【感想・ネタバレ】人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか?―――最強の将棋AIポナンザの開発者が教える機械学習・深層学習・強化学習の本質のレビュー

「機械学習」「ディープラーニング」ってなに? 人工知能(AI)がイチから分かる本!
プロ棋士に初めて勝利した将棋プログラム「ポナンザ」の開発者が、コンピュータと将棋との関わりを通して、人工知能をやさしく語った本です。難しい理論や数式は登場しませんし、将棋をよく知らなくても大丈夫。そもそも人工知能とは何なのか、から出発し、コンピュータはどうやって将棋を学んでいるのか、あるいは、最近ニュースになることが多く、急速な発展を遂げている「ディープラーニング」は何がすごいのかなど、人工知能の基本が自然にするっと入ってきます。
将棋よりハードルが高いといわれる囲碁の人工知能にも言及。世界トップクラスの棋士に勝利したアルファ碁はいかにして強くなったのか、分かりやすく解説します。さらに、画像認識の人種差別問題など、これからの人工知能活用の話題も幅広くカバーしています。
知性とは何か、これから人と人工知能はどう関わるべきなのか、プロ棋士がコンピュータ将棋を参考にするまでになった将棋界の変化を見てきた筆者だからこそ、その近未来観は必読です。

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Posted by ブクログ 2021年09月30日

読みやすくて楽しかった。
知的な活動は探索と評価で作られる、ということ

囲碁のほうが将棋の方が難易度高いというのも興味深かった。

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Posted by ブクログ 2020年04月14日

将棋界のトップ棋士を倒した人工知能「ポナンザ」。本書はポナンザ」を開発した山本さんが、わかりやすくポナンザの仕組みを解説しています。(簡単な表現で書かれているけど、そもそも内容が難しいから、理解できたとはいいがたい)

もともとは、人間が完全にプログラムを組むことで、将棋を覚えさせていたのですが、将...続きを読む棋は最新の人工知能でも全てを解析することは不可能なほど奥が深いため、すぐに行き詰ります。その後、機械学習という仕組みを取り入れ、将棋の駒の関係性の優劣(王将の近くにいる金は価値が高いとか)を教えて、あとは人工知能に勝手に学習させることで、急激に「ポナンザ」は強くなり、将棋界のトップ棋士に勝てるようになりました。(2017年には名人にも勝利)
囲碁は将棋よりももっと奥が深く、人工知能が人間に勝てるのは数十年後といわれていたのですが、アルファ碁(グーグル)は、さらに人間の神経回路に似せた多層構造の仕組みを持つディープラーニングを取り入れることで、2016年に囲碁のトップ棋士に勝ってしまいます。

将棋、囲碁が題材ですが、これらの出来事は、これから広く人間と人工知能の関わり方を暗示しているように思われます。情報を集めること、計算すること、ルールの中で最も正しいと思われる選択肢を瞬時に選ぶこと。これらは人工知能が得意とする分野です(その思考過程がブラックボックスにならざるを得ないのが気持ち悪いが)。人間にできることは何だろう?課題を設定すること?特に、人工知能の助けを得ながら、新たな問いを立てることは人間にしかできない分野かもしれません。

本書で印象的だったのは、囲碁の世界で、トップ棋士が負けた後、素直に棋士たちが人工知能に勝てないことを認め、そこから学ぼうとしていることです。プロレベルでも、囲碁の世界はまだまだ未知の領域が広大であることを人工知能が気づかせたのだそうです。(将棋でも同様に、人工知能を棋力向上に活用するようになってきています)
このあたりに、何か大きなヒントが隠されているような気もします。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年10月08日

ニューラルネットワークを用いた最適化問題を卒論に選んではや25年。
全く違う道を選んだ自分には到底ついていけない領域だ。
すごいということだけは間違いないことだけはわかる。
しかし、これほど多くのリソースを必要としているとは驚きでした。これではこの分野でGoogleがリードするのは必然なんだろう。
...続きを読むネットサーフィンしているときもGoogle様の領域に足跡つけまくっている感じがする今日この頃、この本を読んでさらに恐ろしくなる。
なにはさておき、開発者のロマンを感じたければ、読むべき本であることは間違いない。

