松浦健二のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
シロアリの知られざる生態について、第一線の研究者が簡潔かつ面白く記述。
シロアリは、ゴキブリと近く、アリが羽の落ちたハチだとするとシロアリは社会性の極めて発達したゴキブリ。ありとは違い幼生のまま大きくなるため、よく見ると見かけの凶暴さも薄い。社会は、創設王/創設女王/二次王/二次女王/ニンフ/兵アリ/ワーカーに区分される。春先にニンフが羽蟻となって既存の巣から新設の巣を設立するため飛び立つが、ほとんどが死んでしまう。そこからつがいになって巣を作る。女王は単為生殖によりクローン(二次女王)を作って、巣を大きくすることをサポートするが創設王は何年も生き(30年くらいは可能らしい)巣の寿命を決定する -
Posted by ブクログ
ネタバレチェック項目28箇所。この本は魅惑のシロアリワールドを紹介するものだ、退治にとりかかる前に、生物としてのシロアリの本当の姿を知ってほしい。「白蟻」だからアリかと誤解されやすいが、アリとシロアリは分類上は全くちがう昆虫だ、アリはミツバチやスズメバチなどハチに近いのに対し、シロアリはむしろゴキブリに近い、簡単に言えば、アリは翅をなくしたハチであり、シロアリは社会性を高度に発達させたゴキブリなのだ。日本はシロアリの分布の北限で、シロアリのほとんどは熱帯や亜熱帯にいる、そのうち、人間に多少とも被害をもたらす種はほんの100種足らず、大部分は、枯れた植物を分解することで、生態系の物質循環に大きな役割を果
-
Posted by ブクログ
あまのりょーさんのツイートで知り読みました。同窓生だったそうな。
驚くことばかりの本でした。
まず、蟻はハチに近く、シロアリはゴ○○リに近いという初歩的なところからして知りませんでした。
筆者は、「じっくりと公平な目で見てみると、アリなんかよりずっと愛らしい姿をしていることに気づくはずだ。」と言います。
確かに丸く大きい頭やうさぎの耳のような触角はかわいいと言えないこともありません。29ページの「図14 水槽の中を歩くヤマトシロアリの兵アリ」の写真なんて、とてもかわいいです。
でも、一匹一匹はかわいらしくても、小さな虫が一か所に集合しているコロニーの写真を見ると、ぞわっっとし -
Posted by ブクログ
ネタバレ成毛さんの「100冊の本」ハダカデバネズミ、の隣にあってついで買い。でも私的にはこちらがもっとおもしろかった。え?ゴキブリの子孫だったの?それ以前に先祖はカマキリから枝分かれしたの?という導入部もナルホドですが、彼らの社会生活性はアリやハチが終身カースト制度であるよりも柔軟で現代の人間社会に近い。
自分の持っていたイメージでは、虫の世界は女王様ありき、オスは添え物。巣立った時に交尾したらお役御免でオスはポイ、と思っていた。ところがシロアリさんたちは違うんですね。巣には女王だけでなく王様も住んでいる。女王(=卵を産む)は何(百)匹もいてハーレム状態。さらに王様は何十年と生きる。女王のほうが短命 -
Posted by ブクログ
面白い!アリの生態本はよく読んでいたが、シロアリは同じ真社会性昆虫と言っても、かなり生態が異なる生物だと分かった。
また、イラストがかわいい!絶妙なデフォルメと手書きセリフが楽しい!学術的な内容を一コマで表現していて、見事です。ちなみにイラストの作者「いずもり・よう」さんは『働かないアリにも意義がある』にも描いてます。
以下、知らなかった・驚いたこと。
・ワーカーにはオス、メス両方いる(アリ、ハチはメスだけ)
・王と女王以外は発生学的に全て幼虫
・黒いシロアリがいる
・水中でも何日か生きられる
・同性カップルが出来る。オス同志だと小さい方が人身御供。
メス同士だと、単為生殖する。
・