原聖のレビュー一覧
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ファンタジーやゲームのモチーフとなるケルト文化。そんなケルトの風俗、歴史をイラストで紹介した『ケルトの解剖図鑑』。
魔法使いに英雄、吟遊詩人。ファンタジーやゲームが好きな人におすすめの本です。
ドルイドといえば、魔法使いのイメージがありますが、本来のドルイドは知識階級であり、戦の調停などを行う執政のような立場でした。
他にも薬師や吟遊詩人などもドルイドの系列です。
時代が下がるにつれ、ドルイド宗教行事を司るようになったのだとか。また、彼らは薬草の知識なども豊富で、こうした女性のドルイドが魔女の原型になったという説も。
他にも妖精やゴブリン、パンシーといったファンタジーでおなじみのキャラクターも、ケルト文化から生まれました。 -
Posted by ブクログ
ケルトに関しては、アーサー王伝説とか妖精物語と切り離せないので、いくつか本を読んだりテレビのドキュメンタリー見たりしてたんですが、いまいち本質に迫り切れていない(知りたいことに辿り着けていない、奥歯にものが挟まったような)気がしてた理由が、
本書に書かれてありました。目から鱗こどころじゃない驚愕の真実です。「ケルトの不都合な真実」といっても過言ではない。
ヨーロッパにとってケルトとは何か。同じ講談社選書メチエで読んだ「アトランティス=ムーの系譜学」に近いものを感じ、愕然。しかし、ケルトの現在の姿は言語学的アプローチによって明らかにされ、それこそが本書の白眉。ラテン語との関係は先日読んだ「ラテン語の世界史」と改めて照らし合わせたい。
ケルト好きの方、必読だと思いますが、ロマンが壊れるかもしれません。私はすっきりしました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレギリシャ・ローマ文化・キリスト教に並ぶヨーロッパ文化の基層とされるケルト文化を、歴史と受容史の両面から解説した書。フランス・ブルターニュ地方を中心としたケルト文化の歴史を詳説すると共に、その中で「ケルト」という概念が何を意味してきたのか、そしてそれがどのように変遷・受容されていったのかを考察する。
本書は、2007年に刊行された同名本の文庫化である(学物文庫化に際して掲載写真がフルカラーから白黒になっているほか、最新の研究動向について補足したあとがきが追加されている)。ブルターニュ地方を軸としたケルト文化(≒ケルト語圏)の歴史から、「ケルト」という概念の再考を試みたものである。近年のケルト研究においてはいわゆる「ケルト懐疑論」など「ケルト」概念そのものの見直しが話題になっているが、本書はそうした議論を踏まえ、ブルターニュを中心とするケルト語文化圏の歴史を解説しつつ、その中で「ケルト」(或いはその文化に属するとされてきたもの)がどのように語られてきたのかを検討していく。特にケルト語文化圏の近現代史では学問や政治の場における「ケルト」の成立・受容過程に多くを割いており、ケルト文化圏の歴史と「ケルト」概念の受容史の両面から叙述を行っているのが本書の特徴と言える。
その上で、著者は「ケルト」という概念の使用に極めて慎重な姿勢を見せている。例えば、これまでケルト文化に属するとされてきた先史時代の巨石文化や非キリスト教的なフォークロア・自然崇拝といった事物については汎人類文化的な普遍性を指摘したり、「ケルトの司祭」として知られるドルイドについてもフランスの考古学者ジャンルイ・ブリュノーの説に基づき「ガリアの賢人集団としてのドルイド」と「後代のアイルランドなどにおける呪能者(偽ドルイド)」に峻別することを主張している。従来の説に対する批判的検討を多く含んでいるという点から見ても、今なお論争が続くケルト研究の戦線を垣間見た気分になれた。(その意味では、真にこの本の立ち位置や価値を理解するためにはもっと多くの本を読む必要があるようにも感じられた) -
Posted by ブクログ
「ケルト」とは何か?
古代からの歴史と民族、諸語、そして文化を、
様々な角度から探り、分かり易く解き明かしてゆく。
・まえがき
CHAPTER1 ケルトとは何か CHAPTER2 ケルトの国と地域
CHAPTER3 ケルトの文字と言語 CHAPTER4 古代ケルト文化
CHAPTER5 ケルト人の生活と社会 CHAPTER6 ケルトの信仰と神話
CHAPTER7 ケルト的修道院文化 CHAPTER8 アーサー王伝説
CHAPTER9 ケルト復興
・おわりに
関連年表、索引、推奨参考文献有り。
ケルトの基礎知識が分かる内容で、簡潔。
近年の発見、評価や定説の変化が記述されているのも、良い。
文字、ケルト語と諸語、巨石文化、古代ケルト美術、暦。
衣食住、階層社会、信仰、神話、異界や妖精などの民間伝承。
キリスト教との関係、ケルト十字のハイ・クロス。
ヴァイキング、アーサー王伝説。
ケルトの再発見と復興運動は、近・現代の美術、音楽、
映画、アニメ、民族主義など。
ケルトって、かなり広い地域に存在してたことが分かり、
特にケルト語関係の繋がりは興味深いものでした。
また、3大装飾写本はカラーで見たくなりました。
但し、アルバ(スコットランド)とスコットランド(アルバ)の
ような2種の表記は統一して欲しかったです。ちょっと混乱。 -
Posted by ブクログ
我々が「ケルト」と聞いたときに連想するドルイド僧,音楽,民族衣装,というのは,ケルトに対する全く浅い理解であるということがよくわかった.特に音楽,ダンス,民族衣装は,せいぜいここ数百年の歴史しか持たず,「ローマ文化が入って来るまで西ヨーロッパ全体で繁栄していた文化の名残」というのは,後から作られたイメージに過ぎず,むしろ「リバイバル運動」に乗っかって再生されたものである..
まあ,よく考えたら当たり前で,我々も奈良平安文化とはかけ離れた社会で暮らしているし,「日本の伝統」と主張されているものも,江戸,明治どころか,戦後に生まれたものであることも多々あるもんな.