トッド ローズのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ軽々しく個性ということなかれ
一つの基準で比較することを奨励したおかげで、一次元的思考に偏るようになってしまった。
人間の才能にはばらつきがあるという事実を受け入れ、子供のそれぞれのプロファイルを評価し、長所を生かすための方法を探してあげる。
行動は、特性、状況のどちらかで決まるわけではない。
特別なコンテクストでどのように行動するのかを理解する。
平均主義に騙された私たちは、正常な進路なるものがあると思い込み、成長の道が一つだけ存在すると信じて疑わない。
みんなと同じ場所でみんなよりも秀でなければならない。こんな窮屈な思考パターンに陥ってしまう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこの本はすごい!!!
目からうろこが落ちるどころが、うろこをひっぱがされる感じ!
データをとって、「これが平均値」となると、それがマジョリティの中のマジョリティ、母集団を代表する存在である、と思うじゃないですか?
でも平均に一致するものが何もなかったり、あるいはその+/-の範囲に入るものがすごく少ないケースは多々あるという話なのです。
1940年代のアメリカ空軍は墜落事故が多発していましたが、その原因がコックピットの使いづらさだと判明。当時「パイロットの平均体形」に基づいて設計されていたものの、1950年に改めて身長、胸回りや腕の長さなど10カ所の平均値を割り、10項目すべてにおいて平均範囲 -
Posted by ブクログ
「〇〇は捨てなさい」的なタイトルはあまり好きじゃないけど、本書はとても気になったので購入してみた。
しょっぱなから出てきた空軍のコックピット問題についての記述は、私の中で大ヒットだった「多様性の科学」でも出てきたやつだったので、かなり期待して読み始めた。
まず、平均というものが社会に出てきて、多用されるようになった歴史から。とても興味深かった。私にとって、「平均」は「平均」であって、「平均」についてそれ以上のこともそれ以下のことも考えたことがなかったので、「平均」が登場したころの「平均が完璧である」という考え方には逆に新鮮さを感じた。平均な人間が問題のない人間であって、そこから外れると劣っ -
Posted by ブクログ
いまのところ今年いちばん面白かった本。タイトルが軽薄なビジネス書のように思われるが、出典明示度が高く骨太。原題はTHE END OF AVERAGE How We Succeed in a World that Values Samenessなのでビジネス書感はある。単純な平均だけでは物事は測れない、環境(コンテクスト)で事象の起こりやすさが変わる。そもそも平均して人間の特質を評価しようとすること自体が発明であり、企業が利益を追うことに適合していたのでそのまま広く使われるようになった。学習においての偏差値が使われるのも、差を見出したいからであってそれが本質かどうかは別の問題である。テストの成績
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Posted by ブクログ
・才能にはバラツキがあるとして、画一的な評価をやめたグーグルやマイクロソフトの事例が興味深い。特にグーグルは具体的な項目を洗って調べており、説得力があった。
・個人は、特性心理学・状況心理学、いずれか一つではなく、複合的な要因で形作られるという当たり前のようで、偏っていた思考がわかった。
・「あなたは正直、不正直」では、誰もが一貫性を持っておらず、状況によって変わる事がわかった。
・「才能は特別なコンテクストで発揮される」でも、似たような事が書いてあり、その通りだと感じた。
いずれも思い込みと事実が実は異なっているということに、はっと気付かされた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ平均は数値として計算できるが、平均的な身体のサイズの人はいない。同様に平均的な才能や知性や性格、も存在しない。
平均信奉はテイラー主義が由来。
マイクロソフトはスタッフランキングで失敗した。社員に多様な才能があることを見逃し、ひとつの尺度で測定した。官僚的組織になる。
太って背の低い人と痩せてて背の高い人、どちらを大きい人と呼ぶか。答えられない。
新入生の知能テストは、テスト間での相関はない。学業成績と知能テストも同じ。卒業後の仕事の実績と学業成績にも相関はない。
グーグルは社員の実績に相関がある変数は見つけられなかった。
履歴書不要の採用プログラムで実際にプログラムを教えて採用を決定すると、