スティーヴン・ウィットのレビュー一覧

  • 誰が音楽をタダにした? 巨大産業をぶっ潰した男たち

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    画期的な音声圧縮技術MP3が世界水準になっていく前半はベータvsVHS戦争のような様相でさながらプロジェクトX。

    後半はMP3とインターネットブロードバンド改革の流れでファイルシェアが進み、新譜を盗みいち早く「無料で」オンラインシェアする海賊リーク集団と大手レーベルの攻防が描かれる。
    著作権侵害による業界の衰退と「音楽」の形を変えてしまった功罪が本当に面白かった。

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    2017年06月01日
  • 誰が音楽をタダにした? 巨大産業をぶっ潰した男たち

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    <目次>
    イントロダクション
    第1章  mp3が殺される  第2章  CD工場に就職する
    第3章  ヒットを量産する  第4章  mp3を世に出す
    第5章  海賊に出会う  第6章  ヒット曲で海賊を蹴散らす  第7章  海賊に惚れこまれる  
    第8章  「シーン」に入る  第9章  法廷でmp3と戦う  第10章  市場を制する  第11章  音楽を盗む
    第12章  海賊を追う  第13章  ビットトレント登場
    第14章  リークを競い合う  第15章  ビジネスモデルを転換する  第16章  ハリポタを敵に回す
    第17章  「シーン」に別れを告げる  第18章  金脈を掘り当てる  第19

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    2017年02月13日
  • 誰が音楽をタダにした? 巨大産業をぶっ潰した男たち

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    実に面白かった。90年代半ばから現在に至るまでの音楽業界を俯瞰する視点に、他に類を見ない圧倒的な説得力がある。ここまで徹底した取材ができるものかと驚くと同時に、さぞ語らせるのに苦労したであろう相手についても、ネガティブなことも含めて遠慮せずに書いていることに唸ってしまう。

    最初の章はmp3が世に出る前の裏話で、技術的なことはちっともわからないシロートにはちょっとつらい。次の章では田舎のCD工場に勤める若者、その次は大手レコード会社の幹部が登場する。この三つの話がかわりばんこに語られていくのだが、途中まではなかなか全体像が見えなくて、読み進めるのに苦労した。よくわからない用語がしばしば出てくる

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    2017年02月09日
  • 誰が音楽をタダにした? 巨大産業をぶっ潰した男たち

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    タイトルからして、ビジネス書かなと思ったけど中身は実録ITポリティカルサスペンスでした。
    前半のmo3開発秘話の当たりや、モリスが上り詰めていく様は非常にスリリングで、当時を知るだけにおもしろかった。
    学生の時、研究室のネットを使って、鯖たてて、串通して、交換レート決めて、w@rezサイトで交換してたなあーと感慨深く思い、ああいったことの裏にはグローバーのような連中が跋扈してた訳ね。bit trentつかってmp3とかダウンロードしまくってたから、シーンのファイルとか持ってたかもね。怪しいサイトいっぱいあったもんな、確かに。
    ストリーミングのために必死で研究した技術が、CDを「音」と「円盤」を

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    2016年12月14日
  • 誰が音楽をタダにした? 巨大産業をぶっ潰した男たち

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    mp3は規格化競争で負け、市場から消える運命だった。

    それを救ったのが、ギークの存在。

    開発者、ギーク、巨大企業

    群像劇としてとてもスリリングだった。

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    2016年10月22日
  • 誰が音楽をタダにした? 巨大産業をぶっ潰した男たち

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    Spotifyを使い始めて、ストリーミングが無料になった経緯を知りたくなったが、Spotifyは最後にちょっとだけ出てきただけ。vevoが誕生した経緯はわかった。

    音楽データは、音響心理学を使って簡素化している。人間の聴覚は、人間の声に近い周波数帯を良く聞き分け、その範囲を超えると、だんだん聞こえなくなる。ピッチが近い音はお互いを打ち消し合い、特に低い音が高い音を消す。大きな音の前後の音はかき消される。

    動画専門家グループで標準規格を決める委員会のMPEGは、フィリップスの方式をMP2、ブランデンブルクの方式をMP3と名付けた。その後、MP2とは異なるフィルターバンクを用いたAACを開発し

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    2024年07月12日
  • 誰が音楽をタダにした? 巨大産業をぶっ潰した男たち

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    音楽コンテンツにまつわる三つの話がクロスする。
    ◯MP3という規格を誰がどんな経緯で作ったか。
    ◯MP3が登場して高音質なまま圧縮できるようになったことで、組織的に音楽を盗んでアップロードする集団が登場。彼らの手口と組織の最後。
    ◯同時期に活躍した大物プロデューサーの視点からみた業界の移り変わり。
    特に音楽コンテンツ窃盗団の話が興味深かった。これじゃ作る側はやってられない。

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    2018年02月15日
  • 誰が音楽をタダにした? 巨大産業をぶっ潰した男たち

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    mp3の誕生とそれが音楽業界へいかなる影響(音楽をタダにした)を及ぼしたかが語られる一冊。
    本書は主にmp3の開発者、最高の音楽エグゼクティブ、田舎の最強違法アップローダーの3人を主人公に物語のようにいかにして音楽が無料への道を進んでいったのかが語られます。
    著者の5年もの調査執筆期間は本書を中身ある面白く飽きさせないものになっており、ノンフィクションということさえ忘れさせてくれます。
    CDで音楽を聴いたことのない世代(そんな世代がいるのか私は未だに疑問ですが)でも楽しく読めると思います。

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    2017年01月21日