ジョセフィン・テイのレビュー一覧

  • 時の娘

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    斬新!安楽椅子探偵がまさか時代を遡って推理をするなんて。そして、回想や再現VTRではなくあくまで思考を書き連ねてるのに飽きさせない。正直歴史の知識不足も多々あるので、混乱することもあったけど、楽しめました

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    2024年04月14日
  • 時の娘

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    さすがに歴史ミステリの名作といわれるだけあって、面白かった! ただ歴史ものなので、多少の前知識がないと分かりにくそうだった。予習としてシェイクスピアの「リチャード三世」を読んでいて良かった。
    調べたところ、タイトルの「時の娘」はフランシス・ベーコンの言葉「真理は時の娘であり、権威の娘ではない」に由来するようだ。真実は隠されていても時の経過によって明らかになり、権威によって明かされるものではない、という意味らしい。まさにぴったりのタイトル!

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    2024年03月11日
  • 時の娘

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    ロンドン塔の王子たちを殺害したのは本当にリチャード三世なのか?ベッド探偵が真実に迫る歴史ミステリの傑作。

    シェイクスピアの戯曲では清々しいまでの極悪非道の人物として描かれていたリチャード三世。そのイメージが広く流布したまま時は流れ、本書が発表された20世紀半ばに至っても彼の悪名は依然として世間に轟いていた。退屈な入院生活中にふとその肖像画を目にすることになったグラント警部は、人間の顔分析についての職業上の経験と独自の見解から、「この人物は本当に悪人だったのか?」と疑問を抱く。退院までベッドで暇を持て余す警部は、歴史的人物の真相に迫るべく文献の調査と推理に乗り出していくのだった。

    英国の歴史

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    2023年09月11日
  • 時の娘

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    ネタバレ

    「薔薇王の葬列」を読んでいたら、無性に読みたくなって。十数年前に読んで手放した本でしたが、メルカリで再度購入。いや、堪能いたしました。フレーズもいっぱい登録しちゃいました。

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    2022年07月05日
  • 時の娘

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     グラント警部は犯人を追跡中に足を骨折して入院することとなったが、ベッドから動けずに退屈を持て余していた。友人である女優のハラードは、歴史上のミステリーを探究すれば退屈がまぎれるのではないかと提案し、何枚もの歴史上の人物の肖像画を持参する。グラントは、その中の1枚に関心を持つ。グラントは人間の顔に現れる人物の性格を見抜く特技を持っていた。彼の眼には良心的で責任感のある人物として映ったその肖像画の主は、リチャード3世であった。
     この小説は、「歴史がいかにして作られるのか」を探究し、確かな証拠がないにもかかわらず今や定説となってしまった歴史が、恰も真実のように語り継がれていることに疑問がある。グ

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    2019年09月18日
  • 時の娘

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    肖像画から始まり歴史の定説に挑む面白さに溢れている
    客観的には悲運の名君が冷酷非道な簒奪者とされてしまう情報操作の恐ろしさを感じる
    陰謀論と情報操作に揺れる現代社会に生きる身としては考えること大
    ジェームスやらエリザベスが繰返し現れるので家系図読んでも混乱する
    『ロスト・キング 500年越しの運命』2022でも簒奪者リチャード3世定説との戦いが描かれるが、シェークスピアの偉大さが敵なのか
    日本人は大河ドラマの視点がコロコロ変わる事に慣れているのに
    遺体の発見で流れは変わったのか

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    2025年11月02日
  • 時の娘

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    ミーハーなためニュースを観て再読。『薔薇王の葬列』をかじったため、昔より「うっすら分かる」状態になっていて、やっぱ絵と物語で覚えるのは強いなと思いはしたものの、知識に対して非ネイティブであるためのピンと来なさはまだかなりありました。シェイクスピアを学ぶ気運が来たろうか。

