柴内康文のレビュー一覧
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パットナムは「哲学する民主主義」において、ソーシャルキャピタルの重要性を論じ、「孤独なボーリング」においてソーシャルキャピタルの衰退への懸念と再生への期待を論じていた。
本書においては、ソーシャルキャピタルの濃淡がもたらす社会階層の格差の拡大を論じている。
分析の手法は、前著と同じく、個々のストーリ...続きを読むPosted by ブクログ -
『孤独なボウリング』でご近所付き合いやPTA、スポーツ等のインフォーマルな関係性の重要性を見事なまでに定量的な分析と共に示し、社会関係資本という概念を創出したロバート・D・パットナムが次に取り上げたテーマは格差、特に子どもの機会格差である。
建国以来の”アメリカン・ドリーム”を未だに信奉する人々が...続きを読むPosted by ブクログ -
高学歴家族と、低学歴家族のインタビューから、現代のアメリカの状況が見えてる。アメリカンドリームはもはや夢のまた夢だということ。
親の学歴と、家族の周りをささえるサポートの有無が、子供の大学進学に大きく影響を与えることが、実証的に示されている。
日本でも程度の差はあれ、同じような状況があると思われる。...続きを読むPosted by ブクログ -
米国における格差の拡大について、膨大な具体的事例をもとに解説している。日本はここまではひどくないものの、同様の傾向があるように思われ、本書が広く読まれると良いと思う。
神経科学者や発達心理学者が確認した、脳を基盤とした能力の中でもとりわけ重要な集合のことを、彼らは「実行機能」と呼んでいる。そ...続きを読むPosted by ブクログ