ボッカッチョのレビュー一覧

  • デカメロン 上

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    Blueskyで「みんなで読みましょう」に参加しています!
    デカメロン興味のあるみなさん、これを機会に一緒にどうでしょう!「#デカメロン」でお待ちします!



    <これから始まる本書は『デカメロン』別名を『がオレット公』という。
    本書では百の物語が十日の間に七人の淑女と三人の貴公子によって語られる。>(引用)

    冒頭は著者ボッカッチョによる説明です。口調が「〇〇は人の常でございますが/〇〇できましょうか/報恩のほど/神様の思し召しで」というようなものなので、舞台が始まる前に幕の前で燕尾服の案内人(またはイタリアの
    道化師姿でもいいかも)が口上を述べているような印象です。

    要するにですね、ボッ

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    2025年08月28日
  • デカメロン 下

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    好きな話がいくつかあった。しっかりメモもとってある。そもそも難しすぎて読むことができない哲学書、専門書と違って、作り話を馬鹿にせず、楽しむ姿勢さえあれば、難なく最後まで読み切れるはずだ。

    休憩中に『デカメロン』を(もちろんカバーはつけて)読んでいると、「何読んでるの?」と聞いてくれる人がいた。『デカメロン』に関して、「名前は聞いたことある」という人はちらほら。「読もうと思ったが、面白さがわからず断念した」が2名いた。

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    2024年05月16日
  • デカメロン 上

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    最近『源氏物語』(KADOKAWAビギナーズクラシックス版)を読んだ時にも思ったのだが、当時の人々がどれだけその作品を熱中して読み込んだかを想像するのも楽しい。

    「長い」とか、「登場人物が多くて覚えられない」とか言う人の気持ちも十分わかるのだが、TVもない、インターネットもない、ゲームもない、ましてやSF小説とか推理小説みたいな他ジャンルもまだ確立されていない時代に、時間を忘れられるようなフィクションに対して、「話が長いなぁ」なんて思うだろうか?むしろ何度も読み返したに違いない。何度も読み返すのだから登場人物が覚えられないなんてこともありえない。言語も時代も価値観も違う物語を、時を超えて自分

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    2024年05月02日
  • デカメロン 下

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    ルネサンス初期に掲げられた、ヨーロッパにおける物語文学の最高傑作の一つ。下巻は8日目~10日目の30話。

    第八日以降は話の様相がガラリと変わり、西洋文学史上の重要な位置を占める『デカメロン』が、単なる艶笑談の寄せ集めではないということを実感した。

    第八日はイタズラや悪だくみがテーマとなり、笑えない悲惨な話や壮絶な復讐譚などが続く。ここで数話に渡って同じ三人組が登場するが、どれも気持ちのよくない話で読んでいる方も凹む。しかしその分、学びのある話ではある。第四話や第十話のように痛快な話もある。

    第九日はテーマなしとなり、教訓のある話や笑い話などで十人の若者たちの空気は少しなごむ。そこで第十日

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    2022年04月04日
  • デカメロン 中

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    パンデミック下の14世紀イタリア。貴族の若者たちによる面白おかしい百物語。中巻は4日目~7日目の40話。

    第四日はバッドエンドの昼ドラ、第五日はハッピーエンドの昼ドラ、第七日はドロドロな昼ドラ、といった感じで、恋愛のもつれやエロ話が出てくるわ出てくるわ。といっても下世話なだけではなく、切なさや勇敢さ、機知に富んだ展開などもあり、そこに見られる男女の感情は700年も前に書かれた本とは思えないほどリアリティにあふれている。

    この中にあって一息つかせるためなのか、第六日だけは雰囲気が異なる。「冷やかされても言い返し、すばやい返事や判断で、危険や身の破滅や世間の嘲笑をかわしおおせた人々について」と

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    2022年03月31日
  • デカメロン 上

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    ペストが流行する14世紀のフィレンツェで、10人の紳士淑女が語る、18禁多めな百物語。上巻は30話まで。

    1人1話ずつで1日に10話、10日で100話となる計算。
    1日目は機知に富む話が多く、何となく日本昔ばなしを連想した。2日目以降はその日ごとにテーマが設けられ、お題に沿った話が語られるが、次第に猥談味が濃くなっていく。3日目になるとほとんどの話にエロティックな要素がある。冒険譚や貴種流離譚などの内容も豊富で、どの話も面白い。海賊に捕まってどうこうというものも多く、アラビアンナイトなども連想されるが、ファンタジーな要素はない。

