ジョン・ロックのレビュー一覧

  • 完訳 統治二論

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    ロックの言う「自然法」とは物理法則のことであろうか?
    父の自然な権利によって、可能なことは権利があるのであるが、それをしない方が物事が上手く運ぶということは遥か昔に経験的に知られているために約束として禁じているのが社会契約である。
    悪いことは言わないので、昔の賢い人の言うことには聞く耳を持っておいた方がよいのである。その人個人に関する特殊利益がない場合には、共同体全体の利益に適する方向に行うべきであることを思い出せ。

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    2025年12月11日
  • 完訳 統治二論

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    課題読書なのでノートしながら読む。すごく体力をつかう。終わった時に感じる研究者って生き物のおぞましさ。ロックだぜ!
    読んでて頭に浮かぶのはヒトラーとか大東亜共栄圏とか日米安保とか憲法九条とか2次大戦が起源の出来事。これら市民政府論以後の統治問題に対して、市民政府論はどう解釈されるのか、されるべきなのか。(おそらくこれらはゼミ合宿での議論になる。)
    また、統治と言えば今我が国は人民信託が移行し、与党民主党の誕生を迎えた。世界混迷の今、慎重さと大胆さを兼ね備えた行政が求められることだろう。そんな時だからこそ、一度国造りの原点に立ち返ることには意味がある。慎重さと大胆さの両立を可能にするのは「ブレな

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    2009年10月04日
  • 完訳 統治二論

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    自然状態は平和であるが、たまに徳のない人間がいるため、人々がお互いの安全のために結び付き、国家を作る。その後、統治する者と統治される者の関係を決める。統治する者は人民の福祉を促進することを約束し、統治される者は服従を約束する。統治する者(主権者)は絶対ではなく、法によって拘束される。ザムエル・プーフェンドルフPufendorf『自然法と万民法』1672

    神はアダムに一切の事物を支配する権限を与えた。アダムの権限はその子孫である各国の君主に代々受け継がれてきた。だから人間は生まれつき自由ではなく、人間はアダムの子孫である国王に服従すべきである。王はアダムに与えられた現世の支配権を継承しているた

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    2025年04月26日
  • 完訳 統治二論

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    前半がまるまるフィルマーの王権神授説を批判することにあてられています。明らかに論理的に破綻しているフィルマーの説を論破するわけですが、彼の根本の前提を否定してはい終わり、というわけにはいかないらしく、仮にそれが正しかったとしたら、と仮定を置いてその後の議論も全て論駁していくというスタイルです。とても長くて読みにくかったです。そうでもして徹底的に批判しておかないといけないほど、一般的にフィルマーの説が信じられていたということなのかもしれません。

    後半はいよいよロックの社会契約説が展開され、面白くなります。論の展開は明確でわかりやすく、現代の視点で読んでもおおむね納得できる気がします。

    ホッブ

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    2022年11月19日
  • 知性の正しい導き方

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    心の揺れ(思考の、誤った方向せい)を正しい知性で整えようとする試み。

    正しい知性、命題の「前提」の確かさを確かめるため数学的推論を使う。

    観念同士の相互関係の検討、捨象と整列順序。

    心の訓練では少しずつ進めていくこと。

    知性と言っても勉強の話だけではなかった。
    その手の話が苦手な人が読んでも役に立つ本だと思った。専門用語が少なく、うんざりするギリシア人の名前も殆どといっていいほど出ない。

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    2021年11月29日
  • 完訳 統治二論

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    アメリカ独立宣言の理論的基礎となったとされる本書(1690)については、同じ岩波文庫で『市民政府論』としてかなり若い頃に読んだのだが、これは原著の後編に当たる。
    ということで、前編を読んだのは初めてだが、ロバート・フィルマーとかいう人の、王権神授説の流れを汲む著作に対する執拗な批判がもっぱら展開される。フィルマーの『パトリアーカ』はもちろん読んだことないが、本書を読む限り、かなり恣意的に聖書を曲解し、父権と王権を同一線上に置くなどと言うヤワなことが書いてあるらしい。ロックの批判はじゅうぶんに論理的である上に、ところどころユーモアさえ交えて、面白い。
    さて後編はロック自身による統治論が展開される

