アンソニー・ギデンズのレビュー一覧
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『二十一世紀における争点のひとつは、コスモポリタン的な寛容とファンダメンタリズムの対立であろう。
情報や映像が日常的に地球上をかけめぐるグローバル化した世界では、私たちはだれしも、生活様式を異にし、思考様式をも異にする人々と、ひんぱんに出会うことになる。
コスモポリタンは、こうした文化のふれあいと融合を好ましいこととして歓迎する。他方、ファンダメンタリストは、それを、秩序破壊的なゆゆしきこととして警戒する。
宗教、人種的アイデンティティ、あるいはナショナリズムの名のもとに、ファンダメンタリストは、伝統を復興させ、それらを純化しようとする。そして彼らは、伝統を保守するためには、暴力に訴える -
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「グローバリゼーションは何をどう変えるのか」と、副題にあるように、極めて今日的な課題である世界のグローバル化についての解析を試みるのが、この小冊子の目論見である。ギデンズは、5つの章を立て論点を簡潔に示している。西洋キリスト教社会に生きている訳ではない者にとっては納得できる部分もあるし、そうでない部分もあるが、著者の分析は概ね公平な視点に立っていると思われる。
第一章では、グローバリゼーションが経済だけに限られた現象でないことに注意を喚起する。通信技術の発展が必然的にもたらした世界のグローバル化は、共産主義社会の崩壊を招き、富の不平等化を引き寄せた。さらにそれは国や宗教が保持していた独自の文 -
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21世紀初めの10年における、国際化社会の様相を示唆、論考した本書。ギデンズは国際化の流れでおこる社会の変化が及ぼす影響を測定不能とし、リスクを予防することを主張している。また、かれは排除のない世界を理想として掲げる。しかし、2011年、進展した国際化はより暴走し、我々(日本)はそれに適応することができてないと思う。いまだ、新自由主義の流れは強く、格差は拡大し、不平等への無関心が我々を包んでいる。不平等や、社会的定位・排除は社会の構造的に産み出されることは、もはや明確であるにも関わらず。我々に求められることは、国際化に伴う社会の構築変化に対して、どのような理想をもって社会活動に参加するか、とい
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Posted by ブクログ
ギデンズのものの中ではとりあえずとても読みやすい。グローバリゼーション、リスク、伝統、家族、民主主義、あたりをキーワードにしながら、民主主義がグローバリゼーションを推し進めたけれどもそれはコスモポリタン的寛容とファンダメンダリスムの両方を生み出した、議会制民主主義はある種限界にきているので、国民国家を超えた民主主義を考えて暴走する世界をコントロールしなくちゃね、なんて話が書かれている。この中には、同性愛について寛容なひとも増えたことについて「セックスを生殖から切り離したことの必然的帰結」とあっさり述べていて、長年の人権運動はどこへ行っちゃったのよと最初は腹を立てた。あんたの言うことはわかるけど
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Posted by ブクログ
ネタバレまさかの20年前の書(笑)。
グローバリゼーションをどう捉え対応していくか、というのが主題。
確かに、当時、グローバリゼーションという言葉がもてはやされ、そんな世界にどう対処していくのか、って議論になってた気もするー。
と思いながら読んだ(笑)。
古いけど、ある種今も色褪せない議論が展開されている感じ。
大筋の、グローバリゼーション自体はどうもこうもしようがない、というのは、先見の明ありだし。
個人的には、伝統とは何か、というくだりが何気に面白かった。
しかし、適当に手にした本なので、こんなに有名な著者のこんなに古い本だとは思わなかった(笑)。 そして、こんな薄い、しかも書きぶりもこん