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Posted by ブクログ 2019年08月05日

平易な言葉で書かれておりとても読みやすい。多分、難しいところはカットしてレベルを落として書いてくれているためだろうなと思う。探索方法として「怠惰な並列化」が目から鱗的な、あるいは、コロンブスの卵的な斬新な手法だなと思った。もう5年も前に出てきたものらしいけれど。

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Posted by ブクログ 2019年04月05日

Aidemyのオフィスにあったので読みました。
(山本一成さんの直筆サイン入りなのエモい)

Ponanza開発秘話を赤裸々に明かしていて将棋ファンなら垂涎ものです。

人工知能の「卒業」という深いテーマながら、これ以上分かりやすいAI本ないのでは?と思うほど平易な言葉で書かれています。
AIに少し...続きを読むでも興味がある方は必読です!そしてこの本を読んでAIへのモチベーションが喚起された方は是非Aidemyを受講してくださああああああ

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Posted by ブクログ 2018年11月12日

最強の将棋ソフト「ボナンザ」の開発者が語る、人工知能論。
ボナンザが強くなった理由、アルファ碁がイ・セドル氏を打ち負かすまで強くなった理由が、わかりやすく書かれている。最後についている対談もイ・セドル氏との対決を詳細に論じてあって興味深かった。

ポナンザの成長の秘訣は「怠惰な並列化」にあること、ア...続きを読むルファ碁はディープラーニングを用いて碁の局面判断に画像を取り入れたことがポイントだったことがわかった。

この本を読むと、シンギュラリティはもう必然的だと思われ、それが到達する時代に向けてどうしていくのか考えている時期に来ていると思った

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Posted by ブクログ 2018年03月15日

将棋や囲碁で人工知能が人間を凌駕した瞬間の反応とその後の感情の変化は、将来じぶんの仕事がAIに取って代わられたりシンギュラリティが起きたときに同じ道をたどるのだろうと考えさせられる。

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Posted by ブクログ 2018年02月03日

2017年4月についに現役名人を破った将棋ソフト「ポナンザ」の開発者自らが、将棋や碁の人工知能開発について書いた本。実際にこの世界の先端を歩んできた開発者であるためその内容に信が置ける上に、表現も読者にとって非常に読みやすく興味を惹くように書かれている。論理的であるということと文章の才は関係もあるの...続きを読むかもしれない。

人口知能は、将棋界だけでなく、囲碁界でも躍進し、AlphaGoが2016年のイ・セドルに続き、現囲碁界の頂点に君臨するカ・ケツにも2017年5月に圧勝した。それまでは一線級の棋士にはまだまだコンピュータは勝てないだろうと思われていたものが、正に一瞬にして様相が変わり、もはや人間はコンピュータには勝てないだろうという認識が支配的になった。そういう意味でもこの1年は人口知能界にとって画期的な年であった。そして、この先もどんどん進化していくだろうと、多くの人がそのことに若干の不安を持ちながら期待を持って確信した年でもあった。

ポナンザも開発当初は将棋もそこそこの腕前であった著者が、勝つためのロジックをプログラマである自身が考えて組み込んで作ったものであった。その成果としてできあがったソフトは、残念ながら全く人間に歯が立たなかった。もちろん著者自身にも。つまり、人間のロジックを上手く言語化して計算可能な問題にすることができなかったのだ。その限界を変えたのが機械学習とディープラーニングだった。著者はこの技術について、計算不可能と思われていた問題が計算可能な問題になったと表現する。その表現は納得感が高い。ポナンザの開発経緯を辿って、強化学習の導入やコンピュータ自身による「評価」の調整方法などが説明されるが、具体的な事例に沿っているため非常に腹落ちしやすい形で説明される。たとえばAlphaGoが使ったモンテカルロ法の説明も非常にわかりやすい。

