平原卓のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
哲学の名著50作品を紹介・解説した本。哲学とは一言で言うと、「概念」によって共通了解を生み出していく営み、とのこと。会話相手の言いたいことを適切に把握する能力、上質な日本語を扱う能力、の2つを鍛えるための課題図書としてボスから貸与された。今までに哲学関連の本は何冊か読んだが、比較的分かりやすく書かれているように思う。ボスの意図した能力開発に関しては、一つ一つの言葉の意味するところや、言葉と言葉の論理的な繋がりを理解しようと読み進める中で鍛えられるように感じた。
なお、哲学書を読む際の心得として、本書では以下の5点を挙げている。
①自分の頭で考えながら読む
②動機をすくい取るように読む
③繰り返し読む
④仲間と読む
⑤必要以上に畏敬の念を抱かない
また折を見て読み返したい1冊。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「哲学の本を読むとしたら、どれがおすすめ?」と聞かれたら、たぶんこの本をおすすめすると思う。
私の哲学に求める力を、わかりやすく丁寧に解説してくれるので。
著者・平原さんの本は「読まずに死ねない哲学名著50冊」以来2冊目。
最初の「哲学は先人の知恵を教えてくれるものではない」という言葉に、はっとさせられてそのまま読み進む。
哲学の本は割と読んでいるほうだと思うので、大まかな流れや主義なんかはなんとなく把握している。
それでも、やっぱり「なるほど」「そいうことか」と考えながら読んだ。
「正解」のない時代に自分で考え自分の人生を成立させる。
今までの哲学者たちも、そういった動揺の時代を思考という武器を使って生きたんだろうなと思った。
そして今の私も、その時代を生きている。そして自分で考えて生きることができる。
本の中では「還元」と「本質観取」がもうびっくりするくらい出てくる。
でもこれが「自分で考える練習」なのだと納得させられる。
最後のチャプターがまさに「自分で考える練習」で、ケースごとに本質観取を繰り返すのだけれど、
それに至るまでの哲学史(時代背景や先人の考え方)をきちんと踏まえているので、思ったよりも苦しくない。
あ、これさっきやったやつだな、と思いながら進められる。
短い区切りのなかで、きちんと振り返りながらステップアップして展開していくので、平原さんはきっとすごく優しい人なのだ…と思う。
哲学書を読むとたびたび出てくる「共通了解」。なんとなく概念は分かっていたつもりだけれども、これだけ納得しながら読めたのは平原さんの力だと思う。
「共通了解」には、長らく私たちに求められているコミュニケーションが必ずかかわってくる。
コミュニケーションは話し上手ではなく、聞き上手である必要があると思う。相手と自分の差異を認め、どう展開させるか。
本の中では「よい耳をもつこと」と書かれていた。そしてそれは自分以外の他者だけでなく、自分自身に対しても。
そして「普遍的な共通了解」は時代ごとに常に編みなおされるものだということ。これは「先人の偉大な知恵が、正解ではない」ということだと思った。
先人の思考の歴史を知ることで、それが答えだと飛びつくのではなく、現代の私たちはどうするか?を考える必要がある。
私のなかで課題に思っていた、生活経験の差。これについても触れられていた。これは経験がないからできない、というわけではないという。もちろんそうだと思う。もうちょっと一歩踏み込んで、理解できそうな気がする…まだ読み解けていない部分もあり。
まとめると、
短いスパンで振り返りながら展開していくので、読みやすい。そして自分の経験をうつしながら理解できる部分もあったので、読み進める抵抗が少ない。
そして読みながらの納得性もある。
なので、おすすめは?と聞かれたら進めたい一冊。
そして自分自身も、ふと読み返したいと思う本だった。
あらためて、私は「私が世界を理解するために」哲学を求めているのだと思った。 -
Posted by ブクログ
哲学にはずっと興味を持ちつつ、のめり込むのに最適だった学生時代が夜学&バブル全盛期であったため、結局その頃は深堀りせずにいた。当時深く接していれば、その後の人生はもう少し充実したものになっていたのかもしれない。
それでも哲学(数学も)への興味と関心が完全に失せることはなく、改めてこの本を見つけた時に手にとる条件が揃っていたというのがこの本との出会いだったのだと思う。「存在」「時間」「自由」などの意味・概念を、普遍的なもの(あるべきもの)として考え抜く思考の作業は、私にはこれから生き続けていくために、この命が失われるまで考え続けなければならないものなのだと思う。
あえていえば天職”感”まで感じている分野といえる。今後もこの本は何度も読み返し、その単著にも触れながら、自律的に考えていこうと思う。 -
Posted by ブクログ
哲学にはもともと興味があったが、この本は完全に表紙買い。ただ表紙のとっつきやすさだけではなく、中身も極めて分かり易く、哲学への導入としては最適なのではないかと思う。
哲学と聞くとなにやら難解な内容で、読んでも理解できないかもしれないという印象を持つ人が多いと思うが、是非そんな人にも開いてほしい一冊。私もこの本の中で紹介されている50冊の中からいくつか読んでみたが、読みやすいものも多く、特にプラトンは対話形式のためか面白く読むことができた。まさか哲学者たちが恋愛について熱く議論していたなんてね。そして現代に生きる私がその恋愛論から教えをもらえているなんて、すごいことではないか。
内容をきっちり理解できなくてもいい、もしわからなくなったら平原氏の解説に戻ればいい。まずは哲学の扉を少しだけ開けてみよう。そう思わせてくれる安心のガイドブックだ。ちなみに平原氏のHP『Philosophy Guides』も併せて参照するとさらに良い。