安田陽のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
とても良かったです。自分も10年ほど前の知識で止まってました。
再エネ普及で、昼間電力の供給が増え、夜より昼間電力が安くなっている、それによりコジェネの設定が古く最適設定になっていない課題などが出ていること、蓄電池より出力抑制が優先とか、AIによるデータ計算は供給過多時間に行うと即座にピーク電力の増加につながらないことなども、言われてみたら確かにと思いました。
そしてやはり水素やCCUSはまだ実用前の技術で、先に再エネや電気自動車への切り替えなど、すでに導入されている技術から普及させるべきというのは当たり前の考え方です。私もなぜ水素とかCCUSなど不確実性もコストも高いところに投資するのか -
Posted by ブクログ
日本で一定の支持を集める「再エネは不安定で役に立たない」という神話を否定し,建設的な議論を深めていこうというなかなか有意義な本。
エコなイメージを強調するだけの再エネ礼讚には辟易していて,何となく再エネ推進には懐疑的だったのだが,威勢の良い再エネ批判もだいぶ一面的なものだったようだ。
本書は欧州での議論や実際のデータに基づいて,かなり詳しく再エネ(特に風力発電)普及への方策を論じている。日照や風況によって時々刻々変動する不安定な電源を大量に接続することは,20世紀には想定されていなかった。しかし時代は変わりつつある。再エネ大量接続による電力系統への悪影響は,系統連系の技術革新によって十分克服可 -
Posted by ブクログ
安田氏は、まぎれもなく電力系統工学の専門家であり、業績も多々あるが、あまりにも自分の本当の専門領域以外へ踏み出しすぎた。そういうout of rangeの話題においても権威であるかのごとく発言するために、ひたすら欧米学者あるいは機関の「権威」の論文を「世界の常識です」といって盾にとることが多い。それらの学者あるいは機関の主張が、かならずしも世界の太宗を占める意見だとは限らないのは、当然のことである。
本書は、一般向けにエネルギー論を説くように書かれているが、「山と渓谷社」であることから、どういう層に向けて発信しようとしているのかも自ずと明らかになっている。