ポナンザの生みの親である著者が、ポナンザに負けたとき、自分の子供の成長に例えてその喜びを表現した。また一方、2013年にプロ棋士(佐藤四段)をポナンザが破ったときの記者会見のことをゾッとしたと表現する。しかし、現在では状況はずいぶんと変わった。ポナンザが新しい戦法を指すようになり、将棋界でもポナンザ流というものが出るようになったという。そしてついに名人が破れてもそれほど驚かれないような世界となり、佐藤名人自身もオフラインの対局でもほとんど勝てなかったと認めるような状況になった。現在将棋界では新しい星として、14歳中学生の藤井四段がプロになってからの連勝を伸ばしているが、彼も将棋ソフトから大きな影響を受けて強くなっているのかもしれない。

本書の中では、当然将棋が中心になるのだが、人口知能一般にも話が向けられている。人口知能については「解釈と性能のトレードオフ」がある。つまり性能を上げるほどなぜ性能が上がったのかわからなくなるというものである。それは将棋ソフト以外でもあてはまる原則だという。そして、将来そこにはある種の倫理の問題が出てくるのではと指摘する。そこが気味の悪さの大きな要素でもある。

ディープラーニングの未来について「言葉」と「音声」と「画像」が大きな応用先であることは間違いない。Googleの動きを見ていてもその通りであり、音声認識率や翻訳の自然さ、Google Lensの話などますます精度があがることがほぼ確実に期待できる。だからこそ、その先に何があるのかを倫理的な角度からも考えなくてはならない。

著者は、開発を経て、ときどきポナンザの指し手に意思を感じたり、目的を感じるようになったという。人口知能は「知能」を獲得したが、そのうちに「知性」まで獲得するようになるかもしれない。かつて、人口知能は人間の脳に近いやり方ではうまく行かないと言われていたが、それは道具立てが追いついていなかっただけで、今では人間の脳に近いほどうまくいくと言われている。人間の脳のメカニズムの解明にもつながっていくのではないか。

とにかく将棋がわからない人にもお勧めの本のひとつ。そこいらの人口知能の解説本よりよほど本質がわかるような気がする。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年11月20日

「サイコロには知性がある」「中間目標が立てられることの意味」「今まで計算できなかったものを、計算可能にするのが、人工知能における課題」あたりがとてもとても面白かった。

最終章は、結論だけ読むと「?」になるが、一章一章読み進めると「なるほど…」になる。
人間の倫理観が人工知能にも影響与えかねないなん...続きを読むて、想像もしていなかった。


自分用メモ
・人間は自分が理解していることを漏れなく説明することができない。
・なぜ将棋で良い手を選べるのか自分では説明できない。
・コンピュータには一般化する能力が今のところほとんどない。
・ポナンザ2045

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Posted by ブクログ 2022年02月05日

将棋プログラム「ポナンザ」の開発者による人工知能の解説書。専門知識が無くても読みやすい内容で、人工知能や機械学習、ディープラーニングとはどういったものなのか、かみ砕いて説明してくれている。著者が将棋プログラムの開発者のため、「将棋」という具体的な研究開発の対象があり、開発の過程なども盛り込んでくれて...続きを読むいるのでわかりやすいのだと思う。
技術の進化は日進月歩、2017年のこの著作でさえちょっと古いかなとも思うが、AIの入門書や気軽な読み物としては最適な本だった。
将棋がメインテーマだが、同じ知的ゲームのチェスや囲碁も扱っている。特に巻末の対談は囲碁のプログラム「アルファ碁」にものである。ただ、この巻末の対談は囲碁がわからない者にとっては難しくて読みにくいものだと思う。それ以外のところはかなり読みやすいのでちょっと残念。

