鈴木範久のレビュー一覧

  • 代表的日本人

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    著者内村氏が、自身が諸外国に対し、日本人の代表として紹介したい人物を記した本。

    前情報なしに読んで、タイトルだけ見て、所謂日本人らしい日本人を書いた本かな、と思っていたので、想像とだいぶ違ったが面白かった。

    小学校で下手な道徳の授業を行うより、この本を読ませる方がよっぽどいいのではないかと思える。

    また、人の上に立つ立場の人間にこそ読んでもらいたい本であると感じる。

    このように世界に誇れる誇れる日本人を紹介しようと思うと、誰を選べるだろうか。

    ただ、最後の日蓮だけ毛色が違ったような気がするし、なんとなくもやっとする。

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    2021年08月01日
  • 代表的日本人

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    英文1894年M27刊行1908年M41改番日本訳版。
    札幌農学校第二期生キリスト教に改宗著者が西洋から野蛮で無知との日本への偏見を覆す為に選んだ5人の賢者
    西郷隆盛(薩摩藩革命家)上杉鷹山(封建領主藩政改革者)
    二宮尊徳(小田原藩農業指導者)中江藤樹(西近江陽明学者)
    日蓮上人(安房小湊村法華経開祖)自らの損得ではなく人々の幸せを願い何度も挫折しながらも清貧で愚直に与えられた使命を全うする生き方はプロテスタントの教えと
    一致するのかも。

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    2021年07月09日
  • 代表的日本人

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    偉人たちは軸を持って生きている。
    それぞれの軸。
    自分に近い軸を見つけて、それを育てるヒントにしたい。

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    2021年05月21日
  • 代表的日本人

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    ちょいトンデモ本だけど、上杉や中江はあまり知識なく勉強になった。すげーな 徳がすべて そのためには良い事を行い続ける…

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    2021年05月01日
  • 代表的日本人

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    ついこのあいだ鈴木大拙の『禅と日本文化』も読んだ。こちらも、日本人が日本のことを紹介するために外国語で書いた書物を日本語訳したものである。
    江戸時代から戦前あたりまで連綿と続いてきた、いわゆる日本的な文化の底流にある精神に接するにあたって、戦後生まれのわれわれにとってはむしろこのようなアプローチからの方がすんなり入ってくるような気がしないでもない。

    この書物が外国の知識人に与えた影響は少なくないのではないかと思う。J.F.ケネディが上杉鷹山を尊敬していたというエピソードは有名だが、おそらくこの本を呼んでいたのではないか。

    それにしても、内村鑑三は熱血漢だったのだろうか。文章からその心意気が

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    2020年03月14日
  • 代表的日本人

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    既に知っている人物、あまり知らなかった人物それぞれいますが、いずれも同じ日本人として誇りに思う人物像で描かれていた。今の世の中でこのように世界に誇れる人っているかな?と考えてしまった。上杉鷹山は本書をきっかけに、深堀したいと思った。

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    2020年03月04日
  • 代表的日本人

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    欧米化の進む明治時代。西洋一辺倒ではなく、我が国にも世界に誇るべき精神性がある、と堂々と英語で世界に向けて発信された本書。”日本代表”に選ばれた5人の人物像を、生き生きと表現。まるで、内村自身が耳元でナレーションをしているかのような錯覚を受けるほど、感情が入っている文体。感銘を受ける。

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    2020年01月25日
  • 道をひらく 内村鑑三のことば

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    内村鑑三について知れば知るほど、引き込まれる。
    新渡戸稲造と同期だった内村。彼は主席の座を一度も明け渡すことはなかったほどの頭脳の持ち主。

    でも、頭脳明晰それだけではない。彼が後世に与えた影響は計り知れなくて、何がそれほどまでに人を引きつけるのだろう。

      三年経し 心の傷は癒えやらで
      花咲く毎に 痛みつるかな

    これは内村鑑三が「不敬事件」の後、亡くなった前妻を想って詠んだ歌で、1899年に詠んだもののよう。不敬事件から35年。

    厳しくて、でもユーモアがあって、愛の人だったと言われるけれど、同時に、哀しみを知る人だった。そんな人となりと、その信仰を、この本を通して再認識できた。

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    2019年08月26日
  • 文語訳聖書を読む ──名句と用例

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    信仰の書としてではなく文学作品として聖書をとりあげる。文語訳はその簡潔さとリズムのよさで、日本の言語文化に寄与してきた。中国語訳も経緯しているから漢文調で格調も高く、まるでことわざや故事成語のようだったりもするよね。『風立ちぬ』では「たとひわれ死のかげの谷をあゆむとも禍害をおそれじ」がひかれ、流全次郎も「一粒の麦、地に落ちて死なずば、ただ一粒にてあらん。もし死なば、多くの果を結ぶべし」と決意を語っていたよね。
    だけど文語調の日本語はずっと残っていけるのかなぁ。岩波文庫から文語訳の旧約聖書が出た時、飛びついた身としては、いつまでも残ってもらいたいけど。

