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ローマ文明とキリスト教におおわれる以前、ヨーロッパの基層をなしたケルト人は、どこへ消えたのか? 巨石文化からアーサー王の伝説、現代の「ケルト復興」まで、フランス、ブルターニュの歴史・信仰・言語を軸に、アイルランド中心の「ケルト・ブーム」を問い直す。
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Posted by ブクログ
ヨーロッパの始まりの本という感じ。ゲルマン民族の大移動前には誰が住んでいたのかの謎解きの感もある。フランスのブルターニュ地方を中心に民族や言語や宗教などからケルトについて書かれている。石器時代からギリシア・ローマの時代、そして中世から現代まで通史として知れるのでとてもよかった。民族として覇権を握るこ...続きを読むとがなくとも、何もかもが消えて無くなるわけではないのだと当たり前のことに気付かされた。
ケルト、私の考えるのは古代アイルランドだったが、古代ケルトは大陸のブルターニュ地方が中心だったらしいという事が発見だった。
雑多な内容でまとまりに欠けていたが、ブルターニュに焦点を当ててケルト文化を扱っている。参考文献もいくつか読んだうえで本書に帰って来ると、新たな発見があるかもしれないと思わせてくれる。
ギリシャ・ローマ文化・キリスト教に並ぶヨーロッパ文化の基層とされるケルト文化を、歴史と受容史の両面から解説した書。フランス・ブルターニュ地方を中心としたケルト文化の歴史を詳説すると共に、その中で「ケルト」という概念が何を意味してきたのか、そしてそれがどのように変遷・受容されていったのかを考察する。 ...続きを読む本書は、2007年に刊行された同名本の文庫化である(学物文庫化に際して掲載写真がフルカラーから白黒になっているほか、最新の研究動向について補足したあとがきが追加されている)。ブルターニュ地方を軸としたケルト文化(≒ケルト語圏)の歴史から、「ケルト」という概念の再考を試みたものである。近年のケルト研究においてはいわゆる「ケルト懐疑論」など「ケルト」概念そのものの見直しが話題になっているが、本書はそうした議論を踏まえ、ブルターニュを中心とするケルト語文化圏の歴史を解説しつつ、その中で「ケルト」(或いはその文化に属するとされてきたもの)がどのように語られてきたのかを検討していく。特にケルト語文化圏の近現代史では学問や政治の場における「ケルト」の成立・受容過程に多くを割いており、ケルト文化圏の歴史と「ケルト」概念の受容史の両面から叙述を行っているのが本書の特徴と言える。 その上で、著者は「ケルト」という概念の使用に極めて慎重な姿勢を見せている。例えば、これまでケルト文化に属するとされてきた先史時代の巨石文化や非キリスト教的なフォークロア・自然崇拝といった事物については汎人類文化的な普遍性を指摘したり、「ケルトの司祭」として知られるドルイドについてもフランスの考古学者ジャンルイ・ブリュノーの説に基づき「ガリアの賢人集団としてのドルイド」と「後代のアイルランドなどにおける呪能者(偽ドルイド)」に峻別することを主張している。従来の説に対する批判的検討を多く含んでいるという点から見ても、今なお論争が続くケルト研究の戦線を垣間見た気分になれた。(その意味では、真にこの本の立ち位置や価値を理解するためにはもっと多くの本を読む必要があるようにも感じられた)
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