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Posted by ブクログ 2021年10月16日

以下、自分用のメモとして。

①将棋の何を、どのように計算すればいいのかわからないから、コンピュータは人間に勝てなかった。チェスは盤上の駒の残存=局面の評価に直結するが、チェスに比べて「足の遅い」駒が多い将棋は、駒の配置が重要で、それを論理的に=コンピュータにわかるように表現することが難しかった。そ...続きを読むれよりもっと難しかったのが囲碁だった。
②機械学習(多数のデータからコンピュータに経験を積ませて向上させる)が進んでポナンザは強くなったが、なぜ強くなったのか説明できない「黒魔術」な部分が大きくなっている。
③脳の神経回路を模したディープラーニングは画像処理が得意。ということは、「知能とは画像である」と言えるかもしれない。
④人間は指数関数的成長を直感で理解できない。これほど早くコンピュータが名人に勝てるようになるとはプロ棋士も思っていなかった。いずれ人類はプロ棋士と同じ思いをする。
⑤コンピュータにはない、人間だけの武器は「中間の目的」を設計すること。「目的を持つ」とは意味と物語で考えるということ。
⑥ディープラーニングでコンピュータは知性を獲得するだろう。そのとき、AIは倫理観を人間から学ぶことになる。シンギュラリティ以降のコンピュータがどんなものになるのか、人類自身が試される。

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Posted by ブクログ 2020年01月29日

機械学習、ディープラーニング、強化学習について将棋AIポナンザを実例に紹介。チェス、将棋、囲碁の難しさの違いや、AIが学習しやすいものしにくいものの違いをしることができる。

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Posted by ブクログ 2020年05月16日

人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか?―――最強の将棋AIポナンザの開発者が教える機械学習・深層学習・強化学習の本質

★本書のメッセージ
人工知能は指数関数的に成長して、人が認識したがいスピードで成長を遂げる

★本の概要・感想
将棋の名人に勝利する最強将棋ソフトを開発した山本氏による、...続きを読む人工知能についての解説。本当に学ぶことが多く、そのたくさんある学びをまとめきれないほど。将棋に関心があり、現役のプログラマである私にとっては非常の面白い本だった。繰り返し読みたい。

★本の面白かった点、学びになった点
*人間の強みは物語を理解できること。弱みは物語、意味づけがないものは理解できないこと
・バッグギャモンの強いコンピューターソフトが出てきたとき、最初は人は勝てなかった。ただ、何度か対戦するうちに、人間のほうが勝てるようになってきた
・理由は、バックギャモンソフトのプレイングを一つの「物語」として吸収したからだという
・これによって、バッグギャモンのPCソフトがどのように指すのか、動かすのかの予想ができるようになった
・逆に、物語として理解できないもの、意味づけがないようなものには理解できない、ついていけない
・AlphaGoが差す手を分析すると、「なぜだかはよく分からないのだが、不思議と良い手になっている」というものがたくさんあるという
・人間は、このように、囲碁の打ち方にも、意味、意義を求める。「相手の意図」を読みたがる
・そのような意図がつかめないとき、読めないとき、人は困惑する。
時間がとられる

*チェスが将棋よりも早く計算できた、強いプログラムができたのは「将棋はチェスよりもたくさんの局面が存在するから」ではない
・そもそも、すべての局面を読むのはホントに無理。今から宇宙が誕生するまでの時間があっても、存在可能性のある局面を全て読むことはできないのですよ、チェスの盤面であってさえも

*将棋プログラムがチェスプログラムが難しい理由は「チェスよりも、将棋の方が盤面の評価の仕方が難しいから」。コンピュータに、盤面をどう評価するのかを、教えるのことが難しいのである
→将棋の、何を、どう計算していいかが分からないから、将棋は難しかった
→プログラマーがやっているのは、コンピュータに計算の仕方を教えること

