あらすじ
■読まずにぼんやり死んでいくなら、読んでもがいて生きていきたい!
『ソクラテスの弁明』『君主論』『人間不平等起源論』『死に至る病』
『悲劇の誕生』『エロティシズム』『人間の条件』『悲しき熱帯』……
タイトルだけは知っているという人は多いはず。
そして、のほほんと生きていたら、ほとんどの人は死ぬまで読むことがないでしょう。
しかし、それって人生においてとんでもない損失なのでは……!?
歴史に試されながら今なお読み継がれているこれらの著作は、まさに人類の叡智の結晶。
読んで少しでも血肉するか、しないかで、人生の密度は大きく違ってくるはずです。
本書は、そうしたコンセプトのもと、社会を、
そして人生を豊かにする50冊の名著を厳選、解説しています。
■目次
まえがき
参考:哲学歴史チャート
哲学書を読む前に知っておきたい5つの心得
・第一部 古代ギリシア――宗教から概念による世界説明へ
・第二部 中 世――キリスト教神学に取り込まれた哲学
・第三部 近 代――普遍性を探求する
・第四部 現 代〈Ⅰ〉――ニーチェ~ハイデガー
・第五部 現 代〈Ⅱ〉――メルロ=ポンティ~デリダ
あとがき
索 引
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
挫折した哲学書のエッセンスを抜き出してくれるだけでなく、なぜその本が後世まで読み続けられているかの意味も解説してあり、非常に参考になった。
同じような視点で現在を見た場合、どのような本や論文が後世に語り継がれていくのか考えるのも興味深い。
Posted by ブクログ
読めてよかった。
また、読み直して、わからなかったところがわかるようになってたりしたら嬉しい。(どこがわからないとか覚えてないけど)
紹介されてた本の中で気になるものはそちらにもトライしたい。
Posted by ブクログ
著者が選んだ古代から現代に至る哲学の名著50冊をピックアップして今の言葉で、わかりやすく解説した著作。ブログ風に数ページずつに分かれて1冊ずつ書かれているので分厚い本である一方、どこからでも読める辞書的な著作
Posted by ブクログ
古い常識を疑って考え直し、新しい概念として仕上げる。
今を疑うってなかなか出来ないし、それって今を生きる時には、目先のこと考えると、後でいいんじゃない?てなるけど考え抜く学問。
今だに答えが出ない訳だ。
でもカッコいい。みんなの信じていることは、間違ってる、オレはこう思うんだ!ってヒーローみたい。
知ってしまったからには、もがいて生きたくなる。
古代
プラトン
世界の見え方を目に見えるものから、概念に切り替えた。世界の見え方を変えるには、本質に迫るには、意味を論じるには、善という価値を置いて、教育が必要と論じる。今じゃ当たり前だけど、当時の人々が見ていた世界観からすると凄い発見だと思う。
アリストテレス
人間は単なる生存に飽き足らず、より善いものを目がける。そのため政治は私達がつくり出す制度、営みであると説く。
中世
歴史の流れからキリスト教が力を持ち、それとあわせて哲学も信仰の体系を打ち立てるために論じられた。そしてルネサンスを迎え、神から人間中心の現実的な思想へとシフトして行く。
人間の力で社会をつくり出すことが出来るという思想のはじまり。おもしろい。
近代
自由、道徳という観念が生まれる。今では当たり前がたった200年前まで無かったとは衝撃。自分達で自分達のよいを追求し始める。
ミルは、各人と社会全体の幸福を論じる。
現代
人間は「いまある」から「あるべき」へ向かおうとする。
よりよい世界、よりよい生の可能性の条件を出す。自分が毎日諦めて目を背けていた何かに一石を投じる。毎日、満員電車で会社に行って、ストレスためて、はきだして、また繰り返す。これって当たり前?これが幸福?
