ハーパー リーのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
妻から『アラバマ物語』って知ってる?と聞かれたので、そのとき読んでた津村記久子著『やりなおし世界文学』に載ってるよと言うと、それはスルーされて、妻の通う英会話教室生徒の元高校英語教師のかたとアメリカ人講師のかたが「アラバマ物語はよかった」と話していたそうだ。
たしかにこの本はおもしろかった。通勤のとき、1回乗り過ごし、3回乗り過ごしかけた(たんに暑さ?でボケてるだけで指標として不適切説あり)。
何がおもしろかったのか?いちばんは主人公の女の子だと思う。
主人公のスカウトは、父アティカスと4歳年上の兄ジェムの3人家族だ。
物語は、スカウト6歳のころから始まる。母はスカウトが赤ちゃんの -
Posted by ブクログ
1960年にアメリカで発行され、映画も有名な本書。1930年代のアメリカ南部が舞台。主人公のジーン・ルイーズ・フィンチ(スカウト)が6歳(小1)から3年生のハロウィンまでが描かれる。父は州議会議員で弁護士のアティカス。母はスカウトが2歳の頃死亡、兄のジェムは4つ上。カルパーニアという黒人女性が家政婦に来ている。スカウト6歳の夏に一つ年上のディルが夏の間だけその地の叔母のところに来ているのに出会い、3人で夏を過ごすようになる。近所には仲良しのミス・モーディーの家もあるが、嫌みたらしいミセス・ドゥボーズの家と三軒先にラドリー家がある。ラドリー家はその地域全体で不可侵のような場所になっていて(引きこ
-
Posted by ブクログ
1930年代の南部アメリカ、6歳の少女スカウトは4歳年上の兄ジェムと、弁護士の父アティカスと田舎町に暮らしている。母親はスカウトが小さいころになく亡くなっており、家の中のことは黒人女性のメイド・カルパーニアがやってくれている。その頃の南部の町では、まだまだ黒人の差別が厳しく、ニガーと公言してはばからない人が多くいる。黒人だけでなく、貧しい白人たちは学校にも行けず劣悪な生活から抜け出すことができずにいる。アティカスの偏見にとらわれない態度は、町の人々から信頼を持たれている。そんな町でおきた白人女性のレイプ事件。アティカスは被害者の白人女性が犯人だと名指しする黒人の弁護をすることになる。
ずいぶ -
Posted by ブクログ
あなたは、『アメリカの映画俳優グレゴリー•ペック(1916〜2003)の代表作と言ったら何だと思いますか』と聞かれたら何と答えますか?
日本で多いのは「ローマの休日」でしょうか。あとは「オーメン」。映画好きならば「ナバロンの要塞」「マッケンナの黄金」「渚にて」「アラベスク」等が出て来るかも。
しかし、本国アメリカで評価が高いのは、何と言ってもこの小説を映画化した「アラバマ物語」だそうです(アカデミー主演男優賞受賞)
1933年のアメリカ南部アラバマ州メイコムという架空の町。スカウトことジーン•ルイーズ•フィンチは母を早くに亡くし、弁護士の父アティカス、兄ジェムと暮らしている。純朴なスカウトの -
Posted by ブクログ
ハーパー・リーが自分自身が生まれ育ったアメリカ南部、1930年代のアラバマ州の架空の町メイコンを舞台に描いた自伝的小説。
世界恐慌以来貧困に苦しむ農村、そしてさらにその貧困の底辺にある黒人たち。
主人公のスカウトはまだ小学生になったばかりの少女だが、いつも男の子のようにオーバーオールを着て、兄のジェムと一緒に遊ぶ。そして、二人には夏休みの間だけ、メイコンに来て過ごすディルという友人がいる。
物語はスカウトと二人の少年を中心に、子どもたちの目線で見た当時の南部の社会を描く。
前半は学校には年に1日だけ来て、毎年落第する貧困家庭の子どもたちや、黒人と白人という明確な差別が残る社会、そして、白人の中 -
Posted by ブクログ
前作アラバマ物語では、保守的なアラバマの小さな町で黒人の被疑者が公正な裁判を受けられるように、偏見と戦う勇気ある信念ある弁護士だった父は、20年後には、黒人と白人は一緒に暮らせないし、白人至上主義者の集会にも顔を出す現実主義者になっていた。主人公の娘のめんどうをよく見てくれた家政婦だった黒人女性も離れていった。前作のイメージからすると幻滅の現実だけど、でも実態はそうかもしれないと思われる。
NOVAの講師とこの本の話をしていたら、リンカーンも黒人と白人を同等の人間としようとしたわけではなく、奴隷制に反対しただけだよ。とのこと確かにキング牧師らの公民権運動は、奴隷制廃止の100年近くあとだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレニューヨークで暮らす主人公が、南部の田舎町に帰省してくる。
故郷の町では昔と変わらず人が暮らしており、人種差別的な匂いもしている。
ただ、違いは主人公を取り巻く人たちが、歳をとったということ。
南部の田舎町を描いた作品には似たような匂いがする作品が多い。でもそのなか本書にはなぜか既視感が強かった。
その時頭に浮かんでいたのは、アラバマ物語という名前。
そして、あとがきをよんで疑問が氷解。アラバマ物語の20年後を描いた作品と書いてあった。よく見れば、表紙カバーの折り返しにも...
人種隔離政策が制度として廃止されていく中、南部人たちが心情的にどのように考え、また、それに対しニューヨークで暮ら