*「なぜそうなっているかよく分からないコード」黒魔術の仕組み
・既存のコードにちょっとした修正を加える、なぜそうなっているかは特に気にせずに、修正をしておく
・何度か対戦を行って、勝率があがったもの、良い結果が出たものだけの主性を保持する
・それらを繰り返していくことによって、黒魔術的コードで将棋が強くなっていく

*つまり、コンピューターに、「将棋の強さとは」「将棋が強い人はどう考えて打っているのか」を教えるのがとても難しい。これは、なぜ人が歩けるのか、走ることができるのか、精緻に緻密に言語化するのが難しいのと似ている

*チェスは、足の速いコマが多かった。そのため、窮地に陥っても簡単に脱出することができた。そのため、盤面、コマの配置よりは、「コマの残存数」が勝利に重要な影響を与えていた

*一方で、将棋は、コマの残存数が、勝利に直接的に、チェスほど影響しなかった。コマの足はみな遅く、各コマとコマの配置の関係性がより十四となる。それを数値化するのが非常に難しかった

*いまや、ディープラーニングを駆使すれば、「写真に写っているのはゴリラか否か」というような質問には、人間よりも高い精度で回答できるようになっている。(ディープラーニングを使っていれば、である)

*モンテカルロ法で、囲碁は強くなった
・プロが打ったやり方をまねて、勝利確率の高い方法を学習して、強くなっていく方法。どう打った時のほうが勝つ確率が高いのかを学んでいる

*将棋もディープラーニングを使えるようになり、2017年現在、将棋の名人に圧勝するまでに強くなっている

*シンギュラリティを迎えたときに、AIが人間の敵であるかどうかは、人間のそれまでの振る舞いにかかっている
・AIやコンピュータは、必ずどこかで人間の振る舞いや、人間が与えた情報をもとに学習を行う
・そのため、シンギュラリティを迎えたときのAIも、必ず人間をもとにした部分がある
・そのため、人が日ごろから良い振る舞い、行いをしていれば、生まれる人工知能も優れたものであるに違いない

*コンピューターの最後のフロンティアは自然言語である

●本のイマイチな点、気になった点

●学んだことをどうアクションに生かすか
・山口さんの本でも語られているが、コンピューターにできることが増えている今、重要なのは人間らしい行動ができること。より人間っぽいことをできるようになっていく

・特に、自然言語を用いたクリエイターの価値は依然として高いままだろう。映画、小説、音楽、作家、youtuer等....人間らいし言葉を使って、感情や価値観を取り扱うような仕事をしていく人は、重要だ

★そもそも読んだきっかけ
・オーディオブックのセールで見かけて読んだ
・機械学習やディープラーニングなどは、よく見かける言葉なのだが、その意味がよく分かっていなかったので

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Posted by ブクログ 2019年06月12日

コンピュータ将棋ソフトポナンザの開発者が著者であるAIに関する優しい解説書。
どうしてここまでAIが強くなれたかがわかりやすく教えてくれてます。
一番面白かったのは巻末対談形式の、アルファ碁に関する内容でどれだけ凄い事かがよくわかる内容です

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Posted by ブクログ 2019年02月06日

プロ棋士き買った人工知能「ポナンザ」を開発した山本一成さんの書籍。
ポナンザの開発過程から機械学習、強化学習、ディープラーニングをどう取り入れていったかなど語られている。

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Posted by ブクログ 2019年02月05日

将棋や囲碁が急激に強くなり、AI・人工知能が話題となっている。
人間が考えるように、そして人間が学習するようにコンピュータをプログラムし、動作させることで可能となった。ただ、考える方法や手法は人間が設定・開発する。何より学習の目的・ゴールは人間が明瞭に与えることが必要であると理解した。
AIは人間を...続きを読む超えるかという話題がある。
p284 人間に残されたのは、言葉と論理しかないのでは〜
自然言語処理は人工知能の最後のフロンティアだ。コンピュータで本格的な自然言語処理ができるようになると、インターネット上にある文章から人工知能が勝手に学べるようになる。

