姜尚美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
京都で5年間暮らした私であるが、”京都の中華”と言われても正直ぴんと来なかった。それがこの本を読むと、京都の食文化の中で独自の変異を遂げた京都の中華がいかに豊饒なものであるかがわかり、今、とてつもなく京都に行きたくなっている自分がいる。
濃い味付けを好まず、過度な匂いがする調味料・食材なども好まれないという京都人の嗜好性の中で、京都の中華は和食の要素すら感じさせるような独特の味付け・調理法になっていったという。本書では、そうした京都の中華を代表する名店の数々の紹介や、京都の中華料理の発展の歴史などをたどっていく。
そして非常に価値があるのは、日本を代表する和食の名店、京都の菊乃井を率いる料