シッラ・ボリリンドのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
“コールドケース”(=未解決事件)と“ホットケース”(=進行中の事件)とが交錯する中、余りにも意外な事実、真実が明らかになって行く…
本作を読み進める中、何となく「外国のテレビドラマでDVD数枚に収まったモノを、一気に観ている」時のような感覚を覚えた…本作の作者はスウェーデンで夫妻で活躍している脚本家であると紹介されているが…正しく、多彩な作中人物達の色々な行動が“意外な事実・真実”に収斂されて行くという、“人気ドラマ”のような雰囲気に溢れている。実際…この小説を原案に、スウェーデンで10話構成の連続テレビドラマも創られているようだ…
お薦めな作品だ!! -
Posted by ブクログ
目まぐるしい視点・場面転換に漸く脳が追いついた下巻。この目まぐるしさは一気読みしないと疲れるだけになりそう。登場人物が多い割には上手く描き分けられているものの、一人ひとりの心理描写が広く浅くで感情移入はしにくい気がする。加えてヒロインであるオリヴィアが悪い意味で癖が強い。感情移入以前に、他人のプライバシーには土足で踏み込むくせに、自分は完全拒絶な態度が露骨過ぎて好きになれない。シリーズらしいのでこれから成長して欲しい。
予想を裏切る展開は楽しめたが、真相自体は大したこともなく(割とチープ)、一部意味深だった人達は次作以降へ持ち越し…という何とも肩透かしな終わり方だった。
辛口なレビューだが、一 -
Posted by ブクログ
ネタバレ様々な人々の人生を巻き込みながら、ラストまで一気に話が流れた。
単に、20年前の殺人事件だけでなく、それを発端とした現在の事件も色々絡む上に、別のホームレス殺人事件にも各々の登場人物が少しずつ絡むという、実に凝った構成の作品。
警察学校生というヒロインの成長、ホームレスとなったかっての辣腕刑事の再生の物語としても良くできていて、まさにテンコ盛りの内容。
しかも、捜査の過程で表面化しながらも、今回の事件では追及できなかった謎もあって、これは続編必至。
作者がかの「マルティンベック」シリーズのドラマ化の脚本家と聞くて、この群像ドラマとしての描き方も、色々な社会的な問題を背景に描きこむ構成も納得で -
Posted by ブクログ
ネタバレ北欧発のサスペンス。
主人公である警察学校に通うヒロインが、過去に起きた未解決の殺人事件を課題でレポートすることを端緒に、事件関係者が運命的に結びつき、事件が再び動き出す…。
刑事にすらなっていない、まだむらっけのある女子学生が主人公というところも面白いが、複数主人公の物語と言ってもよく、ホームレス、かつて事件にかかわった捜査官、黒幕?等々10人以上の視点で目まぐるしく事件が描かれていく。
ある程度20数年前の事件の構図、犯人は分かるのだけど、徐々に謎の糸が溶けていく過程が鮮やかだし、何より作られすぎではあるかもしれないが、読む分には楽しい魅力的なキャラが多い。決して画一的でなく、陰影も裏