あらすじ
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風力発電の実力と誤解、世界の現状にズバリ答える!
3.11以降、エネルギー・電気・発電全般への注目が高まっています。固定価格買取制度も始まり、再生可能エネルギーの導入も広がりをみせています。
それと同時に、「再生可能エネルギーはコスト高で国内産業の競争力を弱める」、「脈流のある不安定な電源で、既存の電力網との接続に課題がある」、「風力発電ではバードストライク、低周波騒音などの公害の問題が大きい」という報道も多く流れています。
この本は、再生可能エネルギーのなかの風力発電に的を絞り、世間の誤解と、その真の実力を、科学的かつ世界の最新の情報から論じていきます。今までに世間ではあまり知られてない、しっかりとした情報を元に、ちまたで論争となっている疑問・ポイントにズバリ答えます。
主要目次
第1章 日本人が知らない世界の風力発電
第2章 風力発電にまつわる誤解と神話
第3章 系統連系にまつわる誤解と神話
第4章 誤解や神話を超えて
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
安田さんの話しはどうしてこんなにスマートなのか。いつかこんな本を書きたいと思うし、欧米ではこれはアカデミアの仕事ではなく、ジャーナリズムの仕事なのかもしれないと思う。
Posted by ブクログ
日本で一定の支持を集める「再エネは不安定で役に立たない」という神話を否定し,建設的な議論を深めていこうというなかなか有意義な本。
エコなイメージを強調するだけの再エネ礼讚には辟易していて,何となく再エネ推進には懐疑的だったのだが,威勢の良い再エネ批判もだいぶ一面的なものだったようだ。
本書は欧州での議論や実際のデータに基づいて,かなり詳しく再エネ(特に風力発電)普及への方策を論じている。日照や風況によって時々刻々変動する不安定な電源を大量に接続することは,20世紀には想定されていなかった。しかし時代は変わりつつある。再エネ大量接続による電力系統への悪影響は,系統連系の技術革新によって十分克服可能だし,欧州では現に克服できてきている。単にエコだからいいよねというような子供だましのお話ではなく,本書が指摘しているような地に足のついた情報を踏まえて,エネルギー政策に関する国民的議論が進むことが望ましい。