齋藤忠夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
☆☆☆2017年1月☆☆☆
科学的な視点からチーズを分析。かといって難しすぎない。
勉強になったこと
1、チーズの原料乳は殺菌しているのが当たり前だと思っていたが、一部のヨーロッパ産では無殺菌乳を使っている。
2、米国にはジャージー牛だけで3000頭も飼育している牧場がある。(カリフォルニア)ヒルマー社というチーズ会社の委託を受けて、おいしいチーズつくりに生かされている。ジャージー牛は高カゼイン。
3、乳酸菌「スターター」。小規模の酪農家やチーズ工房は専門のスターターメーカーから買っている。スタータメーカーはたくさんの乳酸菌を集めたライブラリーを保有している。
4、セミハードチーズとハードチーズの違いは、硬さではなく、加熱処理(45℃)をするかしないか。
5、日本の大手乳業会社のチーズ製造では一般的に、ニュージーランド産の子牛レンネットを、クリスチャン・ハンセン社などから購入して使用している。ただし現在では天然ものを使っているのは日本、韓国、オランダぐらいの少数派。
6、青カビ系チーズで有名なロックフォールは長さ2km、幅と深さ300mにも及ぶ、世界最大のチーズ熟成庫で熟成。古い歴史をもつ洞窟、PODでは、この洞窟で熟成しないと「ロックフォール」を名乗れないと定められている。
☆☆☆2021年1月☆☆☆
4年ぶりの再読。4年前から仕事の内容が変わったこともあって、より科学的な視点で読めた。
アミノ酸の特性がチーズに与える影響の大きさを知った。
グルタミン酸は、単独では苦みがあるが塩と結合しグルタミン酸ナトリウムになることでうま味が増す、等。
「架橋」という言葉は、添加物の世界でよく目にするが、これは分子と分子をつなぐ役割があると解釈してよいかと思われる。
凝乳の分野では、凝乳酵素のレンネットは次第に入手困難になっており、世界的な主流は発酵生産キモシンであることを知った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレチーズとは、一体何ぞや?チーズは、何故に美味しいのか?ということを、真正面から科学的に考察しまくった一冊でした。もう、バチバチに理系ですね。化学式とか、元素記号とか、理論とか、そこらへんがガンガンに登場しますです。
あまりにチーズが好きすぎて、トコトンまでその存在を探求したい!という点から、チーズを語るのは、凄いなあ、と思いましたね。物事をしっかりと知る、という知的探求の素敵さを、感じることのできる一冊でした。
この本の中に開設されている様々な事柄は、学問的ではあるものの、詰まる所は、「チーズが好きなんだ!」という一言が、根本にあるんだろうなあ、そう思うと、何かを好きになるということの大切さを痛感するのですよね。おもしろいなあ。
チーズではないのですが、音楽に例えても、自分の好きなロックンロールバンドが、何故にその存在が好きなのか?ということを、しっかり追及して説明できるようになりたいものだな、とか、そんな事を思った次第です。
そして、どかどかと美味しいチーズを、今後も食べていきたいものですね。個人的には、カマンベールチーズが大好きなのですが、今後は、カマンベールチーズを食べる度に、この本の素敵さを思い返すんだろうなあ、とかね、思ったのです。 -
Posted by ブクログ
世界で愛されるチーズについて科学的に語りかつチーズは凄い力と機能性を秘めた人が生み出した産物と記す良書である。
私たちにとってもチーズは多くの食品に含まれていたり、乳酸菌や酵素等もチーズとは関連が無くても日本食を彩る豊かさを支える重要な食品の一つである。
日本においては、チーズらしきものが7世紀頃にあったようだ。本格的に日本で周知されたのは所謂、西洋型は明治以降に盛んに導入と融合と研究がされている。現代(2026)においてもチーズ研究は、「何がうまさを作るのか」を分子レベルで解明しながら、同時に「どうすればもっとおいしく、安定的に、環境負荷を下げて作れるか」を追っている段階であり、歴史が今もこの進められている。
私たちが何気なく口にしているチーズという正体を知り、歴史が深く、古今東西でチーズは大昔から研究され愛されていたという事実を知る切っ掛けにもなる教養として良書であるといえよう。