春坂 咲月のレビュー一覧
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ネタバレ第6回アガサ・クリスティー賞優秀賞受賞作。
和服(着物)と主人公・八重の過去に纏わる謎解き。日常の謎の連作短編ミステリー。
ハヤカワ文庫かつアガサ・クリスティー賞優秀賞受賞作となると、お堅い小説を想像したけれど、書影から受ける印象通りの作品でした。(ライト文芸にあたるのでしょうか?)
最初の2話は着物(和装)に関わる謎解き。3話目から主人公・八重の過去の謎に踏み込んでいく展開で、この辺りからページをめくる手が止まらなくなりました。
琥珀さんのキャラクター、最初に思っていたものから、どんどんズレていった気がします。割とさらっとした性格かと思ってましたが、一途というか…。
着物に関する蘊蓄 -
Posted by ブクログ
笛の教室に通う女子高生で主人公「八重」と、ふとしたきっかけで出会う仕立て屋の「琥珀」が着物にまつわる事件に挑んでいくお話です。
前半は日常で起こる事件を解決に導いていく流れとなっており、着物や花にまつわる事柄が多く出てきて面白かったです。特に花が持つ旧来の「意味」に関しては興味深く、色んな花について調べたくなりました。
後半は主人公の八重を取り巻く謎に挑んでいくのですが、こちらも先が気になるよう展開でハラハラしながら読むことができました。ただ、前半の展開がゆっくりしているので中だるみしてしまう可能性有りです。
また、季節の描写が細かく描かれており、メイン舞台も仙台ということもありちょっと -
Posted by ブクログ
ネタバレ最初の方は、中断しつつ読んでいたが、中盤からは一気に読み進めた。
着物について全く無知なので、模様など検索しつつ、楽しみました。
ミステリ小説は往々にして気分の悪くなる犯罪が描かれるが、辻が花の古裂が、犯罪を犯してまで手に入れたいものなのかと思ったらちょっと気分が悪くなった。
主人公が琥珀さんを好きになる描写や、琥珀の「人魚姫かと思ったら自分が人魚」という点はややわかりづらかったけど、主人公も琥珀もしっかりキャラクターが描かれているし、歌にちなんだ謎解きも興味深い。続編を書く従ってきっとさらに読みやすく面白くなると期待。
巻末のアガサ・クリスティー賞選評も面白く読んだ。