ほんとうの話

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    前書きからして、科学者としてのプライドや信念に満ちていてワクワクするし、佐々木葉さんがTwitterで書いてた「とにかく最高に頭のいい人の書いた本だよなぁ」というのもよくわかる。科学的だし、ロジカルだけど、読みやすくて、説得力がある。

    記述が水管理全般にわたる網羅的なものなのに、人間味があって、濃淡がある。降雨や流況、そして人間社会による流況へのインパクトといった下りは著者の真骨頂。
    また、水防災のためのB/Cを、経済成長の停滞や被害額といった事柄と絡めて議論するという視点は、新しいし、本質的だと思った。

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    2014年11月27日
  • 水危機 ほんとうの話

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    この本は、良書だと思う。

    詳しいレビューなどは他の人も書いている通りだと思う。


    自分にとってよかったこと。
    「水文学」という新しい分野を知ったこと。
    各章ごとの要点がまとめられていて、読み返す時にちょっとした索引になるので便利。
    巻末にこの本で取り上げられた文献一覧が載っていること。英語文献が圧倒的に多いが、日本語訳で出版されているものもあり、読んでみようと思ったこと。


    とにかく、水問題に関して興味・感心のある人には、絶対にお勧めできる本。

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    2014年04月06日
  • 水危機 ほんとうの話

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    これは良かった。水に関係する話をなんでもという感じ。かなり非常識がはびこっているのだなあと思う。その辺が平易に解き明かされる。最近こういう全く未知の分野でわかりやすく解説されてる奴は大好きだなあ。例えば水環境についてに限れば、節水は常に良いとは限らないが世間的にはそうは思われていないなど。

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    2014年01月24日
  • 水危機 ほんとうの話

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    変な使い方をされることがあるバーチャルウォーターという指標について、適切な考え方が書いてあった。ところどころにユーモアに富んだ脱線があって、面白く読めた。

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    2012年11月14日
  • 水危機 ほんとうの話

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    ネタバレ

    研究者視点の水問題に関する本が欲しかったので、大阪で購入しました。
    結構分厚く、内容も濃かったので読むのに時間がかかりました。

    水問題の中でも水源地買収や河川管理など、自分が興味のある分野についての言及があったので非常に参考になりました。
    水源地買収の一環で危険視される中国などによる森林買収については疑問に思うところがあり、自分なりの考え方の形成の役に立ったように感じます。わたしと著者ではレベルが違いすぎますが…
    海外の水メジャーと呼ばれる企業の動向に関してはなるほどと思うところが多かったです。

    文調自体はさらっとしているので文章として読むのにはまったく詰まるところはありませんが、水文学と

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    2012年11月09日
  • 水危機 ほんとうの話

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    ネタバレ

    あとがきに
    研究とは,「不思議」や「非常識」「不見識」を「当たり前」にしていく作業である。

    水と水循環に関する基本原理
    1 地球上の水はなくならない
    などをしめし,

    次に常識と思われていることをいくつか示す。
    1 節水は善行で,たくさん使うのはいけないことだと無批判に思っている。
    などなど

    そして判断基準として
    1 間違っていないが正しいともいえないこともいっぱいある
    2 銀の弾丸はない
    などなど

    これらの頭の体操をしてから,水問題に取り組んでいる。
    最後にこれをやる方法もあるかも。

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    2012年07月03日
  • 水危機 ほんとうの話

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    「天文学」に対する「水文学」。
    言われてみればその名前に「なるほどな」とも思うが
    天の星々に多くの人々がロマンチックな何かを感じる一方で
    水は何においても我々の生活と切り離せない重要な資源である。

    不可欠な存在である水の様々な特性が
    「どのように消費するか」「消費するためにどのように賄うか」
    といった経路を通じて、経済や社会のあり方につながっていく。

    温暖化等を起因とする水害の増加、
    人権の1つとして数えるに相応な「水へのアクセス」の維持といった
    身近な問題への指標以上に、多くの要素を含有する水文学の一端に触れ見つめ直すことが多くあった。

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    2021年10月11日
  • 東大教授

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    著者が本職上でも関わりのある分野の方なので興味深く拝読.政府の審議会や委員会での立ち振る舞いなど非常に現実的なことが書かれてある.職務上大学の先生などとお付き合いがある方は一読を薦める.でも分野によってだいぶ違うかな.

