丸山健二のレビュー一覧

  • 夏の流れ 丸山健二初期作品集

    Posted by ブクログ

    日本文学史上の最高傑作の一つだと思う。
    無駄の無い削ぎ落とされた文章。看守の息遣いが聞こえてきそうな臨場感。

    ただただ、圧倒されるばかり。

    0
    2017年07月05日
  • 生きることは闘うことだ

    Posted by ブクログ

    あえて読ませようと、ツイッターと同じ制限文字数で、刺さる言葉をどんどん投げかけてくる本。

    闘わないで生きるなんてもったいない。

    0
    2017年07月01日
  • まだ見ぬ書き手へ

    Posted by ブクログ

    なんとなく、この本って男性を対象に書いている気がするんだよね……。そこら辺が鼻につくっていやぁ、つく。

    0
    2015年09月24日
  • 夏の流れ 丸山健二初期作品集

    Posted by ブクログ

     徹底的に無駄を排除し、最低限の言葉で世の中を俯瞰し、適切なテンポの会話で、最後には読者に「どう思う?」と投げかけられているように感じる。
     これほどまでにシンプルなのに、なぜ複雑な思いを抱かされるのか、これこそ、この作品の持つ大きな力なのだろう。

    0
    2013年07月21日
  • 夏の流れ 丸山健二初期作品集

    Posted by ブクログ

    中学生の時に読んだ本。 間違いなくお勧め。

    もちろん題名になっている「夏の流れ」は面白い。刑務官という職を見事に描いている。死刑制度の論争などをする際には一度読んでみると視点を変えて問題に取り組めるかもしれない。

    他の短編も面白い。ぜひ読んでください。

    0
    2011年01月03日
  • まだ見ぬ書き手へ

    Posted by ブクログ

    「書き手」を目指す人はもちろん、またそうでない「何か」を目指す人にも通ずるものがある・・・
    と言いたいところだが、この書は「書き手」以外の何者でもない著者からの「まだ見ぬ書き手へ」の指南書であるだろう。

    0
    2010年03月05日
  • まだ見ぬ書き手へ

    Posted by ブクログ

    熱い。自分がまだ見ぬ作家だと勘違いしてしまうほど。全てを捨てて一度作家業に没頭するとは、与沢翼のぶち抜く力と似てる。没頭してただ先ずは書く。それを続ける。

    0
    2019年06月11日
  • 夏の流れ 丸山健二初期作品集

    Posted by ブクログ

    自分が思い描く理想があったとして、それは現実と地続きな平面の先にあるはずだ。しかし、道は曲がりくねり一方通行となり行き止まりとなる。引き返し、振り返れば、最初の理想はすでに形を変え、遠い追憶の彼方だ。形を変えた理想は今の現実に干渉し、奇形の理想を最初の理想と同一視する錯覚に陥らせる。折り合いをつけられれば幸せ。つけられなければ世界から疎外される。それを従属というのは悲しすぎるけれど、いっそ破滅というのはあまりに文学的すぎる。
    「夏の流れ」が23歳で書かれたというのは驚愕に値する。芥川賞受賞はどうでもよいが、23歳でなぜこのディテールが描けるのか?いったいどういう天才なのか。死と生の交わる中、己

    0
    2017年08月21日
  • 夏の流れ 丸山健二初期作品集

    Posted by ブクログ

    著者の長編をいくつか読んでから、初めて目を通した初期の短編集。

    なんとも平凡な感想だけど、すごい。すごい!