これを声高に言うのは、今まではマイノリティで大変だけど、情報革命で声高に言いやすい時代になっている気もする。
哲学ってやつは、これだけ要約されていても迷子になる。でも著者は繰り返し粘り強く読みなさいと言う。確かに、振り返って反芻してると、しみてくる、とてもおもしろい。
やばい。
Posted by ブクログ
古代ギリシアから現代に至るまでの哲学の著作や著者の主張について、時代背景を踏まえて解説している。
なかなか理解が難しいところもあるが、全体的に平易な表現で書かれており、初心者でしたが最後まで苦にならず読み切ることができた。また、人がどのように振る舞い、どのように生きていくべきか、その普遍性について探求する学問が哲学なのかなと思ったし、著者の哲学に真摯に取り組む姿勢が見えたこともとても良かったです。
Posted by ブクログ
1.ソクラテスの弁明
”魂ができるだけ優れなものになるよう、随分と気を使うべきである。”
自らが無知だと知っていることただ一点のために私の方が知恵があることになるらしい
2.饗宴
”恋とは良きものと幸福への欲望である。”
プラトニックラブのプラトニックはプラトン的な?一般には恋愛の肉体的側面を否定して精神面を尊ぶ言葉だが、プラトン自身は恋愛はまず美しい肉体が第一の条件だと思っていた
3.パイドロス
”恋愛の本質とは良き狂気である。”
恋にはロマンティシズムの側面とエロティシズムの側面がある
議論はまず前提となる本質を明らかにする必要がある。そのためにはそのもののイデアを明らかにする必要がある。
良い議論とは①問題点を共有し、②論じられる事柄の核心をつかまなければならない
4.国家
正義とは何か。それを知るためには善のイデアを学ばなければならない。
ギュゲスの指輪...もし自分が不正を働いていることが誰にもわからないなら、私たちは不正を働いて幸福になろうとするのではないだろうか。
洞窟の比喩...
5.形而上学
形而上学と聞くと高校の国語を思い出す。高次概念語であり当時はまったく理解できなかったが、簡単に言うと、物事の背後の真理、本質、世界の根本原理を解き明かそう(というか夢想)する学問(というか妄想)である。
自然科学の源流は哲学とは知っていたが、その根本はこの形而上学にあるようだ。アリストテレスは物事を原因と結果の推論により描き出そうとした(これはまさに科学だ)。
哲学者らしいのはさらに次だ。何かが動くためには動因が存在しなければならない。その動因にも動因がなければならない…結果、最後にそれ自体は動かされず、因果を支える「不動の動者」に行き当たる。アリストテレスは世界の根本原因はこれだと、考えた(これって神のこと?とはいわない)
6.政治学
”人間はその本性において国家をもつ動物であることは明らかである”
政治は私たち人間に固有の営みだ。人間が他の動物と一線を画すのは、人間があるべき理想を踏まえ、共同体を構成し、政治によって既存の共同体をより「よい」ものへと編み変える可能性
力をもつからだ。
人は善を目的因とし、国家は最高善を目的因とする。
この章を読んで、人間の凄きはよりよい改善を求め(そのためには欠点を見つけなければならない)、それを克服しようと動かずにいられないことにあると感じた。嗚呼、世の中が混乱する原因ここにありやな…
生物学的に気になるのはなぜ人は「良きを求め改善に明け暮れる」という特性を手に入れたのか。もちろん進化の結果だが、なぜ人だけが高度にこの能力を発達させたのだろう。ある意味、神経質で多動だよなあ。
7.人生の短さについて
”我々は短い人生を受けているのではなく、我々がそれを短くしているのである”
セネカはストア学派の一人。ストア学派のストアはストイックの語源とも言われる。平和で自由度が増した中世、倫理が崩れ始めた時にあらわれた、禁欲的な、観想を重視する思考(まさに僧侶的な)だ。
仕事に忙殺されることを避け、時間を自分のために使うことが必要だ。元気のあるうちにより偉大な仕事にむかうべきだ。
これは現在でも共感できる考え方だ。これが紀元前紀元後初期に書かれたとは…
8.告白
Posted by ブクログ
再読。古代ギリシャから現代に至るまでの哲学の名著から50冊が取り上げられている。1冊に割かれているページ数は少ないけれど、簡潔に概観をつかむことができ、ふとした時に読み直しやすい。全体でも400ページを超えるので読み応えもあります。
Posted by ブクログ