新井紀子『AI VS. 教科書が読めない子どもたち』ではAIは現時点で人間のように言葉を読み取れない、と指摘している。でもいずれ、それが可能となった時は「人間とはなんだ?」が解析されたとなるのだろうか。

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Posted by ブクログ 2019年01月01日

改めて、人工知能がゲームで人間に勝つまでの試行錯誤の記録。

オセロ・チェス→将棋→囲碁、の流れは、いわばプログラミング→機械学習→ディープラーニングの歴史に置き換えられる、といった整理は、専門的な厳密性はともかくとして、「何が起きているか」の文系向け理解にはもってこい。囲碁は無数の画像パターンのシ...続きを読むミュレーションともみなせる、というのも目からウロコ。駒が移動する将棋より、常に新規に石が盤面に発生する碁は画像分析になじむ、というようなことらしい(著者は、「突き詰めれば画像=知能」くらいの認識を示唆している)。

個人的に面白かったのは、人間は、とくに序盤ではいろいろな局面に対応できるように「糊しろ」のある手を打つことが多いが、人工知能はズバズバ結論を出して打ち込んでくる、そしてはるかに強い、というところ。ビジネスだろうが軍事だろうが、「ここは一旦様子を見よう」というような判断は人工知能に太刀打ちできなくなってくるかもしれない。

巻末のイ・セドル九段対アルファ碁についての対局解説も、囲碁はよく知らないが面白かった。

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Posted by ブクログ 2018年12月16日

すっごく分りやすい人工知能の本。文系の俺でも、するする頭に入ってきました。ポナンザは将棋指しの皆が知っていると思うけど、将棋指し以外の人にも、「知性」や「知能」へのアプローチとして、是非読んで欲しい本。

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Posted by ブクログ 2018年05月16日

人工知能の将棋のプログラムであるポナンザを開発した著者が開発過程と人工知能の未来について書いた一冊。

ルールの理解が難しい状態からプログラムの応用や機械学習という手法を経てトップのプロ棋士を破るまで成長した人工知能の歴史をわかりやすく解説されており大変勉強になりました。
チェスやオセロに比べて難解...続きを読むな点や囲碁の難易度などゲームの難易度の解説から機械学習についてもわかりやすく書かれており機械学習が人工知能に及ぼした影響は革新的なものだということを本書を読んで感じることができました。

本書の中で一番印象に残っているのはシンギュラリティが起きる時いかに人間と同等の倫理観を人工知能が持っているかというところは非常に心に刺さり考えさせられるものがありました。

将棋や囲碁といったゲームから人工知能の歴史や可能性を本書から感じることができました。
様々なものから卒業をしてきた人工知能が今後の歩みにおいて間違いを起こさないように上手く舵を取っていくことが大事だと思いました。
そして、そのうえで自分たちの未来の生活にどのように関わってくるのか楽しみになった一冊でした。

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Posted by ブクログ 2018年04月18日

機械学習・深層学習・強化学習の違いがなんとなーーく分かったような気がします。将棋ソフトのポナンザやアルファ碁の成長ストーリーが面白いです。

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Posted by ブクログ 2018年04月16日

記憶力だけで解決する問題は、現代では人工知能の対象ではない。

知能とは探索と評価。未来をエミュレートし、目星を付ける。
探索はエミュレート、探索+評価はシミュレート。

チェスは勝ち方を教えられる。人工知能でなくてもよい。
将棋は勝ち方を教えられない。機械学習が必要。

プロの指し手を記憶さえて、...続きを読むそれを評価させる。機械学習で学習する。

黒魔術=機械学習のスラング=どうやって強くなったのか説明できない。怠惰な並列化、など。

ディープラーニングは、機械学習のひとつ。ポナンザにはロジスティック回帰という機械学習の手法を使った。
ディープラーニングは画像の解析に最適。

過学習=放っておくと丸暗記する=未知の問題は正解率が落ちる。それを避けるため一部をドロップアウトさせる=学習困難にさせる。

マルチモーダル=画像、文字、音声をどれでも入力して、他の形で出力する。画像を入力して説明文を出力する。
知能の本質は画像なのではないか。頭は二次元の画像で認識している。

