武楽清のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
地理上の条件が国家の行動に大きな影響を与えたと解いており、シーパワーとランドパワーを持つそれぞれの国がどのように戦争を起こしどのように国家を築いてきたのかをとてもわかりやすく解説しています。
学生の時は地理と歴史が苦手でした。出来事の背景を理解できず短期記憶に頼り、今は悲しいことに内容をほとんど覚えていません。当時この本を読んでいたら、特に世界史はとても興味深く勉強できていたと思います。歴史上の様々な出来事や国家の思想にはそれぞれに理由があることを理解できます。中学生、高校生に薦めたい本です。もちろん大人でも楽しめます。
個人的には、中国が経済発展していく一方でなぜインドはそこまでに至らな -
Posted by ブクログ
私のように地政学の地の字も知らない人間にはとてもわかりやすい入門書。これ一冊で、現在世界で起きている紛争や各国の思惑等の世界情勢への理解度がかなり深まった。アラブ人は国の概念が希薄で宗派と部族への帰属意識が強いことや、外交とは昨日の味方は今日の敵、永遠の友も、永遠の敵もない、あるのは永遠の利益のみというイギリスの格言。外交に無知すぎる自分が恥ずかしくなった。外交とはあくまで国対国で、決して個人対個人ではない。そこを見誤ると政治に翻弄されて本質を見誤ってしまう、とも感じた。
今までニュースの薄っぺらな情報に翻弄されていた自分が恥ずかしい。改めてワイドショーの害悪性、日本メディアの衰退にも危機感を -
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地政学という言葉を最近耳にするようになったが、私が学生だった30年ほど前には聞いたことがなかった。
それもそのはず、太平洋戦争の元となったスローガン?「大東亜共栄圏」構想は、この地政学に基づいたモノだったらしく、敗戦と同時に地政学は日陰へと追いやられてしまったようだ。
それが近年また注目されるようになったのは、同盟国アメリカの弱体化と自国最優先主義、膨張する中国の脅威といった日本を取り巻く不安定要素から、地政学の必要性が再認識されたからだろう。
地理と近・現代史が合わさった内容。
シーパワーとランドパワーなる言葉は、恥ずかしながら初めて知った。
島国日本人にはピンと来ない、それぞれのパワーの -
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コテンラジオからの興味の拡がりで、
最近本屋さんでよく見かけた「地政学」が網にひっかかったので、漫画を交えてあり、比較的易しそうな感じのこちらを購読。
結論から言うと、
めちゃくちゃわかりやすくて面白かった。
各国ごとにまず軽い漫画を挟んだ後、
その国についてテキストで地形や歴史から見える立場や考えを解説していて、キーワードになる語句については欄外で詳細が示されている。
今世界で起こっているモノゴトについて、
自分の目から見える解像度が段違いに上がった。
特にわたしが1番印象に残った国の行動原理が、「自国を守るために戦う」というところ。
世界史でも日本史でも、争いの種になるのいつも自国を脅 -
Posted by ブクログ
全部マンガではありません。
最初に4ページほどのマンガで問題提起し、興味を持たせて、そのあと詳しく説明するという構成です。
人気がある「サクッとわかる ビジネス教養 地政学」は読みやすかったけれど情報量が少ないので、本書は情報を補完するのに良い内容でした。
第3章の「さまざまな国から見た世界」がおもしろい。
○○○から見た世界地図、という視点で○○○に当たる国は次の8か国。
フランス、ポーランド、トルコ、イスラエル、サウジアラビア、インド、ベトナム、ブラジル。
ポーランドやトルコなど、地理的な条件(場所と地形)が悲惨な国の歴史を生んでいることがよく分かります。
ひととおり色々な国から世界を -
Posted by ブクログ
防衛に関する知識を得る上で恐らく避けて通れない学問だと思い、まずはマンガから入ってみるかということで購入。地政学とは、「地理的条件が国際関係にどう影響するかを理解する学問」とのこと。
思い浮かべるのが、ジャレド・ダイヤモンド『銃・病原菌・鉄』。アレは、ヨーロッパが世界をリードすることになったことについて、「ユーラシア大陸が横長、アメリカ大陸は縦長」であることを理由の根底に置いている(と思う)。
米国を島とみる視点、英国の「オフショア・バランシング」政策、シーパワーを拡充せんとする中・露、そして勢力の揺らぎの中で地政学的に考えた日本の未来……と、世界各国の歴史と現在を地政学的視点で解説する -
Posted by ブクログ
一気に読めて、出版間もないのでトピックも鮮度がある
著者は、駿台の講師とのこと。
地政学(Geopolitics)、地理的条件が国際関係にどう影響するかを理解する学問。
最近まで「地政学」という用語はややタブー視されていたという。
戦時下の戦略立案を想起させるためらしいが、学問自体は「国際関係論」などに名を変えて存続してきた。
響子先生が、対中問題を中心に手厳しい(右寄り)コメントをさらっとするのが、快感。
ヨーロッパを半島と見立てたり、
インドの核保有が「真珠の飾り」で納得できたり、
ブラジルとアルゼンチンが比較的平穏なのはバッファ国家(ボリビア、ウルグアイ)のおかげ、
中国の新ニカラ