藤田先生、雷句先生が面白い漫画を描いて、私たちを虐めるんです、と泣きつこうか、と真面目に悩むくらい、この(2)も最高でした。
先シーズンも最高だったのに、このシーズンは更に良いんです。この成長力っつーのか、自分の代表作を新作で凌駕する実力の高さは、藤田先生の弟子だからか、と納得できます。
雷句先生自身は、まだまだ、と思っているんだろうけど、少なくとも、私の中じゃ、雷句先生は安西信之先生や福田宏先生と同じように、師匠と同じリングで、真っ向からぶん殴り合えるだけの猛者になっています。
この(2)の前半では、清磨&ガッシュvsギル&ワイグの激闘に決着が付きました。
ワイグは、そこそこ・・・いや、まぁ、結構なクズな性格をしていますが、戦士としての実力は本物で、また、矜持も持ち合わせていました。その矜持があるからこそ、清磨とガッシュの強さを認め、彼らに対する恐怖に打ち克って立ち向かい、自らの体が崩壊する切り札を出してでも勝とうとしました。
ロデュウにしてもそうですけど、こういう品性が捻じ曲がっていながらも、決死の覚悟を決められるキャラってのは、最後の最後に、好印象を読み手に与えてきますよね。
ワイグに関しちゃ、ガッシュが、相手が死ぬ気で挑んできており、出来れば、殺したくない、と思いながらも、ワイグが民にした残虐な行いや、自分自身が王として背負っている無念、何より、ワイグの覚悟を、一人の男として受け止めたが故に、ザケルガで討ったってのも大きいですね。
そんなガッシュと清磨のコンビに負けないほどの絆を、この(2)で魅せてくれたのが、表紙もドンッと飾っているフォルゴレとキャンチョメでした。
不死身か、コイツ、と思うキャラは、様々な漫画に出てきますが、フォルゴレもその一人でしょう。彼の場合は、マヂで不死身って訳じゃなく、自分を最強と信じてくれているキャンチョメのエールを受けた時に、敵が恐怖を覚えるほどの打たれ強さを発揮しています。心の力で強さを引き出す「魔本」に選ばれるのも当然の格です。
そのフォルゴレの姿に心を打たれ、恐怖に立ち向かう勇気を発揮できるキャンチョメもまた、カッコいいんですよね。フォルゴレとの絆がより一層に強まり、生き残るための力を欲した事で、新たに生まれたキャンチョメの新術「モ・ポルク」は、天才である彼の才能が遺憾なく発揮される、恐ろしくも、優しさがあるからこそ凄味が出るものでした。
この台詞を引用に選んだのは、先にも書いたが、ワイグのカッコ良さが、これでもかってくらい、出ていたので。
存在感のある敵を、単なるゲスで終わらせずに、ビカッと最期に光らせて退場させるテクニック、これは、実に勉強になります。
名作と言われる漫画は、主人公などの善サイドが単にカッコいいからだけじゃなく、その主人公らのカッコ良さを、揺るがないものを持っている悪が引き立ててくれるからなんですよね。
(ハッ、そうだ、お前は最初から、その目だったな?何の力も持っていない、最初からだ。どんな力にも、目をそむけず、オレという化け物と、ガッツリ戦った!!!最高の45秒だったぜ、お前達!!!あばよ!ギル!!)(byワイグ)
もう一つ、グッと来た台詞を紹介。
これは、パルコ・フォルゴレが、どんな漢か、を1stシーズンで知っているファンからしたら、思わず、嬉しくなっちゃうものでしたね。
「ハハハハハハハハハハハハハッ!!!カバさんは強いんだぞ!!!子供を守る時は!!!特に強いんだ!!!」(byパルコ・フォルゴレ)
こちらもまた、フォルゴレが、どんだけカッコイイ漢か、を感じさせてくれるものでした。
彼自身にも、敵に対する恐怖はあります。絶望も感じてしまいます。
ですが、それ以上に、彼にとって、恐ろしいのは、誰も守れない事。
そして、絶対にしないのが、守りたいモノを置いて逃げる事。
だからこそ、彼は、守りたいモノを守るために、どんな状況でも逃げず、体一つで立ち向かえるのでしょう。
そんなフォルゴレがいるからこそ、キャンチョメは、こんなにも成長できたんでしょう。
「フハハハハハハッ。キャンチョメ!!!怖がることなんてないぞ!!お前の隣には、誰がいる!!?ガッシュがいなくても!!ティオがいなくても!!術がとられても!!本がなかろうとも、関係ない!!!お前には!!!キャンチョメの無敵のパートナー!!パ~ルコ・フォルゴレ様がついてるんだぜ!!!」(byパルコ・フォルゴレ)