玉川数のレビュー一覧

  • 里山奇談 よみがえる土地の記憶

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    いいもの読んだ気持ちになったり、ちょっと恐かったりそういう本だった。たくさん好きなのがあった。特に残っているものは「観察会」「笑うものが来る」「おかえりの蜂」「鉤虫」「おまっしらさん」「アイとハシとサカ」「黄昏れ」「陰の膳」「好かれる人」「浜辺にて」「山野辺道行」「松虫」「蜩」「雪の残る熊笹の向こうに」「いけるしかばねのしかのし」「誰 何」「土に還す」「精霊蜻蛉と山の神」。どれも好きで、物語の種を掌にそっともらったような気持ちになれた。「いけるしかばねのしかのし」は続きが知りたい。他の二冊も読みます。

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    2019年11月27日
  • 里山奇談 めぐりゆく物語

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    怪談ではなく、里山の生き物(虫、動物、魚)をめぐる不思議な話。
    虫は苦手だけど、各話での風習や言い伝え、怪談めいた話から伺えるその地の民俗が、気づきを与えてくれる点は良かった。
    会話を追想する際の書き方が独特で、だれがしゃべっているのかわかりにくいものもあった。3人の筆者のうち誰かなのだろう。
    学問的に検証しているわけではないが、怖がらせることを目的に書かれたものではなく、あくまで「里山」をめぐる伝承や昔の話の体験談、伝承なのでカテゴリは民俗学にした。

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    2022年08月31日
  • 里山奇談 あわいの歳時記

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    「たけくやしき」「憑物壺」「玉かんざし」の3篇が印象に残りました。
    中でも「憑物壺」かなぁ。呪物を扱う恐ろしさと、その存在を受け入れていたということが怖いです。各地の狐憑きの伝承とかは、「憑物壺」の話のような家の存在があったからなんでしょうね。
    そういえば、MASTER KEATONで狂犬病を利用した殺人事件の回ありましたね。思い出しました。あの話は、犯人の狂気が恐ろしかったですが、職業にしているという「憑物壺」は、理性があってのことなので、違う怖さです。
    狂気は理解できないけど、職業ということになると職務内容はともかく、仕事をする、という行為は理解できてしまうので。

    「たけくやしき」は漢

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    2021年10月02日
  • 里山奇談 よみがえる土地の記憶

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    日高トモキチが文章を書いているということにまずびっくりした記憶。いや、漫画家の人が文章書くことが別に不思議ではないのだけども、そういう印象がなかったもので。

    里山とは、集落、人里に隣接した結果、人間の影響を受けた生態系が存在する山をいう。深山の対義語(Wikipediaより)。

    つまり、人と自然との境界、キワである場所ということか。
    キワには、面白さが詰まっている。サッカーでいうトランジション。格闘技の打・投・極の際。ブラタモリ曰く、地形のへり・キワ。
    なぜに、面白さがあるかというと、そこに危うさがあるからです。
    平穏が崩れる危うさが。

    そんなキワの面白さ危うさを語った里山奇談41篇。

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    2021年05月18日
  • 里山奇談 めぐりゆく物語

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    ネタバレ

    タイトルのごとく。里山にまつわる、色んな方のちょっとした不思議な思い出や体験話。怪談のような怖さはなく、しんみりとした懐かしい気持ちになる。本当は夢だったのかもしれないし、未知の真実があるのかもしれない。何事もはっきりとはさせられない、その曖昧さがよい。

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    2020年12月18日
  • 里山奇談 めぐりゆく物語

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    怪談よりの民話、伝承。
    おばあちゃんから聞いた話の延長で起きたような里山の怪異譚。
    蛇を苛めると恨まれる。私も信じてたし、この本でも蛇に土をかけて虐めた子供が大怪我した。
    なのにうちの祖母は蛇に熱湯かけて殺したのに98歳。まだまだいきてる。
    ちょっと怪談には物足りない。

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    2020年08月23日
  • 里山奇談 よみがえる土地の記憶

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    結構沢山のお話が載っていたので、山の不思議な出来事について色々知ることができて興味深いです。地元の人や、広まっていかない一部の人しか知らない不思議な話とか好きなのでこういう本はありがたいです。

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    2024年09月17日
  • 里山奇談 めぐりゆく物語

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    「土塊」のような存在は怖い。何気なくそこに存在しているものに、籠められた思いに気付いてしまったとき、その思いに恐怖が滲み出します。

    能動的にこちらへ向けられているわけでないけど、誰かがこの思いのスイッチを踏むであろうこと。そして、その結果完成するであろう瞬間を静かに、ただし思いを途切れさすことなく待ち続ける執念。
    そうだね、「土塊」に感じたものは執念だ。あれを仕掛けた存在が、どんな思いだったかはわからないけども、あれへの思いの執念です。

    後半で語られるのは「土塊」への答えの一つ。
    やはり、執念の怖さですよ。

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    2021年09月27日
  • 里山奇談 よみがえる土地の記憶

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    coco、日高トモキチ、玉川数『里山奇談 よみがえる土地の記憶』角川文庫。

    怖さよりもどこか懐かしさを感じるような里山の怪異を集めた短編集。41編を収録。

    昆虫や動植物、得たいの知れない何かが人びとに見せてくれる不可思議。現代の日本の里山は自然が破壊尽くされ、なかなか不可思議と出会う機会が減ったように思う。また、自然を畏怖し、自然を大切に思う人間の心構えは時代とともに変化しており、そのことも不可思議と出会う機会を減らす一因となっているようだ。

    本体価格620円
    ★★★

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    2020年01月07日
  • 里山奇談 よみがえる土地の記憶

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    確かに山では考えられないことが起こるので実話なんだろうなあ。
    何らかの説明はつくにしてもそのときにそう感じたのは事実だろうし。

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    2019年12月21日