あらすじ
里山深山の渓流で釣り人が見つけた桃源郷の記録。
書き下ろし含む名エッセイストの集大成がヤマケイ文庫に。
釣りに行けない日の毛バリ釣り師の心にしみる珠玉のエッセイ27編。
最新書き下ろし原稿も収録。
岩手には心のふるさとになりえる川がある。
著者・村田久氏は1942年北海道生まれ。現在は岩手県一関に住み、
FM岩手で「イーハトーブ釣り具店」のパーソナリティを務めるなど、
渓流釣りをめぐる興味深いエピソードを数多く持った文筆家。
その文章には、独特の詩心とユーモアがにじみ、非常に味わいがあります。
本書は『Fly Fisher』誌(つり人社)の「A Letter from North East」から作品を厳選して単行本化したものに、
『RIVER-WALK vol.2』掲載の「追憶の遠野行」と最新書き下ろし原稿「蝉しぐれ」を収録したものです。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
実体験であるはずのエッセイに、"出来過ぎ感"のある締めが毎掌編に渡って添えられている様に、途中ちょっとだけ食傷気味になったことを告白するが、そんな理不尽な瑕疵などもちろん問題にならない名文揃いであり、「底なし淵」を好む読者であれば、例外なく大きな満足が得られるだろう。
作中に描かれているような昭和の川の風景は、今となってはもはや東北の山深き源流近くでも見られないのではないか…と思いを馳せると、やっぱりほのかに寂しくなる。