ロバート・D・パットナムのレビュー一覧

  • われらの子ども 米国における機会格差の拡大

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    かつてアメリカには「アメリカン・ドリーム」があった。個人の才能と努力で人生は変えられる!夢を掴める!

    しかしそれも今は昔。今や貧しい階級に生まれた子どもにはそんな社会的上昇は望むことができなくなってしまった。それはなぜなのか、今アメリカで何が起きているのかを見ていくのが本書になります。

    そしてこの現在の「悪夢」を見ていくことでかつての「アメリカンドリーム」の背景も見えてくることになります。

    私も「教育」の問題について非常に強い関心があります。最近地元の学校に携わることも増えてきた中でそのことは特に私の中でも大きな問題となっています。子どもたちの教育を考える上でもこの本は重大な問題提起とな

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    2024年08月22日
  • われらの子ども 米国における機会格差の拡大

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    パットナムは「哲学する民主主義」において、ソーシャルキャピタルの重要性を論じ、「孤独なボーリング」においてソーシャルキャピタルの衰退への懸念と再生への期待を論じていた。
    本書においては、ソーシャルキャピタルの濃淡がもたらす社会階層の格差の拡大を論じている。
    分析の手法は、前著と同じく、個々のストーリーから社会全体の変化を描写し、一般化するという方法であり、それぞれ、家族、学校、コミュニティについて分析されている。
    そして、上層階級と下層階級の家族、学校、コミュニティの機能の差が社会的、経済的格差を招いているとしている。
    特にコミュニティにおいては、かつてあった、メンター機能が失われた、下層から

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    2018年02月12日
  • われらの子ども 米国における機会格差の拡大

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    『孤独なボウリング』でご近所付き合いやPTA、スポーツ等のインフォーマルな関係性の重要性を見事なまでに定量的な分析と共に示し、社会関係資本という概念を創出したロバート・D・パットナムが次に取り上げたテーマは格差、特に子どもの機会格差である。

    建国以来の”アメリカン・ドリーム”を未だに信奉する人々が多いにも関わらず、明らかにアメリカにおける子どもの機会格差は拡大している。それは両親の貧困が子どもの貧困を再生産するメカニズムになっているということである。その様子を本書では定性と定量の両面から示しており、特に定性面での叙述に本書の特徴が表れている。というのも、本書ではいわゆる社会学のフィールドイン

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    2018年12月31日
  • われらの子ども 米国における機会格差の拡大

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    高学歴家族と、低学歴家族のインタビューから、現代のアメリカの状況が見えてる。アメリカンドリームはもはや夢のまた夢だということ。
    親の学歴と、家族の周りをささえるサポートの有無が、子供の大学進学に大きく影響を与えることが、実証的に示されている。
    日本でも程度の差はあれ、同じような状況があると思われる。低所得層への経済面、ソフト面での手厚いサポートが必要だ。

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    2018年08月29日
  • われらの子ども 米国における機会格差の拡大

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     米国における格差の拡大について、膨大な具体的事例をもとに解説している。日本はここまではひどくないものの、同様の傾向があるように思われ、本書が広く読まれると良いと思う。


     神経科学者や発達心理学者が確認した、脳を基盤とした能力の中でもとりわけ重要な集合のことを、彼らは「実行機能」と呼んでいる。それは航空交通管制のような活動であって、集中や、衝動の制御、精神の柔軟性、そして作業記憶に現れている。…
     支援的な養護者のいる通常の環境下では、実行機能はとりわけ三歳から五歳の間に急速に発達する。しかし、その時期に深刻で慢性的なストレスを経験した子どもは…実行機能が傷つく可能性がより高くなる。このこ

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    2021年08月08日