高田貫太のレビュー一覧

  • 海の向こうから見た倭国

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    3世紀から6世紀の倭と朝鮮半島の関係を朝鮮の視点から、日韓の考古学上の成果をふんだんに活用して分析している。特に、朝鮮半島側の古墳の状況や研究者の視点を紹介してくれているのが新鮮。

    これによると、「倭という一つの強大国があって中央集権的に朝鮮半島と対峙していた」というステレオタイプの世界観では全く不十分であることがわかる。特に、時代が遡れば遡るほど、朝鮮半島(新羅、伽耶地域、百済、栄山江地域)と倭(九州北部、吉備、大和)が輻輳的に関係を築いていた。

    時代が5世紀に下ると、朝鮮半島側は高句麗の南下に対して百済や新羅が周辺を統合しつつ、倭と友好関係を結ぶことを思考し、倭も先進技術の取り込みのた

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    2022年10月09日
  • 「異形」の古墳 朝鮮半島の前方後円墳

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    朝鮮半島にも前方後円墳があった!異形の古墳を現地で調査し、その誕生と発展の歴史を推理する。そこに流れる日韓の交流への願いに胸を打たれる。

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    2020年08月05日
  • 海の向こうから見た倭国

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    3世紀から6世紀にかけて、朝鮮半島と倭との間でどのような交渉があったのかについての研究をまとめた本。
    高句麗、新羅、加耶、百済、栄山江流域といった社会が割拠する中で、それぞれの対外戦略として倭との通行があった。
    倭は倭で様々な地域集団が存在し、吉備の反乱や磐井の乱といった、倭王権が外交権を接収するにあたって生起した戦いもあった。
    古代の歴史はよくわかっていない分ロマンもあるし興味をそそる。新羅が倭の出兵を抑えるために…という件とか。

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    2018年11月27日
  • 海の向こうから見た倭国

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    三世紀後半から六世紀前半の期間、朝鮮半島の国々、百済、加耶、新羅、金官などと倭の国々との交流を見る。倭も大和政権だけでなく、吉備、磐井、九州などの地方勢力との交流もあり、朝鮮半島の国々は北からの高句麗の攻勢に対抗する意味もあって、倭との交流を求めたようだ。

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    2018年10月19日
  • 海の向こうから見た倭国

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    考古学から。
    「海の向こう」はおもに南朝鮮。倭列島側から海の向こうを見る視点も忘れていなくてバランスが取れていると思う。

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    2017年08月31日
  • 海の向こうから見た倭国

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    弥生時代後半から六世紀前半にかけての日本と朝鮮半島の遺跡を丹念に解説した本だが,耳慣れない固有名詞が続出で,読むのに苦労した.新しく発掘された遺跡のデータから,これまで定説が覆される事例が出てきて面白かった.それぞれの国の研究者たちが地道に成果を上げているようで,頼もしく感じた.斜め読みだったので,機会があれば熟読したい.

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    2017年08月01日
  • 海の向こうから見た倭国

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     この本の序章ですが、あらたな日朝関係史をめざしてということで、瀬戸内海に浮かぶ小島、女木島丸山古墳に埋葬されている古代人が如何に朝鮮半島との関係が深かったかという「とっかかり」からこの本は始まります。
     ただ単に日本からみた「任那支配」という過去の歴史的見解の限界性を打破し、朝鮮半島からの視点で「倭」を考えてみるという重要性を一貫して述べている本です。
    第1章 韓と倭のつながり――弥生時代後半の四世紀
    第2章 多様化する関係――五世紀前半
    第3章 王権の興亡と関係の再編――五世紀後半〜六世紀
                     前半
    第4章 朝鮮半島の前方後円墳が語ること――栄山江流域
       

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    2017年07月14日
  • 海の向こうから見た倭国

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    朝鮮側から見た弥生時代から古墳時代の日朝関係。
    視点が面白い。
    古墳がめっちゃ出てくる
    新羅、百済、金環伽耶などと互いに貿易や贈り物など結構やりとりしてた
    威信財という概念。
    技術者が移住したりして副葬品や古墳形式が混ざったというのは面白い
    この時代はまだ統一政府的なものが完成しておらず、地方部族が大事な役割を持つこともあったというのは意外。
    発掘物など根拠を丁寧に示してくれるのは良いことだと思うのだが、正直読んでいて飽きる

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    2017年06月02日
  • 渡来人とは誰か ――海を行き交う考古学

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    内容は筆者の努力によりかなり分かりやすいものになっていることは感じるが、それでも地理的イメージがとりにくくどうしても飛ばし読みになってしまった。
    しかしながら、この時代の社会情勢を示した1章、まとめの終章、筆者の人間性が伝わる序章とあとがきだけでも、この本を読んだ価値があった!

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    2025年08月31日
  • 海の向こうから見た倭国

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    古代日韓関係史に全く詳しくない読者からすると、本書の主張の重要性や信頼度は評価不能だ。

    任那(本書で「加耶(かや)」)の日本(著者がいう「倭」)支配がなかったことを主張するのであれば、日本支配論の根拠とされるものを批判的に再評価し、逆に日本支配がなかったことの根拠を批判可能な形で示すべきだろう。

    半島南岸と倭との海峡を隔てた交流は当然にあったのだろうし、相互に影響は及ぼしたのだろうが、本書は日韓の古墳の紹介が中心になっており、「海の向こうから見た倭国」がいかなるものであったかを描いているようには思えない。

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    2017年10月10日