玉川数のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「たけくやしき」「憑物壺」「玉かんざし」の3篇が印象に残りました。
中でも「憑物壺」かなぁ。呪物を扱う恐ろしさと、その存在を受け入れていたということが怖いです。各地の狐憑きの伝承とかは、「憑物壺」の話のような家の存在があったからなんでしょうね。
そういえば、MASTER KEATONで狂犬病を利用した殺人事件の回ありましたね。思い出しました。あの話は、犯人の狂気が恐ろしかったですが、職業にしているという「憑物壺」は、理性があってのことなので、違う怖さです。
狂気は理解できないけど、職業ということになると職務内容はともかく、仕事をする、という行為は理解できてしまうので。
「たけくやしき」は漢字にすると「猛悔しき」とでもなるのかな。そういう言葉があるのならば、勉強不足ですみません。自分が大事にしていることだけど、生活のためにはどうしても後回しにしてしまっている現実。その罪悪感をついて、心の弱さ隙間につけこんでくる言葉を、否定できない不甲斐なさ、もどかしさ。
そんな感情を吹っ飛ばしてくれたのは、守るべき存在でした。感謝です。
遺された想いを昇華させることのできた「玉かんざし」。
こういう話は、やはりいいです。理不尽に失ってしまった人生の心残りを、救ってあげることのできた話は、心に残ります。せめて、ささやかな安らぎを。 -
Posted by ブクログ
日高トモキチが文章を書いているということにまずびっくりした記憶。いや、漫画家の人が文章書くことが別に不思議ではないのだけども、そういう印象がなかったもので。
里山とは、集落、人里に隣接した結果、人間の影響を受けた生態系が存在する山をいう。深山の対義語(Wikipediaより)。
つまり、人と自然との境界、キワである場所ということか。
キワには、面白さが詰まっている。サッカーでいうトランジション。格闘技の打・投・極の際。ブラタモリ曰く、地形のへり・キワ。
なぜに、面白さがあるかというと、そこに危うさがあるからです。
平穏が崩れる危うさが。
そんなキワの面白さ危うさを語った里山奇談41篇。
「ヱド」「誰何」「観察会」「カンヌケサマ」「巣」。順不同で印象に残った5篇。
「ヱド」は怖かったなぁ。禁忌と共存するゆえに鈍磨してゆく感覚と、禁忌を知らない無知の怖さ。禁忌の地に対しての感覚は、その地に住み続けている人とは決して相容れないものがあるという、強烈な隔絶。
おそらく、その点以外は不自然なところはないからか。ううむ、恐ろしい。