村田久のレビュー一覧

  • ヤマケイ文庫 イーハトーブ釣り倶楽部

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    実体験であるはずのエッセイに、"出来過ぎ感"のある締めが毎掌編に渡って添えられている様に、途中ちょっとだけ食傷気味になったことを告白するが、そんな理不尽な瑕疵などもちろん問題にならない名文揃いであり、「底なし淵」を好む読者であれば、例外なく大きな満足が得られるだろう。
    作中に描かれているような昭和の川の風景は、今となってはもはや東北の山深き源流近くでも見られないのではないか…と思いを馳せると、やっぱりほのかに寂しくなる。

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    2024年02月21日
  • ヤマケイ文庫 新編 底なし淵

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    簡にして要という他ない、夢枕獏氏の序文からしてまず、いやが上にも期待は高まる。

    本編を繰っていくと、そこで展開されるのは、まさに「釣りキチ三平」のような世界。
    東北地方の深山幽谷ほど、幻想譚がよく似合う舞台はないだろう。
    かつて都から逃げ延びた落武者がひっそりと構えた里の系譜に連なる集落が多いと聞くが、そのような経緯も、種々の伝説が生まれることになった素地として見事な出自であると推察できる。
    しかしながら、描かれているような空気が満ちていたのはおそらくは昭和までで、今は規模の大小こそあれど、隅々に至るまで開発という名の悪手が伸ばされ、沢の主が潜んでいたはずの淵も、無粋で醜いコンクリートの護岸

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    2022年05月27日
  • ヤマケイ文庫 イーハトーブ釣り倶楽部

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    岩手県一関市に暮らす筆者。渓流釣りについての情緒あるエッセイ。ヤマケイ文庫はハイレベルな作品が多い。

    岩手県在住、遠野など渓流釣りを楽しむ筆者のエッセイ。釣りをしない自分でも楽しめる内容。川のせせらぎと蝉の声、木漏れ日が脳裏に浮かんでくる、どこか品のある文章。

    2001年刊行の単行本を2019年文庫化したもの。ヤマケイ文庫はアウトドアの名作を再版しておりハイレベル、最近ハマっている。

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    2022年01月31日
  • ヤマケイ文庫 新編 底なし淵

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    登山をしていて、一度間違って杣道に入ってしまって(汗)渓流釣りをしている人たちに出会ったことがある。その時は、こんなところで釣りする人がいるんだ!くらいの認識だったけど渓流釣りの世界ってこんなに深いのかとびっくり。なんだか夢中になりすぎて遭難しかけたり怪我して地元の人のお世話になってる描写が多く、ちょっと気をつけなさいよと思ってしまったけど、魅力的な世界で面白かった!岩手の川が綺麗でずっと見てられると思ったこと、山歩きで見ている道はほんの一部なんだなと山の深さをしみじみ感じた。

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    2021年04月11日
  • ヤマケイ文庫 新編 底なし淵

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    20180329 民俗学に通じる貴重な資料のようで読んでいて懐かしさと興味を感じました。趣味の究極かも知れない。

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    2018年03月29日