熊倉献のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ物語が終わってしまった。
テツヤや犬などの「空白」が実態として表現されるときにコマの外側(空白)と繋がっていたり、犬が空白を食べるシーンではコマの隙間が詰まっているなど、空白に対する細やかな設定が好き。
「星ロボ」はショーコちゃん、「いない鳥」は時田さんの想像力から生まれた存在。「メカ・キリン」が起動するシーンは、連載時も単行本でも、なんか涙が出てくるんだよな。
全体を通して振り返ると、「わが空白」(イチコさん)を巡る視点が交わってきたところがすごく印象に残っている。
「空白」は心の隙間を埋めるような存在で、「想像力≒物語」そのもの、みたいな感じだろうか。
まだ空白について考えている。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ想像したものが見えない実体として作れる能力×2人の高校生。
AIやネットなどについてよく思うけど、能力や便利なものが何をもたらすかは人間の頭が決めるものだから、賢さ優しさ誠実さその他諸々を持ってないと自分たちの首を絞めて滅ぼし合うだけなんだよな。そうなると教育、哲学、精神医学、エンターテイメント、あるいは飲食、接客業や法律とかそういうものの能力が問われてくる。人間は全然完璧な生きものじゃないから、個人的にはもうこれ以上便利な世界にならないでほしいなと思っている。
スイちゃんが優しい気持ちを返したいと思うような世界かといえば、現実の社会もそうではない部分が大きいのではないだろうか。自分だけが見え -
Posted by ブクログ
【あらすじ】
物語の終わり。
スイが気づかずに生み出していた『透明な犬』は、凶暴性を増しながら次第に空代市の生活を脅かすようになる。 ついにショーコとスイの前に現れたその獣は、ふたりに透明な牙を剥く――。 『空白』をめぐる物語、最終章。
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自分が空想したものを、「空白」という他人からは見えない存在として生み出す能力を有する少女の物語です。妄想と現実が入り混じった不思議な雰囲気の物語でした。
「こうなればいいのに」という希望が叶った世界(パラレルワールド)と叶っていない世界が入り混じってしまうとこの物語のようなことが起こってしまうのかなと思いました