人工知能の発達で、還元的な科学手法ではない方法を受け入れる必要が出てきた。

教師あり学習の次は、強化学習=教師なし学習。
自分で評価の方法を学習する。
強化学習とは守破離=師匠の教えを捨てる。

最初に、大量のデータで教師あり学習をし、その後強化学習する。

モンテカルロ法=サイコロを振る。
囲碁では評価の方法がないので、探索によって手を見つける。いろいろな手をやってみてどちらが勝つか、で評価する。

エレガントな解法に対してエレファントな解法=力任せの解法のこと。実際の社会では有用なことも多い。

プロ棋士がアルファ碁の真似をし始めた=科学が宗教になる瞬間を見た。

知の本質=昆虫と人間の違い、だった。
人工知能後は、強化学習とディープラーニングのおかげで、人間と人工知能の間を考えるべき。

知能は与えられた目的に向かう道を探す能力=今の人工知能。
知性は、目的を設計できる力。目的を持つのは意味と物語で考える力。今のところ、目的を動的に設定できるプログラムを書くことはできない。
ディープラーニングをつなげれば実現できるかもしれない。

人間に絶対負けないことを目的とすると、手段を選ばない人工知能は、人間を絶滅させることで達成しようとするかもしれない。

人工知能は、倫理観と価値観も学習する。
シンギュラリティ―は指数関数的に成長すれば、十分あり得る。追いつかれたと思ったらあっという間にはるか先までいってしまう。

人工知能は人間の間違い、間違った倫理観も学習する。私たちの子供である。できる限りいい人である必要がある。ネット上の発言など。

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Posted by ブクログ 2018年04月13日

ここ数年のAIの躍進を簡単に解説した本は2冊ほど読んだけど、執筆当時最強の将棋ソフトの開発者という立場から、いろいろと具体的なことが書かれているのがわかりやすい。

黒魔術なんて言葉は実際にAIを作ってる人じゃないとなかなか出てこないのではないだろうか。

でもこの本を出した直後に別のソフトに負けち...続きを読むゃって、今はもう引退してるとか。

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Posted by ブクログ 2018年03月21日

現在最強の将棋AIボザンナの開発者である著者が自身の開発の経緯と人工知能の歴史からアルファ碁を始めてする現在の人工知能の解説しそのシンギュラリティなど将来を展望する。
ご自身の開発の経緯と人工知能の一般論が妙に絡んでいて混乱するところもありますが、数式無しでのディープラーニングやモンテカルロ法等の説...続きを読む明などはとても分かりやすく勉強になります。
最弱将棋プログラムから「機械学習(ロジスティック回帰)」を導入して画期的に強くなり、マルチコア向けの「怠惰な並列化」や結果をフィードバックする「強化学習」で更に強さに磨きを掛け、そしてディープラーニングの導入との育成過程はとても興味深く読めました。
人工知能は人間から学習するとして、人類が「いい人」であればシンギュラリティが起っても大丈夫とのことですが。。。

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Posted by ブクログ 2018年02月27日

本著は将棋AIポナンザが名人に勝利するまでの経緯になぞらえ、人工知能を解説している。

万能な人工知能(強いAI)ではなくー領域での人工知能(弱いAI)についての話だ。その分、具体的で分かりやすくなっている。

同じボードゲームでもチェスAI、将棋AI、囲碁AIとでは、人工知能化するには事情がかなり...続きを読む異なるらしい。

チェス・・・数式で表現が確立していた→1997年世界チャンピオンに勝利
将 棋・・・数式の表現を試行錯誤→2013年プロ四段に勝利
囲 碁・・・数式で表現不能→2016年イ・セドル氏に勝利

