藤本義一のレビュー一覧
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購入済み
原作が藤本義一
原作が藤本義一なのでかなり書き込み 伏線めいたものがしっかり有り、とても読み応えがある。絵柄は劇画風で時代を感じさせるが、ヒロインの妖艶な悪女ぶりと大変によくマッチしている。やり取りされる金額や小道具類がとても時代を感じさせるが、それなりに読み応えがある。
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Posted by ブクログ
藤本義一が亡くなった後、直木賞作品を含めた4編が文庫化されていたようです。
「鬼の詩」
大阪の落語家、桂馬喬(モデル桂米喬)の執念とも思えるグロテスクな芸を突き詰める生涯を。
「贋芸人抄」
師匠の後を追う漫才師
「下座地獄」三味線の天才。漫才の相方にとその才能を認められるも、コンビを切られた後、下座に落ち、芸と共に身も崩す。
「生きいそぎの記」
映画監督川島雄三に 脚本助手としてその後脚本家として映画制作に関わっていた頃の経験。かなり破天荒型の監督を支えていたようだ。川島さんは、筋萎縮性側索硬化症に侵されながら、「重喜劇」と呼ばれる作品を発表し続けた。心酔しながらも、その生き方に恐れを感じ -
Posted by ブクログ
市原悦子さん主演でドラマ化された「女橋」(再放送)が壮絶すぎて、あの藤本義一さんがどんなお話を書かれるのか気になり…
「鬼の詩」は直木賞受賞作品なのだが、まぁ凄絶。桂馬喬という落語家の生涯を描いたもので、「なんの面白みもない陰気な常識人」であったが、異常なまでの愛と執着をもって芸風を改める。が、最愛の妻に早逝され、孤独の中その狂気は膨れ上がり、それがまた芸に…この狂気の笑い、ぞっとする。(二代目米喬という実在したモデルがいるようです)
映画監督 川島雄三を描いた「生きいそぎの記」、師匠の代わりとして演じるうちに精神的に追い込まれていく芸人とその妻を描く「贋芸人抄」、下座の三味線弾きが惚れた