山本一成のレビュー一覧
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将棋界のトップ棋士を倒した人工知能「ポナンザ」。本書はポナンザ」を開発した山本さんが、わかりやすくポナンザの仕組みを解説しています。(簡単な表現で書かれているけど、そもそも内容が難しいから、理解できたとはいいがたい)
もともとは、人間が完全にプログラムを組むことで、将棋を覚えさせていたのですが、将棋は最新の人工知能でも全てを解析することは不可能なほど奥が深いため、すぐに行き詰ります。その後、機械学習という仕組みを取り入れ、将棋の駒の関係性の優劣(王将の近くにいる金は価値が高いとか)を教えて、あとは人工知能に勝手に学習させることで、急激に「ポナンザ」は強くなり、将棋界のトップ棋士に勝てるように -
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2017年4月についに現役名人を破った将棋ソフト「ポナンザ」の開発者自らが、将棋や碁の人工知能開発について書いた本。実際にこの世界の先端を歩んできた開発者であるためその内容に信が置ける上に、表現も読者にとって非常に読みやすく興味を惹くように書かれている。論理的であるということと文章の才は関係もあるのかもしれない。
人口知能は、将棋界だけでなく、囲碁界でも躍進し、AlphaGoが2016年のイ・セドルに続き、現囲碁界の頂点に君臨するカ・ケツにも2017年5月に圧勝した。それまでは一線級の棋士にはまだまだコンピュータは勝てないだろうと思われていたものが、正に一瞬にして様相が変わり、もはや人間はコ -
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ネタバレ「サイコロには知性がある」「中間目標が立てられることの意味」「今まで計算できなかったものを、計算可能にするのが、人工知能における課題」あたりがとてもとても面白かった。
最終章は、結論だけ読むと「?」になるが、一章一章読み進めると「なるほど…」になる。
人間の倫理観が人工知能にも影響与えかねないなんて、想像もしていなかった。
自分用メモ
・人間は自分が理解していることを漏れなく説明することができない。
・なぜ将棋で良い手を選べるのか自分では説明できない。
・コンピュータには一般化する能力が今のところほとんどない。
・ポナンザ2045 -
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将棋プログラム「ポナンザ」の開発者による人工知能の解説書。専門知識が無くても読みやすい内容で、人工知能や機械学習、ディープラーニングとはどういったものなのか、かみ砕いて説明してくれている。著者が将棋プログラムの開発者のため、「将棋」という具体的な研究開発の対象があり、開発の過程なども盛り込んでくれているのでわかりやすいのだと思う。
技術の進化は日進月歩、2017年のこの著作でさえちょっと古いかなとも思うが、AIの入門書や気軽な読み物としては最適な本だった。
将棋がメインテーマだが、同じ知的ゲームのチェスや囲碁も扱っている。特に巻末の対談は囲碁のプログラム「アルファ碁」にものである。ただ、この巻 -
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以下、自分用のメモとして。
①将棋の何を、どのように計算すればいいのかわからないから、コンピュータは人間に勝てなかった。チェスは盤上の駒の残存=局面の評価に直結するが、チェスに比べて「足の遅い」駒が多い将棋は、駒の配置が重要で、それを論理的に=コンピュータにわかるように表現することが難しかった。それよりもっと難しかったのが囲碁だった。
②機械学習(多数のデータからコンピュータに経験を積ませて向上させる)が進んでポナンザは強くなったが、なぜ強くなったのか説明できない「黒魔術」な部分が大きくなっている。
③脳の神経回路を模したディープラーニングは画像処理が得意。ということは、「知能とは画像である -
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人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか?―――最強の将棋AIポナンザの開発者が教える機械学習・深層学習・強化学習の本質
★本書のメッセージ
人工知能は指数関数的に成長して、人が認識したがいスピードで成長を遂げる
★本の概要・感想
将棋の名人に勝利する最強将棋ソフトを開発した山本氏による、人工知能についての解説。本当に学ぶことが多く、そのたくさんある学びをまとめきれないほど。将棋に関心があり、現役のプログラマである私にとっては非常の面白い本だった。繰り返し読みたい。
★本の面白かった点、学びになった点
*人間の強みは物語を理解できること。弱みは物語、意味づけがないものは理解できない -
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将棋や囲碁が急激に強くなり、AI・人工知能が話題となっている。
人間が考えるように、そして人間が学習するようにコンピュータをプログラムし、動作させることで可能となった。ただ、考える方法や手法は人間が設定・開発する。何より学習の目的・ゴールは人間が明瞭に与えることが必要であると理解した。
AIは人間を超えるかという話題がある。
p284 人間に残されたのは、言葉と論理しかないのでは〜
自然言語処理は人工知能の最後のフロンティアだ。コンピュータで本格的な自然言語処理ができるようになると、インターネット上にある文章から人工知能が勝手に学べるようになる。
新井紀子『AI VS. 教科書が読めない子ど -
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改めて、人工知能がゲームで人間に勝つまでの試行錯誤の記録。
オセロ・チェス→将棋→囲碁、の流れは、いわばプログラミング→機械学習→ディープラーニングの歴史に置き換えられる、といった整理は、専門的な厳密性はともかくとして、「何が起きているか」の文系向け理解にはもってこい。囲碁は無数の画像パターンのシミュレーションともみなせる、というのも目からウロコ。駒が移動する将棋より、常に新規に石が盤面に発生する碁は画像分析になじむ、というようなことらしい(著者は、「突き詰めれば画像=知能」くらいの認識を示唆している)。
個人的に面白かったのは、人間は、とくに序盤ではいろいろな局面に対応できるように「糊し -
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Posted by ブクログ
人工知能の将棋のプログラムであるポナンザを開発した著者が開発過程と人工知能の未来について書いた一冊。
ルールの理解が難しい状態からプログラムの応用や機械学習という手法を経てトップのプロ棋士を破るまで成長した人工知能の歴史をわかりやすく解説されており大変勉強になりました。
チェスやオセロに比べて難解な点や囲碁の難易度などゲームの難易度の解説から機械学習についてもわかりやすく書かれており機械学習が人工知能に及ぼした影響は革新的なものだということを本書を読んで感じることができました。
本書の中で一番印象に残っているのはシンギュラリティが起きる時いかに人間と同等の倫理観を人工知能が持っているかとい -