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    2018年10月09日
  • 水危機 ほんとうの話

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    水文学という水に関する幅広い学問。人文社会科学にまつわる話を中心にわかりやすく説明、学者としての経験に基づいた話も面白い。
    水は安いが上にローカルな資源。輸送費がそのままコストの大きな増大になる。水の問題は飲用でなく洗うためで、生きるか死ぬかだけでなく文化的で健康的な生活が送れるかどうか。水へのアクセスがないのはインフラの問題。水問題が国家間の戦争に繋がったことはなく、融和等に繋がる場合の方が多い。食料の輸入はその生産に必要な水「輸入しているようなものなので仮想水貿易VWTと呼ばれる。人口が今後指数関数的に増えることはない。外国資本に山林を買い占められることは別に水源を奪われるといったことでは

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    2018年05月23日
  • 東大教授

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    東大教授になる方法から、なった後の業務や社会的役割についてまで幅広く書いてある本で、非常に役に立ちました。しかし、東大教授になる方法についてはそこまで細かく書いてありません。一方で、なった後のことがかなり詳細に書かれており、この本は大学教授への道を歩み始めている人に向けて書かれているのかなと思いました。東大に限らず、教授職を目指す全ての人に役に立つ、素晴らしい本だと思います。

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    2016年02月23日
  • 東大教授

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    一服の清涼剤。でも主張も文体もよく整理されていて、沖イズムがブラッシュアップされた感じ。「仕事のよろこび」を語る(人がいる)ことは、確かに後進に対して大事。しかもその思いがみなぎっているのが良い。東大教員とは「研究するなと言われても、隠れて研究したがってしまう」ような人と。

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    2014年11月27日
  • 東大教授

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    著者の肩書きは東京大学生産技術研究所教授。したがって学部教育の参考になるというよりは、研究者としての東大教授という立場からの東大教授論。まぁ喰うに困らないお金ももらえて、社会的尊敬も得られ、何よりも知的好奇心に基づいた自由な研究が可能という商売はそうそうなく、是非とも優秀な若い人は「東大教授」を目指して欲しいというメッセージが込められた本である。

    教授ともなると原著論文は若い研究者に任せて全体のコーディネートや啓蒙活動なども重要、というのはもしかすると理系のほうが強いのかも。

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    2014年07月14日
  • 水危機 ほんとうの話

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    雑誌の書評を見て、読んでみようと思った。環境問題に絡む話は、論者の主義主張に左右されて客観的事実に基づかないものもあるようだが、本書は、書評や実際に読んでの実感からは、科学的な内容のように思う。
    本書のテーマを超えた著者の主張や科学者のエピソードなどに脱線する部分も多いが、水問題と聞いて思い浮かぶような一種の常識が次々と覆されて、とても面白い。例えば、節水は良いことだが、いくら日本で節水してもアフリカの水不足の役には立たないし、水源林のイメージで植樹すれば水が豊かになるとは限らず、むしろ植物が地中の水分を吸収し蒸散させてしまう効果も大きいといったことが書かれている。
    中でも、仮想水貿易という考

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    2012年08月25日
  • 水危機 ほんとうの話

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      職場の本屋の平積みから購入。
      
      いっていることが全う。

    (1)地球温暖化、地球環境の問題は、手段と目的が逆転している。(p265)

     本来すべての学問は、国民の命と生活を守り、改善していくためのも。それに対して、著者は、最近の地球温暖化ブームは、その目的を制限してまでも地球温暖化という手段を進めようとする意味で、手段と目的が逆転しているという。

     そのとおり。しかし、それと同じことを河川工学者や河川関係者はやってきたのではないか。住民の生活と命を守るために行うべき手段の一つである河川整備を、それ自体を目的として進めてきたのではないか。

     それが、今の被災地の海岸堤防の議論で

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    2012年07月20日
  • 東大教授

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    東大教授の生態を詳細に説明している
    本人は東大の土木工学科卒で現在は生産技術研究所教授
    東大教授になる方法、知的生産の魅力、収入、栄誉など細かく話しており
    組織としての東大の運営の話にも深く踏み込んでいる
    基本的には研究と教育が好きで努力ができ、かつ運と才能が必要だという話

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    2018年11月23日
  • 東大教授

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    「東大教授」と銘打ってはいますが、一般の大学の教員の生活録として読み替えることもできる部分もあります。したがって東大教授を目指される方にも、それ以外の大学教員を目指される方にも(!?)有用な書物かと。

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    2015年09月11日
  • 東大教授

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    将来,東大教授になる可能性のある東大生に,東大教授がいかに魅力的な職業であるかを現役の東大教授が紹介している.したがって,大学のダークサイドやゴシップなどとは全く無縁.描かれる教授像は理想像のようなところもあるんだが,それと現実がそれほど離れていなような印象.さすがにレベルが高い.

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    2014年07月21日
  • 水危機 ほんとうの話

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    「21世紀は水の争いが起こる」
    どこかで聞いた。
    それが気になり、この本を読んだ。

    いい意味で裏切ってくれる内容だった。
    危機をひたすらあおるものだと思っていたからだ。

    水。
    当然のことながら、飲み水だけではない。
    風呂、洗濯に始まり、バーチャルウォーターのことなど、水についての「いろは」が書かれている。

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    2013年04月19日