細将貴のレビュー一覧
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学研の科学を座右の書にしていた少年少女にとって、伝記が書かれるような偉人さんというのは一種のヒーローだった。
そういうことを思い出せる本。
表題にもなっている著者の研究について紹介した本であるが、内容は著者の研究生活の悲喜こもごもを綴ったルポルタージュのような、半自伝とでもいうべきもの。
研究紹介本にありがちな、妙に愚痴っぽかったり変に専門的だったりということもなく、読みやすい。(テキストが面白いというのはこの手の本では希少である)
構成がちゃんとドラマになっているし、研究内容そのものも刺激的で、大変魅力的な本に仕上がっている。
生物好きなら読んで損なし。
研究者生活の何たるかを知ることも -
Posted by ブクログ
ネタバレ2013/11/2のなまけっとで細先生の講演を聴き、その場で購入したサイン入り本です。話がほんとにおもしろくて、あの楽しい講演がそのまま本になった感じです。
ものすごく楽しい読書時間だった。やっぱり学問って、結果よりも研究している過程がなによりもおもしろい。細先生がどんな学生時代を過ごし、どうしてセダカヘビを研究することになり、研究を進めるに当たってどんな試行錯誤をし、どんな過程を経て論文掲載→学位取得となったか、研究の詳しい内容も含めて丹念に書かれていて、これから進路を決める中高生にぜひぜひ読んでもらいたいな~と思った。
結果しか書いていない教科書がおもしろくないと言われるのも、当然だなとい -
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人間はもちろんのこと、ヒラメとカレイのように右型の種と左型の種の両方がいるような生物でも、脊椎動物なら必ず左側に心臓があると言えるそうだ。ところが無脊椎動物には、大胆にもそっくりそのまま左右を逆転してしまう仰天の進化を遂げた生物がいる。それが巻き貝である。
サザエ、タニシ、カタツムリなど、私たちの周りにいる巻き貝はほとんどが右巻きである。しかしカタツムリなど一部の種においては、少数ながらも比較的たくさんの分類群で左巻きの種が見つかっているのだ。本書は、そんな生き物たちの「右と左」に関する進化の物語。主役はカタツムリとヘビだ。
著者は、ある日ふとしたことから仮説を思い立つ。左巻きのカタツムリ -
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イワサキセダカヘビの下顎の歯の数が左より右が多いのは、右巻きのカタツムリを捕食しやすいように特化したという仮説を証明するために、著者は様々な行動、実験を行う。結構読んでいて面白い。著者の懸命な努力が分かるし、間に挟まれるコラムも結構興味を惹かれる。実験の結果、セダカヘビがカタツムリを食べるとき首を右に曲げるという右利きということが分かる。その方が右巻きのカタツムリを捕まえやすいのだ。稀にいる左巻きのカタツムリだと上手く捕獲できずカタツムリを落としてしまう。この辺りの読んでいると、著者の熱がこちらに伝わってくる。右側の歯が多いこともカタツムリを殻から引きずり出すの都合がいい。セダカヘビが多くいる
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人間は、右利きが多いなか、少ないながらもある程度の割合で左利きの人がいる。ある種のヘビは右利きのものに進化しているものがいる。
それが、細さんの研究対象となったイワサキセダカヘビ。
イワサキセダカヘビは、セダカヘビ科の一種で、沖縄の八重山諸島に生息している。
その骨格は、左右非対称で、右と左の歯の数が違う。そして、それが、右巻きのカタツムリを食べるのに特化した進化なのではないかと仮説をたて、西表島で研究活動をするのです。
その西表島でのイワサキセダカヘビ採集や、夜間の熱帯雨林での現地調査の様子が印象的です。
フィールドワーク、野外で調査するある意味実地派、肉体派の研究者もかなり -
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ネタバレ内容情報
[日販MARCより]
著者がこの5年間の大学院生活の間に解き明かしてきた、生き物の「右と左」に関する進化の物語。主役は、カタツムリばかりを食べる、ちょっと変わったヘビ。スペシャリストとして生き延びてきた、究極の姿がここに。
[BOOKデータベースより]
生き物の「右と左」に関する進化の物語。主役はカタツムリばかりを食べるちょっと変わったヘビ。
第1章 生き物の右と左(体の左右がひっくり返るという進化;左巻きのカタツムリ)
第2章 右利きのヘビ(「右利きのヘビ仮説」;スロー・スターター;右利きのヘビ、発見!;博物館のチカラ)
第3章 西表島で調査する(島の暮らし;調査生活;夜の森にひと