伊澤雅子のレビュー一覧
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最近我が家の近所では、TNR(捕まえて、避妊手術して、元の場所に戻す)活動が進んでいて、ノラちゃんは減少傾向にあるのだが、時折庭を通り過ぎ、うちのネコを激怒させるノラちゃん達の行動範囲が気になっていた。
まさに、その疑問に答えてくれる本!
著者の伊澤雅子さんは、琉球大学教授(この本を書いた時点では助教)で、ネコ科、主にイリオモテヤマネコの研究をされているそうだ(この春、最終講義を予定されていたがコロナの為に延期になっている)。
そんなネコ研究家伊澤さんの、ノラネコ追跡絵本。
伊澤さんの近所を縄張りとする白黒ブチ、ナオスケ(もちろん伊澤さんがそう呼んでるだけ)を朝から翌朝まで、野宿までして本 -
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イリオモテヤマネコの研究者、伊澤雅子さんの科学絵本。
ノラネコの観察ってできそうで、案外難しい。野宿覚悟で一日ノラネコに気づかれないように、追いかける、その学者魂というよりは猫愛に感動。
人間は人のうちや庭には入れないから、ノラネコを追うのは難しいし、猫はよく寝る生き物だから、寝てる間は待っていなくてはいけないが、いつ動き出すかわからないので、一緒に寝て待ってると見失ってしまう。
人家があっても多すぎず、適度に自然もあって、車の通りの少ないこういう町は猫には一番住みやすいだろうな。
出てくる人も猫もゆったりとして幸せそうだ。
都会もこれくらい余裕のある暮らし方ができればと思うが、実際無理なので -
Posted by ブクログ
ネコの一日を観察したもの。自由研究などでやってみるとおもしろいと思う。少なくとも、私は小学生のとき、経験があり、以来、ネコやカラス、動物たちの気持ちがわかるようになってきた。ネコの距離間は、これまでの進化の過程で、本能として遺伝子により獲得してきたものだろうが、人間も学ぶべきところがたくさんある。お互いにネコ社会のルールがしっかりとあり、ほどよい距離を保ちつつ、共存している。そこが面白く、人間はプラスアルファの幸せを求めるからこそ、不幸になるのだなあと思う。地球で生きるということは、どんな場合でも、すべての点で満足しようと望んではいけないのだと思う。ぜひじっくりと、こどもたちの手へ届けたい一冊
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Posted by ブクログ
かのこちゃん(万城目学『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』)が大きくなったら、こんな研究者になっているのかもしれない―。
そんな想像もして、ちょっと楽しくなった一冊。
著者伊澤さんは、ネコ科を専門とする動物学者。
地域の猫、ナオスケ(白黒ぶち猫、オス)の一日の追跡記録である。
たぶん、伊澤さん自身にも関わりの深い町なのだろうけれど、深夜まで張り込み貫徹とは、さすが研究者。
深夜のお散歩を終えたナオスケが寝てしまえば、伊澤さんもその場にとどまり、寝てしまうのだ。
(本業?のイリオモテヤマネコのフィールドワークからすれば、まだ楽な現場なのかもしれない。)
野良猫同士がすれ違う流儀、それでも鉢合わせて