【感想・ネタバレ】ヤマケイ文庫 新編 底なし淵のレビュー

あらすじ

村田久氏の最高傑作『底なし淵』を新編集で完全復刻。
巻頭には、村田さんのファンでもある夢枕獏さんが序文を寄せている。

得体の知れぬ大魚が釣り人を待ち受ける、底なし淵。
ぬめぬめと光るマムシに守られた、尺イワナ沸く渓。
昼寝の最中に現れては消える子どもたち。
夕暮れの渓にきらめく蛍の乱舞と、かすかに聞こえる女の声。
そして、遠野郷の奥深くに暮らす一家の明かされない謎。

岩手の渓流で、釣り人が体験した奇妙な出来事の数々を、瑞瑞しい筆致で綴った傑作エッセイ集。巻頭には、夢枕獏氏による序文。

イーハトーブの渓流で、釣り人が体験した不思議な出来事の数々。著者入魂の作品を新編で復刻。

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Posted by ブクログ

簡にして要という他ない、夢枕獏氏の序文からしてまず、いやが上にも期待は高まる。

本編を繰っていくと、そこで展開されるのは、まさに「釣りキチ三平」のような世界。
東北地方の深山幽谷ほど、幻想譚がよく似合う舞台はないだろう。
かつて都から逃げ延びた落武者がひっそりと構えた里の系譜に連なる集落が多いと聞くが、そのような経緯も、種々の伝説が生まれることになった素地として見事な出自であると推察できる。
しかしながら、描かれているような空気が満ちていたのはおそらくは昭和までで、今は規模の大小こそあれど、隅々に至るまで開発という名の悪手が伸ばされ、沢の主が潜んでいたはずの淵も、無粋で醜いコンクリートの護岸で覆われているのかと思うと、関わりのある当事者ならずとも、何とも言えぬ寂寥に包まれる…。

本書の紹介には"エッセイ"とあるが、もちろん著者が実際に見聞した体験を綴っているのだとしても、あまりに美しいその筋運びと情景描写、そして物語の締め方は、もはや"幻想小説"である、と断じる方がふさわしいように感じた。

"カワシンジュガイ"のエピソードを読んで、私も小学生当時、牧野池でブラックバスを狙っていた際、ルアーでカラスガイを釣り上げたことがある、と思い出した。

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2022年05月27日

Posted by ブクログ

登山をしていて、一度間違って杣道に入ってしまって(汗)渓流釣りをしている人たちに出会ったことがある。その時は、こんなところで釣りする人がいるんだ!くらいの認識だったけど渓流釣りの世界ってこんなに深いのかとびっくり。なんだか夢中になりすぎて遭難しかけたり怪我して地元の人のお世話になってる描写が多く、ちょっと気をつけなさいよと思ってしまったけど、魅力的な世界で面白かった!岩手の川が綺麗でずっと見てられると思ったこと、山歩きで見ている道はほんの一部なんだなと山の深さをしみじみ感じた。

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2021年04月11日

Posted by ブクログ

20180329 民俗学に通じる貴重な資料のようで読んでいて懐かしさと興味を感じました。趣味の究極かも知れない。

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2018年03月29日

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