つまり、同じボードゲームでも数式でどう表現するかによって、人工知能化していくアプローチは全く異なるものになってくる。結局、将棋は強化学習(機械学習)で、囲碁はディープラーニングでプロに勝利したというのがミソとなっている。

後にボナンザ(将棋AI)もディープラーニングを搭載するだが、その一番知りたかった部分が書かれていなかったのが残念だ。人工知能に興味を持った読者が最も知りたい部分だと思うのだが。。

270ページほどのボリュームのうち、70ページは対談になっているので、購入する前にそこは確認しておいたほうが良いだろう。

他に著者の面白い知見は次の通り。

◯「知能は画像」というのは興味深い。
 一部分は当てはまると思うが、全てではないと思う。しかし、逆に言えば、画像に置き換えられるものは、ディープラーニングで解決可能ということだと思う。それについては同意できる。

◯現実の問題(政治などの問題)は囲碁の問題よりも易しいと考えている
 これはインタビューの中に書かれてあったので、どのような根拠でこう書かれているのか分からなかったのだが、政治の不甲斐なさを感じている身としては、是非チャレンジしていただきたい項目である。格差の問題や資源配分の問題については、人間よりコンピュータの方が期待できそうである。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年07月31日

【文章】
 とても読み易い
【気付き】
 ★★★★・
【ハマり】
 ★★★★★
【共感度】
 ★★★★・

機械学習の手法
・ロジスティック回帰
・ディープラーニング
・SVM
・ランダムフォレスト

知能の本質は画像理解かもしれない

黒魔術化、量子力学にちかい

今の人工知能は論理的に動くが、論...続きを読む理的に考える力が弱い

人工知能の学習も守破離、
教師あり学習から強化学習へ、人間の模倣から始まる。

人間に対して攻撃的な人間が存在する以上、
人工知能が人間を攻撃するという結論を導き出しても致し方ない。

知性…目的を設計する能力
知能…目的までの道筋を見つける能力

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Posted by ブクログ 2017年12月13日

知性>知能(探索+評価)
知性; 目的を設計できる能力
知能; 目的に向かう道を探す能力

アルファ碁
13層、192個のチャネル/層
19*19*192*13
CPU; 1202個
GPU; 176個
3つの画像; 白、黒、ブランク
DQN; Deep Q-Network
過学習を防ぐ技術;...続きを読む ドロップアウト

碁は評価方法が見つからなかった。

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Posted by ブクログ 2017年12月02日

・知性=目的を設計できる能力
・知能=目的に向かう道を探す能力
・ただし、目的までの距離が大きいときは、人間は適切な中間の目的を設計する。これが必要になる。
・人間は「指数的な成長」を直感的に理解できない。追いつかれたと思ったら、一瞬ではるか先まで行かれてしまう。

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Posted by ブクログ 2021年07月07日

IT知識なし、将棋知識なしで読んだ。難解な箇所もあるけれど、人間の生活や働き方を変えるといわれる人工知能の弱さを知ることができた。

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Posted by ブクログ 2019年02月13日

さくっと読めそうなので手に取った。
(1時間くらいで読めた)

機械学習にも守破離があること、画像として認識すると強いことが面白かった。
エレガントではなく、エレファントな解法という表現は秀逸。笑

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Posted by ブクログ 2018年01月02日

将棋ソフトポナンザの作者の著書。

知性=目的を設計できる能力
知能=目的に向かう道を能力

どんなに才能があっても、最初はやはりある先生について、その指示の通り学習(練習)をするのが近道。しかし世界最高を目指すなら先生の言うことを聞くだけ、教本を読むだけではダメ。自分で考え、試行錯誤し、先生や本の...続きを読む教えから離れる必要がある。
そうしなければ先人を超えることはできない。

グーグル画像管理アプリなど 人間の判断を元とした大量のデータと関連文を収集して学習している。人間の倫理観をも学習する。インターネットを含む全ての世界でできるだけいい人でいること。

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