山田桂一郎のレビュー一覧
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第一部は山田桂一郎が、地方・地域を活性化していくためにその魅力をどのように発信していくか、についてツェルマットの事例を出して説明している。観光だけ、イベントだけに頼るやり方ではなく、地域全体で取組む姿勢の重要性を説いている。これはこれでとても面白く、単なる地方創生の成功事例紹介というものではない。
第二部は藻谷浩介との対談。こちらは日本でうまくいかなかった事例の原因のうち、特に日本特有と思われるものについて、会社員の愚痴っぽく語るのがすごくわかり易く入ってくる。観光事業について日本には資源はあるのにまだまだ活用できていないことがよく分かる。これを心配しながらも将来の伸びしろとして期待し、引き続 -
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最近、大阪と熊野を行き来して地方創生にも興味が出てきて、そこで著者の山田桂一郎さんの講演を聞いたことがきっかけで読むことにした。
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「地方創生のキーは観光だ」
海外旅行客が増加してきている今、インバウンドを利用した外貨獲得戦略として各自治体が観光に力を入れている。
しかし、その力の入れ方が上手ではない所が多い。
山田さんは三重県津市の出身で、現在はマッターホルンの麓スイス・ツェルマットに住みながら世界各地で観光のコンサルティングを行なっている。
様々な成功事例・失敗事例を見てきた彼ならではの考えが散りばめられていた。
多くの地域の問題点としていくつかあげら -
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内容ですが、
1 観光立国のあるべき姿 山田桂一郎
第1章 ロールモデルとしての観光立国スイス
第2章 地域全体の価値向上を目指せ
第3章 観光地を再生する――弟子屈町、飛騨市古川、
富山県の実例から
第4章 観光地再生の処方箋
Ⅱ 「観光立国」の裏側 藻谷浩介×山田桂一郎
第5章 エゴと利害が地域をダメニする
第6章 「本当の金持ち」は日本に来られない
第6章 「おもてなし」は日本人の都合の押しつけである
観光でしか地域で雇用が発生しないというスイスで観光業だけでなく地域全体の産業も巻き込み、持続可能な観光を巻き込んだ地域産業づくりの実践の紹介。
そして、お二人 -
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この『観光立国の正体』で語られている内容の多くは、正しく「実は“判らない”ことを誰かが声を大にして言っていて、“仰せのとおり”とそれを進めようとしている人達も大勢居るが、考えれば考える程に“見当違い”で、一体どういう“程度”なのか?」というように要約してしまって差し支えが無い話題だと思う。
こういう内容…広く読まれるべきだと思う…が…何となく思ったのは、共著者の一人が観光庁か何かの指定する“カリスマ”とやらになっているから、本書は世に出ることが「叶った」のではないかということだ…こういう「公的な何か」が付けられているでもなければ、「知る人ぞ知る、何やらユニークな活動を続け、独自の識見を有する人 -
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ネタバレやらなきゃならないことはかなりはっきりしているんだけどどうやったらできるのかがわからなくてうんうんいう、という感じ。
竹富島のポイントカード・ファンクラブは離島だからできる部分がある。顧客のデータ、オープンビッグデータの使用は多少のセンスが必要かなあ。和倉温泉の一旅館だけという話はよく分かる気がする。直販の時に旅館組合って使えるのかなあ。個人単位でやるほうがまだありそうな。
スイートルームの数が足りない話、2020使って何とかするのか。サービスが問題になりそう。日本の私鉄JR共有パス問題は長期戦かな。
ガイドになるのかなあ。うーん。 -
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氷見の寒ブリ、越前ガニ、秋田へしょっつる鍋とか、旬のもの食べに行くぞ!
というのがこの冬の旅のテーマだった。
なぜ、わざわざ遠くまで行って、それを食べに行こうと思うのか。
地元食材がブランディングされているからだ。
その努力を地元がしているからだ。
一方、廃れる観光地というのは、人が来ない。
もっと宣伝が足りないからだ、うちには見所がないからだ、とプロモーションに頼ろうとして努力することをしない。
そういった古いマインドがこびりついている。
日本の観光にはビジョンがなく、戦略がない。
せっかく頑張っていても地元政治の影響が大きくてやる気をなくしてしまう。
東京、京 -
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僕はかつては「観光立国なんて胡散臭い」と思っていた。しかし、藻谷氏の『デフレの正体』を読み、「人口減少で内需が縮小する日本においては、訪日外国人をいかに増やすかが重要」ということを知った。
そのうえで、『観光立国の正体』。
この本では、観光産業は単なるサービス業でなく、地域全体の「総合力」が問われる産業なのだと知った。
・資本や経営だけでなく、多少コストが高くついても必要な資材はできるだけ地元で調達し、住民がいお互いに支えあう。
↑こういう考えはとても大事だと思った。「少しでも安く」という考えしか頭になく、例えば外部から安い食材を仕入れているようでは、地域が潤う観光業にはならない。
また、 -
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<目次>
はじめに 観光業界の「ルパン」
(1)観光立国のあるべき姿 (山田桂一郎)
第1章 ロールモデルとしての観光立国のスイス
第2章 地域全体の価値向上を目指せ
第3章 観光地を再生する~弟子屈町、飛騨市古川、富山県の実例から
第4章 観光地再生の処方箋
(2)「観光立国」の裏側(対談:藻谷浩介×山田桂一郎)
第5章 エゴと利害が地域をダメにする
第6章 「本当の金持ち」は日本に来られない
第7章 「おもてなし」は日本人の都合の押し付けである
おわりに
<内容>
経済が縮小していきつつあるなか、「観光立国」を謳う日本だが、どうもうまくいっていないようだ。「里山資本主義」 -
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本書が述べたいことは、大きく2点。
①各地域はマーケットインの発想で観光施策を立案、実行せよ。決してプロダクトアウトでは考えるな。
②その際の実行部隊は、①を実行することができる新しい観光推進団体が良い。地域の古参のメンバーが跋扈する組織では難しい。
山田氏は、スイス在住でスイスの観光施策に詳しく、地域ボトムアップ型の施策を進められている現状を紹介しつつ、そうした方法を日本にも根付かせていくため、各地で実践している。スイスでは、地理的な制約が大きいこと、歴史的な背景が根深いことから、地域ボトムアップ型がうまくいってるとのこと。日本でも可能だと考え、現在各地で観光アドバイザーをしている。藻谷さ