稲穂健市のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ正直あまり期待せずに読み初め、面白い!と最初から最後まで思えた一冊。
知財に関して何も知らない人でも、冒頭から著作権、商標権、特許権など分類から分かりやすく説明してくれ、その後も例をふんだんに入れながら展開していく。(所々、筆者のギャグパートが入るのも面白い)
商標権、だと同じ名前でも、違うサービスなら登録出来たりと全然知らないことも多いなと痛感。アイドルのSMAPだけじゃなく、不動産とかの会社がSMAPを登録してるのも驚いた。
最後にまとめてくれていたが
確かに財産を守る意味で必要な権利が、クレーマーなどの武器に使われるのは良くないなと思う。
法律等に準じて、何もおかしくないのであればお -
Posted by ブクログ
「iPhoneの商標は、アイホン株式会社のライセンスにもとづき使用されています。」
この文言を見た事がある人は多いのではないだろうか。
そう。アイフォンのウェブサイトの最下部に小さく出ている一文である。
これが何を指しているのか知らない方もいるかもしれない。
実はアップル社がアイフォン、アイホンという商品名を利用するために、
許諾を受けていることを示している一文である。許諾をしているのが、日本の企業であるアイホン社。インターフォンの会社である。
実は興味深い事実があって、アイホン社の決算資料を見てみると、ロイヤリティ収入1億円というような記載がある、らしい。
つまり、言い方は綺麗で -
Posted by ブクログ
日頃、新聞やニュースで触れる機会の多い「知的財産権」だが、まとまった形でその詳細を知る機会は意外に少ない。本書は主に海外を舞台に活躍してきた弁理士による「知財」ブリーフィング。「楽しく…」の題名に違わず、豊富な馴染み深い実例により、しかも極めて簡潔でわかりやすく知財の大まかなアウトラインをなぞることができる。
本書でよくわかるのは、知財には著作権や商標権などいくつかの種類があるが、それら個々の権利は、単独では我々が一般に考えているほどには強く保護されていないということだ。随所で述べられるように、これらの権利を重層的に組み合わせることで、単独の場合よりも強力な権益に変換させることができる。 -
Posted by ブクログ
「普通の新書」みたいな知的財産法の本。
学問の特性上、法学、特に実定法には新書が少ない。たまにある新書も、神田秀樹『会社法入門』や水町勇一郎『労働法入門』、そして本書の類書といえる小泉直樹『知財法入門』など、教科書の章立てを抜粋したような無機質な本が多く手に取りづらい。
その中にあって、通勤通学の行き帰りに読んで数日で読み終わるような、無類の手軽さを誇る本書は貴重といえる。もちろん教科書のような体系だった知識が身につく訳ではないが、一定のイメージを得られるところにまず意義がある。
そして内容についても、著作権と特許権に加えて商標権についても扱っており、意外とカバー範囲は広い。
個人的な感 -
Posted by ブクログ
知的財産というとほうりつでガチガチに守られていて、それに反していないかを丹念に読み解くもの、というイメージがあった。
しかし、本書を読み考えが変わった。
知財とは、イメージであり、他社が「けしからん」と思わないラインをさぐるものでしかないという考えに。
たしかに「広く知られている」というのはかなり感覚の問題だ。
知財については、結局裁判をしないと白黒つかないし、裁判官によっても判断が変わったりする。
そして、商標権について、自分のものではなくても、お金を振り込まなくても、とりあず申請したもの勝ちという抜け道から、商標権の申請の10%がたったひとりの人間(1社)が申請しているというのもまた面白い