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    2024年06月24日
  • 時の娘

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    ネタバレ

    アームチェアディテクティブならぬベッドディテクティブ。
    警官の(推理作家の)視点で歴史ミステリを解明していくお話の古典とも言える作品。
    これから読むとリチャード三世推しになり、シェイクスピアから入ると真逆になるという。
    映画『ロスト・キング 500年越しの運命』も見てみたいなぁ。
    映画のノベライズはなかったけど、『王家の遺伝子 DNAが解き明かした世界史の謎 (ブルーバックス) 』も関連としてメモ。
    時の娘の作中作の『レイビィの薔薇』は架空の作品で残念。そうか、架空か…。

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    2025年05月28日
  • 時の娘

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    ミステリーの古典的な作品。負傷療養中のヤードの敏腕警部がベッド上で、リチャード3世の悪行と言われた数々を覆して行く、と言うもの。看護師や彼に代わり調べ事を請け負う青年など、リアル登場人物との会話も生き生きしていて、歴史上のモノ言わぬ人との対比も良かった。ロンドン塔で謀殺されたとされる金髪の美形の兄弟の話が有名なのでホッとした。肖像画見ながら読むのも楽しかった。

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    2022年11月14日
  • 時の娘

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    ネタバレ

    グラント刑事が入院中のベッドの中で悪名高いリチャード三世の素顔を歴史文献から推理していくベッド探偵小説。イギリス史を知らないので家系図とにらめっこしながらも面白いのだから、現地の人が読んだら本当に面白い小説なんだと思った。警察官の洞察力と事実に基づく考察やキャラダインの若くて勢いのあるところが心地よい作品で読んで良かった!

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    2022年05月05日
  • 時の娘

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    史実は歴史書と違う場合がある
    史実を如何に読み解くか。歴史は勝者の物と言われるくらい勝者の史実として作っていることだ。イギリスの王位継承権での争いも「裏切り・利権・名誉」等において、次期王が前王に全ての悪名を被せ裏工作を淡々と成し遂げた「汚い」歴史だ。だが、この小説では史実を掘り下げだけではなく時代に登場する人物に「得する人間vs損する人間」を警察官の様に検視する目を持つ事だと感じた。

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    2022年04月17日
  • 時の娘

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    薔薇戦争の頃のイギリス王室についてほとんど知らなかったため、勉強になった。リチャード3世は数々の物語の題材になる有名人なんだね。
    当時の人たちの認識と全然違う歴史書が捏造されて、真実として扱われる「トニイパンティ」。
    刑事の直感から始まり、だんだんリチャード3世の人柄を理解していくあたりは楽しめた。
    でもタイトルの「時の娘」は一体誰のことだったのか?読み終わった今もよくわからない。

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    2021年05月24日
  • 時の娘

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    薔薇戦争、ヘンリー6世、リチャード3世辺りを把握しているとイメージがひっくり返って面白い。(そこらへんの前提が無いと誰が誰だかわからなくて苦労する)

    歴史は客観的に物事を見ることができる、という台詞は、対象となる歴史自体がここまで歪んでいるとするなら、とても皮肉。まぁ、本書出版から時が経っているし、教科書に書かれる内容も今では状況が違うのかもしれないけれど。

    歴史は勝者によって作られるし、シェイクスピアは舞台だし、司馬遼太郎の小説が史実でもない。
    シェイクスピアの表裏激しいリチャード3世は突き抜けてて単純に面白いと思うし、本書の家族愛に溢れた、甘い部分はあるものの誠実なリチャード3世も好き

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    2021年05月05日
  • 時の娘

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    リチャード3世の汚名を晴らす歴史ミステリの名作。入院中のグラント警部は歴史書を読み漁り文献のみからリチャード3世の素顔を推理していく。安楽椅子探偵ものとしても有名だが英国史の本として面白い。歴史の常識を覆す面白さだ。もちろん文献から推理するのだから事実とは限らない。推測の上に推測を重ねている。その意味でお遊びだ。つまりパズルとしての面白さである。

