鶴見済のレビュー一覧
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しっかりと人間関係を抑えることが記されている。筆者の場合、病のせいもあって切実なところから半分降りていたよう。孤独を無風状態と表現していたのにはなるほどなと感じた。日本人の特性かもしれないが、周りを気にしすぎるというか、バランス取りに行くことが多く感じられる中で、読み終えて思うことは、もっと自分に素直にわがままになることが必要なんだということ。自分のものさしでいいじゃないの、ということ。それも自分に無理しない程度に。
個人的には最後の章がよかったかな。シンプルにこうしたらをまとめてくれている。そこを読むだけでも少し救われた気持ちなれるかもしれない。 -
Posted by ブクログ
完全自殺マニュアル・人格改造マニュアルの鶴見済さんの著書。
著者が市場経済の肥大化を批判しつつゆるいつながりを大切にするオルタナティブな生き方を実践する作家になっていたことに驚いた。
(もともと東大卒のサブカル系ノンフィクション作家という十分にオルタナティブな生き方をしている人ではあったけれど。)
本書は反資本主義本書の立場で語られる。
そのため、市場による分配は権力による分配より圧倒的に優れているというスタンスの自分からすると「本当にこれを無くせばうまくいくのか?」と疑問符がつくエピソードは多い。
だが、ソ連の計画経済のもとでのアラル海の縮小やアパレルメーカーのスウェットショップなど、ここ -
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副題「グローバル経済が蝕む暮らし」~Ⅰ身近にあるグローバル化の被害1服と綿花とアラル海2原発の輸出と重工業界の支配3ゴミの輸出と交わせる戦略(反抗のコラム1デモ~普遍的な不満の表現手段~)4コーヒーと南北問題の歴史5スポーツ・ビジネスと搾取工場6ジーンズと西洋の文化的侵略(反コ2サパティスタ民族解放軍~グローバリゼーションへの反乱~)Ⅱ経済に使える国・日本1アルミ缶とインドネシア2自動車を増やす陰謀3日本人はなぜパンを食べるのか?(反コ3世界社会フォーラムと自律スペース~「今とは別の世界」の実践~)4自動販売機はなぜ増えたのか?5アメリカが増やしたタバコの輸入6マクドナルドの何がよくないのか?
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Posted by ブクログ
先進国に住む我々にとっては、経済流通の中の大量販売・大量消費の部分しかおおよそのところみえてこない。しかしながら、その前行程、後行程を支えている途上国を抜きには、経済の一連の流れというものを正確につかむことはできない。
本書においては、そこに関するいくつかをピックアップし展開している。加えて、目次をみて関心あるところから読み進めていける手軽さも持ち合わせている。
テーマを見て、一見すると過激な内容のものかと疑う場面も想定されるが、筆者の見解はあとがきで述べているように、「とりあえず理想とする方向に向かってみて、その先のことはその都度考えればいいという立場だ。なぜなら、どういう社会にすべきか