    個人的なお気に入りは、運命の不思議を感じる第二日第六話、第七

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    2022年03月29日
  • デカメロン 中

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    第4日目は、恋の末に女が死んでしまう物語が多く、全体的に悲劇が多かった。

    上巻では、わりと練られた語りだしだったが、だんだん話し手が変わる時の繋ぎのセリフが雑になってきている気がした

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    2024年05月13日
  • デカメロン 上

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    一つ一つの話が楽しんで読める。キリスト教の権威やペストの流行などの歴史的背景を踏まえて読むとさらに思うところがあり、歴史の教科書だけだはわからない当時を雰囲気を垣間見れているのではないかと想像すると、感慨深い。

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    2022年05月08日
  • デカメロン 下

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    ネタバレ

    上巻・中巻に続き、本巻が最後。8-10日にわたる30話を収録しています。
    話の内容は相変わらずトンデモ話やエロ話なのですが、一番強烈だったのは第9日第10話。ピエトロ親父の妻を神父さんが魔法で雌馬に変えるお話。生々しくて粗筋を書くのも躊躇する笑。興味がある方は是非読んでみてください。

    他方、第10日は「愛やその他のことについて、立派なことをした人の話」というテーマが掲げられます。ここではこれまでと趣向がやや異なり、理性・忠節・貞節・騎士道といった美徳・人徳が発揮されたエピソードが描かれます。

    ですから、とりわけこの下巻を読み終えて感じたのは、人間の振れ幅の大きさ。邪悪にもなれれば気高く振舞

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    2021年11月15日
  • デカメロン 中

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    ネタバレ

    3巻からなる大作の中巻は4日目から7日目の計4日間・40話を収録しています。

    当『デカメロン』ですが、実は毎日テーマが決められ、話が展開していきます。例えば4日目は「その恋が不幸な結末を迎えた人の話」、7日目は「女たちが夫に対してやらかした悪さの数々」など。でも、艶話・面白話もこうも続くと、多少の変化が日々ついているとはいえやはり少し飽きを感じてしまいます。

    そんなことをたらたら考えながら読んでいましたが、訳者平川氏の渾身の解説に大きな学びがありました。それはダンテとの対照性です。

    端的に言えば、ボッカチヨは寛容である、という主張。
    ボッカチヨはダンテを尊敬し、作品も相当読み込んだらしく

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    2021年11月08日
  • デカメロン 上

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    ネタバレ

    世界史でボッカチョを習うまでは、デカメロンと聞けば私には「少年隊」しか思い浮かびませんでした(ほとんどのかたの頭に?が浮かぶことでしょう)。

    ボッカチョは世界史ではルネサンス期の文学者として登場しますね。そして、本デカメロンは、ペストで人口の2/3が死に絶えたフィレンツェで男女10人が10日間にわたりとっておきの話を披露するというものです。

    全体に渡り艶話が多いのが特徴。とりわけ出家した修道士が性欲むき出しであれやこれやといそしむ話や、連れ合いが居る身なのに「真実の愛」とか何とかでもう手八丁口八丁で合体しちゃう話とか。700年弱前に完成した作品ですが、今読んでも大分ストレートだなあ、とたじ

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    2021年11月02日
  • デカメロン 下

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    文庫でない河出書房で読んだ。文庫よりも文字が小さかった。さらに解説が半端でないほど長く、ほとんど1日分ぐらいある。しかもデカメロンの解説が最初の解説と、他の作品の解説の後と二重になっていた。
     これを読んでわかるのは観光で有名なイタリアという国が貴族社会であり、かっては教会社会であったということである(今でもそうかもしれないが)

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    2020年08月30日
  • デカメロン 上

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    出口さんがおすすめされていたので急遽購読。ペストが蔓延する中世のフィレンツェから、10人の淑女紳士が別荘地へと避難し、1人1日1話のお話を10日間行うというもの。まさにステイホーム状態。お話というのは、聖職者の恋愛、浮気や不倫、詐欺、敵を貶める策略、不義不忠といった下世話な内容ばかり。今で言うところの週刊誌ネタ。人生に役だつ箴言やありがたいお言葉があるかと思いきや、そんなものは全くなく、面白おかしく楽しく語っていて、ペスト禍にあるとは思えない。これは、そう言うものだとこちらも面白おかしく楽しむのが良い。今より宗教が大きな力を持っていた中世においても、みんなやることはやっているのだ。