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    2019年03月29日
  • 代表的日本人

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    史実とどこまで正確かわからないが、志を高く持とうと思わせてくれる1冊だ。上杉鷹山と二宮尊徳は名前くらいしか知らなかったが、同じ日本人として誇らしく思う。彼らが現代に生きていたら、何を思い、何をしただろうと想像してみたくなる。とくに、「暴走する資本主義」を読んだ後なので。

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    2021年08月08日
  • 余はいかにしてキリスト信徒となりしか

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    札幌農学校で「少年よ、大志を抱け」の人が作った契約書にほぼ無理やりサインさせられて入信。その後どっぷりハマって家族全員を改宗させ、本場に行かねばとアメリカに渡って現実を見て激憤、自分だけはストイックに信仰を追求していく、という波乱のドラマ。
    まったく異質のもの(異教・異国)に浸かることで初めて自分(たち)とは何かを考える「自分探し」の記録。
    本書には出てこない「不敬事件」とあわせ、本当に人生をかけて自分とカミとイエスとの関係性を真剣に追い求めた人なんだろうなあ、と。真っ直ぐすぎて理解者少ないだろうけど。

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    2018年02月24日
  • 代表的日本人

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     内村鑑三が西洋人に向けて、過去の偉人たちを紹介する本。新渡戸稲造『武士道』、岡倉天心『茶の本』と同様に、英語で日本の文化を伝えた本であり、この本で紹介される人物は一般的に人格者と言われる人たちである。また、西洋の人たちに伝えるという意図もあってか、いずれの人物の説明においても、キリスト教と関連させて説明する。そうすることで、日本人にもキリスト教徒にも負けないくらい、倫理的に立派な人物が、日本にもいたことを知らしめようとした。

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    2024年03月04日
  • 代表的日本人

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    うろ覚えだが…ケネディ大統領が尊敬する日本人は誰か、と聞かれて「上杉鷹山です」と答えた、というエピソードがあったらしい。

    …上杉鷹山って誰だ?そんなマイナーな人をよく知っているもんだ、さすが大統領は違うと、日本人記者は感心したという。おそらく、ケネディさんはこの本を読んだのだろう。この本は元々内村鑑三が英語で書いた本だからだ。

    もっとも、日本人である私にも理解できない部分があり、時代的な差異を感じる。もしかしたら、これを読んだ外国人の方の経験を追体験できたのかもしれない。

    この本で紹介されているのは、先の上杉鷹山のほか、西郷隆盛、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮上人の5名。それぞれのエピソードが

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    2023年01月30日
  • 余はいかにしてキリスト信徒となりしか

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    ネタバレ

    いかにして、ちということで、なぜキリスト教徒になったかを書いているものではない。著者は日記をつける習慣があり、本書は、その日記をもとに、そのとき考えていたことを振り返りながら、著者がいかにしてキリスト教徒になっていったかを現実の生活とともに書いてある。
    内村は武士階級で育ってきたため、当初は神道や朱子学に重点をおいて育ったが、それがキリスト教に帰依した成り行きと、信徒になってからの行動、思想などに触れられる。

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    2020年11月15日
  • 代表的日本人

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    日本人の生活信条の中には,キリスト教に匹敵するものがあるというモチーフが透ける。
    内村は,キリスト教を一度解体し,日本的キリスト教を作って,非武装的に本を作りたかった。日本人の魂の開放を本気で信じ,実行した人。
    特に中江藤樹の冒頭の「君子たれ」という教育は,西洋の教育ひ引けを取らぬという論説が良い。イギリスの一部名門パブリックスクールと同等の教育が伝統的に日本で行われていたと解釈できるのではないか。

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    2020年05月28日
  • 文語訳 旧約聖書 III 諸書

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    ただ一人の神とその愛を信じるのは、カオスに満ちた世の中で、木の葉よりも小さい存在としか思えない自分に、ちゃんと価値があると信じたいからだ。
    多神教でも一神教でも、根幹にあるものは同じ。理解しがたい世界になんとか説明を付けたい。自分たちと世界との間の共通点を探りたい。生きていくために。

    全部の漢字に仮名が振ってあって、かえって読みづらい。日本語学習者や子どもには良いのかもね。

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    2018年02月04日
  • 代表的日本人

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    西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮上人の5人について、内村鑑三が書いた伝記的読み物。この本は、新渡戸稲造の「武士道」と同じように、英文で書かれたもので、それが和訳されて逆輸入されたような形になる。
    この本が出版されたのは、今からちょうど100年前の1908年。こういう、日本のことを世界に伝える本の需要があったのは、日清戦争、日露戦争が終わった直後で、世界の注目が日本に集まっていた時期だったからだろうと思う。
    もし、自分が100年前に生きていて、外国人から「日本というのはどういう国なんだ?」と尋ねられたら、この本をプレゼントしていたかもしれない。

    内村鑑三は、「私の貴ぶものは二つのJ

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    2020年07月15日