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    2021年04月26日
  • 時の娘

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    ネタバレ

    古典ミステリを読もう企画

    安楽椅子探偵が紐解く歴史ミステリ。
    歴史ミステリを全く読んだことなかったが、こういうのなの?!こんな書き方のジャンルがあるとは。

    史実を再考察して、謎を解いていく。

    イギリス史がよく分からず、名前も似すぎてて、誰が誰だかよくわからなくなる…が、それでもなんか面白いとページが進んだ。
    キャラクターが良いのかも。

    一方の説だけ考えるのは正しくないとは思うが、この小説を読むと歴史書より信憑性あるように感じちゃうよね〜

    主人公が入院してる理由がマンホールに落ちた、は出オチ感あった。

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    2021年03月05日
  • 時の娘

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    イギリスでは世紀の大悪人のように語られるリチャード三世。自身の玉座のために、幼い甥たちを殺害したとされる。彼は本当に悪人だったのか?本当に幼い王子たちを無惨に殺したのか?怪我で暇を持て余した刑事は、暇潰しがてら始めた歴史の考証にどんどん夢中になり…という内容。
    日本でいえば、長らく低い評価をされてきた明智光秀の復権話に近いでしょうか??
    読み終わった感想としては、とにかく薔薇戦争、リチャード三世の周辺についてある程度興味も知識もあるなら、そこそこ面白い。無ければチンプンカンプンって感じです。イギリス王室って同じ名前の人がとてもたくさんいて、親子だったり、親戚だったり、対立したり、協力したりとと

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    2024年02月29日
  • 時の娘

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    ひょんなきっかけで、ウェールズに関する本を読み漁っていた時に出会った本です。

    シェイクスピアなどの古典で、名前は聞いたことあるし、ひどいことした人なんだなぁ、というくらいのイメージしかありませんでしたが。。

    昔々の話ですし、この本に書いてあることが真実とも限りませんが、目から鱗のお話でした。

    歴史書ではなく小説なので、主人公が徐々に徐々に、真相(歴史上ほんとうにそうだったかは定かでないし、今となっては知るすべもないものの)に近づいていくという構成が、読者を飽きさせず、さらっと読めてしまう本です!

    この話が本当だったとしたならば、亡くなった後にまで丸裸にされて人目に晒されるなんて、なんて

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    2020年04月02日
  • 時の娘

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    犯罪が絡むわけでもなく、日常の中に不可思議なことが起こったわけでもない。それでも時に人は無や常識から疑問を見いだし、謎を設定し、そして真実を見つけようとする。研究なんかもそうですが、こうやって謎や疑問を自ら定め、そして自分の興味を第一の理由にそれに挑むのが、ある意味最も純粋な謎解きではないか、と思います。

    そんな謎解きに挑むのが、足を骨折し病院で暇を持て余すグラント警部。警部はふとしたきっかけから、歴史上では悪人と名高いリチャード三世に対し疑問を抱き、様々な文献をあたり、彼が本当に大悪人だったのか推理を始めます。

    推理の過程が非常に面白い! 史実に対し頼りになるのは、文献や当時の記録のみな

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    2019年12月07日
  • 時の娘

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     歴史ミステリーは、読んだ覚えがない。安部公房の『榎本武揚』は、世に知られた榎本を裏切者として見たものだったから、あれは歴史ミステリーなのかもしれない。でも他には覚えがない。ぼくには。

     戦後の出版。生まれる前の本。ハヤカワ文庫の初版が出たのが、42年前か。ぼくはその頃はドストエフスキーか山岳書ばかり読んでいた頃。ミステリには何の関心も持っていなかった。ハードボイルドにも。冒険小説にも。

     本書は、犯人追跡中にマンホールに落ちて怪我をした警部が、入院中の退屈さを凌ぐために歴史資料をひっくり返して、子供二人を殺させた悪人として知られるリチャード三世の素顔を探る。肖像画を見ているとどうも殺人者

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    2019年08月31日
  • 時の娘

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    ネタバレ

    悪名高いリチャード3世が甥の兄弟を殺したのか?歴史ミステリーの名作。
    登場する歴史上の人物が多くて、しかも同じ名前もあって、何度系図のページを開いたことか。読みづらいところもあるが、イギリスの歴史ミステリーを読むのは初めてで、新鮮な面白さがあった。

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    2019年04月17日