J.G.フレイザーのレビュー一覧

  • 初版 金枝篇 下

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    人類は太古の昔から自然を理解し、コントロールしようとして来た。その営々たる努力を膨大な資料を読み解き解説したのがこの本である。
    日本のケガレ論にも通じる所があり、大変に興味深く読んだ。

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    2012年04月06日
  • 初版 金枝篇 下

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    おもしろすぎる。興奮した。「多分これ、あんたが好きな本だよ」と渡したのは夫だが、夫はこれに興奮する私の気持ちがわからないそうです。

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    2009年10月04日
  • 初版 金枝篇 下

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    本の中の本。
    本からの知識で、キリスト教期限に迫る大部の書物を書いたのは、恐るべき資料の収集力、本人の情熱、今の子供おじさんの究極形か。

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    2019年07月31日
  • 初版 金枝篇 上

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    森の王、聖なる王とは。
    王殺しと再生の供儀の意味。
    大地を肥沃にするために、それを維持するために穀物霊である王をリニューアルしていく。

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    2019年07月31日
  • 初版 金枝篇 下

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    上下巻1000ページにも及ぶ本書を通読した後に再度1章1節に立ち返ると、これまで挙げられてきた膨大な事例は全て円環するかのごとく最初の疑問に結びついていた。個人的には前任者の殺害、外在する魂の象徴という共通点で火の鳥・異形編を思い起こさずにはいられない。無数に例示される風習・儀礼の数々はその一つひとつが金枝篇という書物に宿るヤドリギであり、それは次なる物語を生み出す根幹となる。物語が儀式を産みだすのではない、儀式が物語を創りだすのだ。無数の驚きと発見に満ちた本書は、さしずめ人間の持ちうる想像力の博物館だ。

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    2015年01月07日
  • 初版 金枝篇 上

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    膨大な世界各地の民族の風習を整理分類し、その行事や習わしの共通性を明らかにしようとした民俗学の名著は、とにかく想像力を掻き立てられる面白さに満ちていた。個々の事例も興味深く、特に2章における王とタブーの話が印象に残っている。曰く、各地で王とは神の代弁者として権力を持つものの、代弁者であるが故に少しでも身体的不具の予兆があれば殺されて新たな王を立てる習わしがあったとのこと。また神聖であることと不浄であることはタブーという点で根源的に同一であり、そこに論理的整合性が隠されているという指摘には感心させられた。

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    2015年01月03日
  • 初版 金枝篇 上

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    表紙裏
    「肘掛椅子の人類学」と断じ去るのは早計だ。ただならぬ博引旁証に怖じる必要もない。典型的な「世紀の書」、「本から出来上がった本」として、あるいはD・H・ロレンス、コンラッド、そして『地獄の黙示録』に霊感を与えた書物として本書を再読することには、呪術・タブー・供犠・穀霊・植物神・神聖王・王殺し・スケープゴートといった、人類学の基本的な概念に関する世界中の事例が満載されているだけでなく、資料の操作にまつわるバイアスをも含めて、ヨーロッパ人の世界解釈が明瞭に看取できるのだから。巧みなプロットを隠し持った長大な物語の森に、ようこそ。

    目次
    第一章森の王
    第二章魂の危機
    第三章王殺し

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    2012年11月17日
  • 初版 金枝篇 下

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    表紙裏
    著者は二つの問いを立てた。「第一に、なぜ祭司は前任者を殺さなければならないのか?そして第二、なぜ殺す前に、〈黄金の枝〉を折り取らなければならないのか?」森の聖なる王、樹木崇拝、王と祭司のタブー、王殺し、スケープゴート、外在魂・・・大きな迂回とおびただしい事例の枚挙を経て、探索行は謎の核心に迫る。答えはある意味であっけないが、モティーフは素朴ではなかった。ロバートソン・スミスのセム族宗教史に多くを負いながら、それと微妙な距離をとると同時に、ルナンへの傾倒を韜晦してやまないフレイザー。本書を手の込んだ文明相対主義的キリスト教起源史と読むこともできる。さて、再び、「金枝」とは何か?初版完訳、

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    2012年11月17日
  • 初版 金枝篇 下

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    恐らくは、呪術的儀式を現実性から乖離せずに考察した数少ない一冊だと思う。と、同時にアニミズムへの入門書としてもかなり有益だと見れる。

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    2011年06月17日
  • 初版 金枝篇 上

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    王の入れ替わりに際して古き王を殺すという儀礼慣習に、旧体制の抜本的な破壊を見出してるのかな、と考えながら読んだ。組織的群体を、一本の巨木と捉えて腐り落ちた枝を剪定する様が。

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    2011年06月17日
  • 初版 金枝篇 上

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    古代のイタリアで、囚人が神聖な森で黄金の枝をとれば、国王と対決できて、勝ったら王様になれるって話なんだけど、何で黄金の枝?何で前の祭司(王)は殺さなきゃだめなの?って話です。
    例がものっそい量あります。(正確かどうかは見極めが必要)
    王様の魂はか弱いから厳重にタブーで守ったり、ほかの所に隠したりしてるよ~
    でもって王様はもともと木の精霊で、衰えが見えたら次の再生のために一旦殺されるよって話だった。

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    2011年03月30日
  • 初版 金枝篇 下

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    膨大な博学記に圧倒された。
    十分に理解できなかった点はあるが、世界中の民族伝統を多く知れたことだけでも収穫あり。

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    2014年04月13日
  • 初版 金枝篇 上

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    書かれた当時の「未開」や「野蛮」といった視点はまぬがれていないが、比較的ニュートラルで押し付けがましくない(とはいえ、
    考え、見解は示される[「仮に私が正しければ、」p540など]。一般的には小説作品に近い感覚で読めるし、読み飛ばしても十分面白い。忘れることは忘れてしまうが、残るものはずっと残る(これって神話的)。個人的には、第三章の第四節から七節ぐらいまでにはどうしても興味を持てない。

    第一章第一節の終わりに全体を貫く問いが示されている。「なぜ[イタリアのネミの]祭司は前任者を殺さなければならないのか?」「なぜ殺す前に、「黄金の枝」を折り取らなければならないのか?」の二つである。この二つの

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    2013年04月23日
  • 初版 金枝篇 上

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    岩波だと五冊だけどちくまだと2巻でコンパクト(分厚いけど)。欧米の物語の根底にあるのはこういう感覚なんだなぁ。

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    2015年08月07日