    この作品

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    2020年07月26日
  • デカメロン 上

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    話の内容は形骸化したカトリック体制への痛烈な皮肉が山盛り、また人の愚かしさがよく描かれ、現代人にも楽しんで読めるブラックコメディになっている。
    訳注の多さや固有名詞のカタカナ表記の仕方、訳者による台詞や詩への追加など気になる点はあるものの、本文自体は読みやすく雰囲気の伝わる翻訳であると思う。下世話な隠喩について長々と解説を書かれると興を削がれるが、これは翻訳者の想定した読者に自分が合わないと諦め、訳注や解説は気になるところだけ読むことにした。

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    2020年03月19日
  • デカメロン 下

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    14世紀のペスト下で巣籠もり中の、男女10人による百物語を、21世紀のコロナパンデミック中に読もうと購入しましたが、めちゃめちゃ時間がかかりました。

    イタリア人の名前に馴染めず、10人のうち誰が男性かも分からないまま読み進めましたが、やがて、それぞれが物語りを始めると登場人物も爆発的に増え、収集がつかない事に。読むスピードも極端に遅くなりました。

    4日目ぐらいで気付きましたが、Oで終わる名前が男性、Aで終わる名前が女性ですね。ネイーフィレだけ例外で女性です。これから読む方はこの点を押さえて読んだ方良いです。常識だったらすいません。ただ、10人が語る物語の中の登場人物は時代が違ったり、そもそ

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    2023年01月03日
  • デカメロン 中

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    中巻、10日間のうち4日から7日目の物語です。

    坊さん(教会)の悪口に飽きたのか、この巻は恋の話が多いです。しかし不倫多いですね。いや、別に良いのですが。

    不倫じゃなくても「娘の親の許しさえ出ればすぐにでも娶ろうと2人の青年はいずれも色めき立っている。もし申し込みが断られた際は、たとえいかなる手段を講じてでも、女を我が物にしようと2人とも心中思っている。」と穏やかでない。

    とは言え、この時代も無法世界ではありませんから、不倫も掠奪もバレるとタダではすみません。特に不倫が見つかった女性は命懸け、現代の芸能界より厳しいです。

    そこまで恋愛に命をかける。やはり娯楽が少ないからでしょうか?それ

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    2022年12月30日
  • デカメロン 上

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    ペストから逃れ、巣籠もりをするフィレンツェの10人の若者が、暇つぶしにそれぞれ1話づつ、10日間で100話の短い物語を語りあいます。

    語られる話は宗教がらみか艶笑話、もしくはその両方が絡んだ小噺が多く、やはりイタリアはキリスト教国なのだな、エロは必須なのだなと感じました。

    話の舞台はイタリア国内ほもちろん、フランスやイギリスはおろか、アフリカやアラブ圏にまでおよび、当時(14世紀!)のヨーロッパの世界観や多様性が感じられました。

    長年に渡って繰り返された十字軍の失敗とか、当時の教会の腐敗とか、歴史的背景を勉強しなおして読んだ方が良いのでしょうが、難しいですよね。Wikiで調べるのがやっと

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    2022年12月29日
  • デカメロン 上

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    ネタバレ

    ペストから逃げて田舎で楽しいおしゃべり、という話。
    上の半分まで読んで、ご馳走様、とい感じ。
    (上流階級言葉と、訓話的なストーリーの繰り返しが
    単調に思われた。)

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    2020年05月24日
  • デカメロン 上

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     ペストが猖獗を極めた十四世紀フィレンツェ。恐怖が蔓延する市中から郊外に逃れた若い男女10人が、面白おかしい話で迫りくる死の影を追い払おうと、十日のあいだ変わるがわる語りあう百の物語。(裏表紙より)
    まず、「デカ」はギリシャ語で「10」、「メロン」は「日」という意味だそうだ。(この本のことは前から知っていたのだが、長い間、結構真剣に(食べ物の)メロンが関係しているのだと思っていた笑)

     さて、内容についてだが、あからさまな性的描写(とは言っても、そのものど直球に言及しているわけではないのでキツい下ネタと言ったほうがピッタリか)が多く、少し不愉快に感じたのでので評価は星3。よく言えば、生の寿ぎ

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    2019年12月10日