哲学名著の概要に触れながら、古代ギリシアから中世・近代・現代までの哲学の歴史的な流れが纏められた一冊。どの時代に誰がどういった姿勢で哲学を発展させていったかがよく分かった。哲学入門書として最適だったんじゃないかと思う。なかなか理解するのが難しいかもしれないが気になった著作は読んでみたい。
Posted by ブクログ
哲学の名著50作品を紹介・解説した本。哲学とは一言で言うと、「概念」によって共通了解を生み出していく営み、とのこと。会話相手の言いたいことを適切に把握する能力、上質な日本語を扱う能力、の2つを鍛えるための課題図書としてボスから貸与された。今までに哲学関連の本は何冊か読んだが、比較的分かりやすく書かれているように思う。ボスの意図した能力開発に関しては、一つ一つの言葉の意味するところや、言葉と言葉の論理的な繋がりを理解しようと読み進める中で鍛えられるように感じた。
なお、哲学書を読む際の心得として、本書では以下の5点を挙げている。
①自分の頭で考えながら読む
②動機をすくい取るように読む
③繰り返し読む
④仲間と読む
⑤必要以上に畏敬の念を抱かない
また折を見て読み返したい1冊。
Posted by ブクログ
わかりやすい。概略概観の本は何度挑戦しても、お目当の哲学者にたどり着く前に挫折してしまっていたのだが、これは読みやすくポイントを押さえながら、変遷を辿れるようになっていたので、素人なりに森を見ることができた。そして、気になる人はこれだな、とお目当を確認することもでき、新たな本へ進むことができた。その意味で入門書として価値のある本だと言える。
Posted by ブクログ
哲学にはずっと興味を持ちつつ、のめり込むのに最適だった学生時代が夜学&バブル全盛期であったため、結局その頃は深堀りせずにいた。当時深く接していれば、その後の人生はもう少し充実したものになっていたのかもしれない。
それでも哲学(数学も)への興味と関心が完全に失せることはなく、改めてこの本を見つけた時に手にとる条件が揃っていたというのがこの本との出会いだったのだと思う。「存在」「時間」「自由」などの意味・概念を、普遍的なもの(あるべきもの)として考え抜く思考の作業は、私にはこれから生き続けていくために、この命が失われるまで考え続けなければならないものなのだと思う。
あえていえば天職”感”まで感じている分野といえる。今後もこの本は何度も読み返し、その単著にも触れながら、自律的に考えていこうと思う。
Posted by ブクログ
哲学にはもともと興味があったが、この本は完全に表紙買い。ただ表紙のとっつきやすさだけではなく、中身も極めて分かり易く、哲学への導入としては最適なのではないかと思う。
哲学と聞くとなにやら難解な内容で、読んでも理解できないかもしれないという印象を持つ人が多いと思うが、是非そんな人にも開いてほしい一冊。私もこの本の中で紹介されている50冊の中からいくつか読んでみたが、読みやすいものも多く、特にプラトンは対話形式のためか面白く読むことができた。まさか哲学者たちが恋愛について熱く議論していたなんてね。そして現代に生きる私がその恋愛論から教えをもらえているなんて、すごいことではないか。
内容をきっちり理解できなくてもいい、もしわからなくなったら平原氏の解説に戻ればいい。まずは哲学の扉を少しだけ開けてみよう。そう思わせてくれる安心のガイドブックだ。ちなみに平原氏のHP『Philosophy Guides』も併せて参照するとさらに良い。
Posted by ブクログ
平易に書かれているけれど、それでもかなり難しい。各論の手前、哲学って何?という概論的な素朴な疑問に対するひとつの答えをここから読み取るという本に思える。哲学は市民感覚に基づくべきもの、戦争や価値観の転換などひとを揺さぶる諸要素のなかを生き抜くための取り組みとして展開されてきたものであることが感じとれた。
Posted by ブクログ
多分、世界史の授業か何かで聞いたことがあるだけの哲学者であったり、その哲学者の書いた本を、せっかくだからどんなことが書いてあるのかちょっとのぞいてみないか、という趣旨の本。例え話もふんだんに盛り込んで、できるだけわかりやすく書いてあるけれども、それでもよく分からない本もあって、原書はどんな感じなのだろうかと想像してみると面白い。