    圧倒的な語彙の多さで、難しくゴテゴテに鎧われているのが今の丸山健二で、それはそれでやっぱり「すごい!」なのだけど、その人はかつて、こんなにも端正でシャープな(文章を書く)若者であったのかと、むき出しのセンスと才能に驚愕した。無駄のない静謐な文で描き出される人間たちは、どこか痛々しく胸が締め付けられる。

    23歳でこんなに完成してしまったら、そりゃあ極端な方向に向かって進化するしかないだろうと。

    0
    2016年08月02日
  • 夏の流れ 丸山健二初期作品集

    Posted by ブクログ

    日本中の生命が最も盛んに燃ゆる夏。しかし囚人は死刑となる。一つの生命が人の手によって断ち切られる。執行日の夏の大雨が死刑囚の絞首台での死を流していく。翌日は看守たちは特別休暇。海辺で遊ぶ看守の穏やかな家族の日常も変わらず流れていく。生も死も夏の流れとなって海へを静かにそそぐのだ。直接の感情の表現は最小限に抑えられ、自然の描写と人間の仕草で綴ることで深い人間心理を読み取らせる小説である。硬質で静かな文章は涼しくて心地よい。

    0
    2015年03月22日
  • まだ見ぬ書き手へ

    Posted by ブクログ

    ストイック!!
    孤独と戦いながら書き続ける。
    いいね〜
    世の中には『まだ見ぬ書き手』への
    あらゆる本がでてるけど
    この1冊で事足りると思う。

    0
    2011年12月07日
  • 生きることは闘うことだ

    Posted by ブクログ

     タイトルは大仰でストレート。でもこれが丸山健二だ。
     「社会」や「国家」、「家族」そして「孤独」について、4行のツイートを重ねていく。かつての「千日の瑠璃」のような独特の文章スタイルで強烈なメッセージが繰り出され、刺激を受ける。ただ、受取る感覚にわずかなずれが感じられるのは、自身の変化か、著者の変化か明らかではない。

    0
    2021年06月05日
  • 夏の流れ 丸山健二初期作品集

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    先週読んだ山口果林著「安部公房とわたし」に、
    他人の作品を滅多に褒めない安部が珍しく感動し、
    わざわざ出版社から著者自宅の電話番号を聞いて
    賞賛の電話をしたところ、
    丸山健二から「誰ですか、あなた?」と言われて気分を害した、
    と書いてあったので、“孤高の作家”丸山健二を読んでみることに。

    丸山健二っていうと、映画にもなった「ときめきに死す」が有名だけど・・・

    1966年に芥川賞を取った「夏の流れ」。
    80数ページの短編というか、中編というか。
    刑務官の話で、主人公を含めた中堅刑務官2人と、若手刑務官との話。
    若手刑務官は、まだ死刑囚を死刑台に送ったことがない。
    初めてそうする場面での、主人

    0
    2021年03月15日
  • 夏の流れ 丸山健二初期作品集

    Posted by ブクログ

    自然のなかでのできごとや、釣りや猟など自然と対する内容の作品が多いのに、海や川に瓶やモノを投げ捨てる描写が頻出するのが気にかかった。猫だってあっけなく殺してしまうし。
    例えばヘミングウェイの鱒釣りに関する小説のような、自然に対するあたたかい眼差しのようなものは見当たらない。

    まあ、だいたいが主人公は都会育ちで自然にあまりなじめないような人間として描かれてるから、それはいいのだけれど。茂木健一郎の解説にあるように、時に暴力をふるい、自然に美をもたらし管理することを意識的にか無意識的にか作者が志向しているのであるとすれば、僕はその考えにあまりなじめそうにない。

    >ふたりは病院を出、国道を

    0
    2012年06月13日
  • 夏の流れ 丸山健二初期作品集

    Posted by ブクログ

    芥川賞シリーズ ④
    死刑執行という仕事人の心を扱った作品。彼の家庭生活がうまく書けていて、主人公を応援したくなってしまう作品でした。
    それにしても13階の階段をのぼる死刑囚とそこに向かわせる死刑執行人とのバトルは今もあるのでしょうね。

    0
    2009年10月12日
  • まだ見ぬ書き手へ

    Posted by ブクログ

    第2章は、イメージ・ストリーミングをやっている者として、大いに納得できる記述にあふれていると思いました。

    0
    2009年10月04日