伊澤雅子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
かのこちゃん(万城目学『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』)が大きくなったら、こんな研究者になっているのかもしれない―。
そんな想像もして、ちょっと楽しくなった一冊。
著者伊澤さんは、ネコ科を専門とする動物学者。
地域の猫、ナオスケ(白黒ぶち猫、オス)の一日の追跡記録である。
たぶん、伊澤さん自身にも関わりの深い町なのだろうけれど、深夜まで張り込み貫徹とは、さすが研究者。
深夜のお散歩を終えたナオスケが寝てしまえば、伊澤さんもその場にとどまり、寝てしまうのだ。
(本業?のイリオモテヤマネコのフィールドワークからすれば、まだ楽な現場なのかもしれない。)
野良猫同士がすれ違う流儀、それでも鉢合わせてしまったときはどうなるか、などが臨場感たっぷりに伝えられる。
猫の動きを、漫画のコマ割りのように配置した画面も、絵本という静止メディアの制約を超えて、生き生きと伝えている。
それは、猫をリアルに描きつつも、きっと愛情をこめて描いた画家平出さんの功績なのかも。 -
Posted by ブクログ
よく見かけるノラネコの1日の行動を、大学教授の作者が、根気強く気合いと好奇心で追いかけて記した意欲作。ありそうでなかった本。そして、何となく想像することで知っている気になっていたけれど、実はちゃんとは知らなかったことを、丁寧なフィールドワークを元に教えてくれています。
今、うちにいる猫も、家の周りをうろついていたノラちゃんです。近所のゴミ袋から食べ物の匂いがついたティッシュペーパーを咥えて来て、食べようとしていたのを見て、そんなの食べたらダメよ!と、つい、亡き愛猫にお供えしていた猫缶と引き換えにティッシュを取り上げたのがファーストコンタクトでした。それを期に軽く居つくようになってしまい…厳しい冬になるという情報を耳にし、居ても立っても居られなくなり、飼い猫となりました。
うちの子になって2年以上経っても、以前いた亡き愛猫のトト(この子も事故にあって動けなくなっていた元ノラちゃん)のように懐かず、脱走も数回し、もう自由にして欲しいのかな?と思ったり、この子はどんなノラ生活をしていたんだろう?と想像していました。
この絵本に書かれてあるような気ままで自由なノラちゃんの生活を、比較的安全に送っていたのなら、本人はノラちゃんのままの方が幸せだったのかもしれません。
ノラネコの生活を実際にきちんと知ることができる、貴重な一冊でした。