そもそも哲学的に考える意味がどういうところにあるのかが、理系の私にはつかみきれないわけですが、今の私たちから見ると不思議な考え方も、実は宗教などの絡みがあって、当時としてはそう考えざるを得なかったみたいな歴史的背景も丁寧に説明されていてよく理解できました。
デカルトの「私は考える、ゆえに私はある」であったり、ジョン・スチュアート・ミルの「満足した豚であるより、不満足な人間であるほうがよく、満足した馬鹿であるより不満足なソクラテスであるほうがよい。」であったり、あぁ、聞いたことはあるけど意味はよく知らなかったという言葉もいっぱい出てきて、その意味を確認するだけでもこの本を読む価値があると思います。
500ページ近くありますが、50冊の本が紹介されているので、時間のあるときに細切れに読んでいっても十分楽しめます。秋の夜長にといっても、これを書いているのは真夏ですが、じっくりと読んでみたい1冊です。
Posted by ブクログ
認識、存在のテーマを多く集めています。
解説というより、評論ぽくなっているのが特徴。
50冊も詰め込むのではなく、もう少し一つ一つを詳しく見たい気がしました。近代のは特に。
Posted by ブクログ
横槍メンゴさん(後で有名な方だと知りましたが、存じ上げませんでした)の描かれた表紙、ギャルっぽい女の子と哲学というのが好印象で手に取りました。
特にこれをちゃんと読みたいという著作はなかったのですが、すみません。かなり素人に分かりやすく噛み砕いて書いてくださっているんだろうな、と思いました。
Posted by ブクログ
最初は何となくわかったようなつもりで読み進めるも、近代~現代に移ってくると、文字が上滑りして何を書いているのか理解出来ず。
何となくで読み終わったが、理解したか?と言われると、まるで…という感じ。
もう一度読めば変わるかなぁ。
ただ、恐らく、より難解であろう哲学書たちをここまで読みやすくしてくれているのだろう。入門書として、入口として?覗くぐらいの気持ちで読むにはいいと思った。
Posted by ブクログ
教科書みたいな印象。
主要な哲学書を適度が適度に読み易くまとめられていて、語り口も真面目。
著者の見解や主張が多くないから、教科書みたいな印象を受けたのかも。
だから決して面白くはないし、カバーのイラストのような軽さはない。この手の哲学への敷居を少し低くしたような入門書が最近多いですが、そういう視点で読むのであれば、個人的には飲茶氏の著書がオススメ。
とはいえ、本書を参考書として、それぞれの原著にあたるのにはよいかも。
Posted by ブクログ
古代ギリシャから始まって、中世、近代、現代までの哲学書を概観する。へ〜そんなことが書かれてあるのか、と思う。でも、内容が頭に残らないな〜(汗)。
Posted by ブクログ
古代ギリシアから現代までの哲学書50冊を解説した本。それぞれを解説した本で、哲学通しのつながりや発展に関しての論評が弱く、読み進めていくのに意外と骨が折れた。ただこれだけの本を、このように出来るだけ平易な解説を心掛けた作者の力には脱帽する。
Posted by ブクログ
哲学の歴史的代表作単位で概要を説明している。
参考になるが、近代以降の哲学が問題にしている問題意識があまり明確になっていないので、最後の方は散漫な感じがした。
それぞれの派閥が何を問題意識をして、それぞれの派閥へどういう批判をしているのか、取り組んでいる問題意識をはっきりさせると、もっと今の潮流も理解できるのではないかと思う
Posted by ブクログ
これまで学んだことの体系的な復習。まだ触れたことのない本についての好奇心を煽られました。
浅く開く拾えるので「とりあえずかじってみよう」という方にオススメかと。
Posted by ブクログ
---読まずにぼんやり死んでいくなら、読んでもがいて生きていたい!---これから哲学の本を読んでみたい人へ。著者は表面上の難しさに惑わされずポイントをつかめば十分、無理に理解する必要もない、と勇気づけてくれます。哲学者たちの作品がわかりやすくかみ砕いて紹介してあるこの本を手がかりに哲学の世界へ歩み出してみませんか?
Posted by ブクログ
哲学がわかりやすいわけがないけど、著作ごとにわかりやすく書かれた本。つまり内容にがっつり踏み込んだものではなく紹介にとどまる。しかし入門として、記された著作を読む準備段階として、とても役に立つと思う。ただしある程度知識がある人からしたら、退屈または文句がつけたくなる部分があるのかもしれない。