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    2015年09月21日
  • 完訳 統治二論

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    美しい世界観。小気味のよさ。
    神がいる人にとって、世界はこんなにも明るいものなのだな、と感じる。

    神、身体と理性とを与へ給へり。
    肉体労働、価値物うみいだす。
    理性、自然法を教ふ。
    政、法によりて身体と財物とを保護す。

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    2014年06月09日
  • 完訳 統治二論

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    彼の特徴は、
    労働をもとにした所有権、
    自己保存の目的を徹底した抵抗権の主張にある。

    前者はどういう発想から来たのかいまいちわからないが、
    後者について言えば、人民の抵抗権はホッブズが渋っていたように、平安を希求する目的が初発にあるにもかかわらず、統治に不満があれば騒乱となりうるため、容易に認めるべきではない、とこれまで見られてきたように思われる。
    ロックは、そのことについて自覚的であるために、革命権を認めたところで、頻繁に革命が起るわけではないことを力説する。

    ロックのその弁に説得力があるかどうかは別にして、
    社会統治の方法やその都度の判断に関して、別の可能性を常に残しておくことは必要で

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    2012年05月06日
  • 完訳 統治二論

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    ロックの『統治二論』の新訳にして完訳。名誉革命の擁護、理性の重視といった従来のロック解釈に依らず、神の被造物としての人間の政治社会について論じた著作という点に注意して読むと、ロックと現代の断絶、そして幾許かの連続性がわかるというものである。

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    2011年06月30日
  • 完訳 統治二論

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    しゃ、社会契約論。。。いえーいいぇいいぇいロックロック。ロックオン。父性、専制、労働に伴う所有権、おもろ

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    2009年10月04日
  • 知性の正しい導き方

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    ジョン・ロックが、誤謬に陥らずに事象を理解し判断するための処方を書いた小著。
    要するに論理的明晰さを維持するために排除しなければならないつまずきの石を指摘していく。その思考モデルの原型は数学である。ロックは思考の訓練のために数学を学ぶことを勧めている。
    私たちは、知性(本書の現代ではUnderstandingとなっている)と呼ばれているものも、理性と呼ばれているものも、同じ脳の諸機能の特性ごく一部を、取り出したものにすぎないということを知っている。特にカント以降は知性・理性・悟性を諸感覚や感情と截然と区分し、それぞれがあたかも1個の実体であるかのように語られた。理性崇拝は西欧の文化を支えてきた

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    2016年03月07日
  • 完訳 統治二論

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    平等なんてのはいつの時代だって表面的なモノで、実際にすべてが平等であることなどあり得ないし、あってはならない。
    と、思うのです。

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    2009年10月04日
  • 完訳 統治二論

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    社会契約論の基本の基本。原書なのにさっくり読めるのが得した気分、と書いてしまうのはミーハーすぎるか。読むときは社会契約論の参考書と、(少なくとも)ホッブス、ヒュームを併用しないと「分かったつもり」になってしまうのが怖いけれど。

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    2009年10月04日
  • 完訳 統治二論

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    主張が項目ごとコンパクトにまとめられていて、ロックの政治思想の中心である社会契約論が分かりやすく述べられている。ロックの特徴的な思想として所有権と抵抗権があるが、それらが共に聖書的・キリスト教的に根拠づけられていることは興味深い。「天への訴え」に関連して述べている次の文章など、まさに終末論的である。
    「地上に裁判官がいない場合は、訴えは天の神に通じている。だからその疑問は、他人が私と戦争の状態に立ちいったかどうか、またその場合に、私がエフタのように天に訴えてよいかどうか、果たしてだれが裁くのか、ということを意味するものではない。そのことについては、ひとり私だけが自分自身の良心において裁判官とな

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    2009年10月04日