ペストが猖獗を極めた十四世紀フィレンツェ。恐怖が蔓延する市中から郊外に逃れた若い男女10人が、面白おかしい話で迫りくる死の影を追い払おうと、十日のあいだ変わるがわる語りあう百の物語。(裏表紙より)
まず、「デカ」はギリシャ語で「10」、「メロン」は「日」という意味だそうだ。(この本のことは前から知っていたのだが、長い間、結構真剣に(食べ物の)メロンが関係しているのだと思っていた笑)
さて、内容についてだが、あからさまな性的描写(とは言っても、そのものど直球に言及しているわけではないのでキツい下ネタと言ったほうがピッタリか)が多く、少し不愉快に感じたのでので評価は星3。よく言えば、生の寿ぎ? 勿論、本作が十四世紀に書かれたのだということを考慮に入れねば適切な評価というものは出来ないだろうが、やはり(同じ言うにしても)ベールに包んで表現して欲しかったというのが正直な感想である。
とはいえ、読んでいて愉快な話がとても多かった。登場してくる人物は多岐に渡り、バラエティ豊かである。印象に残ったのが、坊さん(キリスト教の僧侶)にロクな人がいないということである。女とイチャイチャしているような僧侶か、若しくは狡賢い人にいいように利用されるような愚鈍な僧侶かしかいないのである。日本でデカメロンに当たるような書物は今昔物語集のような気がするが(的外れだったらごめんなさい)、こんなにお坊さん(こちらは仏教の僧侶)はボロクソに描写されているのだろうか? 当時の社会で、よく焚書されなかったものだ。それとも、ペストの流行で教会の権威が堕ちていたということなのだろうか? また、何かにつけて女性は男性に劣っていると主張されるのが、目についた(昔の作品にはよく見られることだが)。このような社会では、女性の生き方は今とかなり違うだろうな、と想像した。