三宅秀道のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
いうなれば、日本人の、日本人による、日本人のためのイノベーション指南書。著者が数多くの経営の現場に密着して行った豊富な事例研究と、社会学や文化人類学など学際的な人脈との交流から得た考察をもとに導き出した新たなイノベーション論に加え、その実践にあたって企業が越えなければならない構造的な問題と対処策を明らかにした一冊。
著者は、企業が既存の商品・サービスの改良やコスト改善といった不毛な競争を避け、新たな市場(=文化やライフスタイル)を創造するためには、技術開発よりもむしろ、その前段階にある「問題開発」が重要であり、人々がまだ気づいていない新たな幸せや価値の“機会損失”をもたらしている「問題」を「 -
Posted by ブクログ
タイトルからして直観的に面白そうだと思い、購入。
全体的に商品開発や企画に関する内容であり、メーカーに勤めている人にとっては非常に面白く感じられる話になっている。
印象的だったのは、新市場をつくりだすのに必要なのは技術よりも、文化だということ。提供する商品やサービスによッテ。どんな社会をつくりたいか、どんなライフスタイルをつくりたいのかまで考えることの大切さ。
思いがちなのは新技術が先にあって、その技術が時代をリードするという先入観。でも実はそうではないということ。
新市場ができるためには、まず新文化の開発が必要。新しい文化があってはじめて、新しいモノやサービスが必要とされ、新市場が創造され -
Posted by ブクログ
日本全体が成熟市場になっている中、新しい市場を創造することはどの業界でも重要なことになっています。この本の著者である三宅氏の本は今回初めて読みましたが、中小企業診断士の勉強をした私にとってはとても興味の惹かれる内容でした。
中小企業の社長との会話を含めて、現場での時間をかなり費やした綿密な調査の集大成をこの本を読むことで追体験でき嬉しく思いました。
これからの時代はかつての大量生産時代や欧米という参考にできる目標がないため、工夫を重ねて新しい市場を創造する必要があります。これは頭を使う作業ですが、今まで大企業にのみ有利であった状況から、「ヒト・モノ・カネ」がない中小企業にもチャンスがあるこ -
Posted by ブクログ
ネタバレ某対談記事で作者のお話がとても面白くて読んでみた。
長かった。タイトルほど硬い本でもなく、読みやすいのだけど、やはり興味がない分野で、自分の仕事にも直接生きるわけでもないからかな。
でもドキリとする箇所がいろいろあって、読んで良かった。日常の目線か変わるかも。
水泳帽の話と前世のカルマと考えて介護医療用品の改革が遅れるという話が面白かった。
市場が創造されるのは、生活をこんなふうに変化させたいという文化の話。
市場で流通するどんな商品も、それは誰かの幸せを実現するということが前提。
商品の価値ルーツを真っ向から考えようとすると、どうしても話が宗教論に似通ってきます。何に価値を認めるか、と