スティーヴン・ウィットのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
実に面白かった。90年代半ばから現在に至るまでの音楽業界を俯瞰する視点に、他に類を見ない圧倒的な説得力がある。ここまで徹底した取材ができるものかと驚くと同時に、さぞ語らせるのに苦労したであろう相手についても、ネガティブなことも含めて遠慮せずに書いていることに唸ってしまう。
最初の章はmp3が世に出る前の裏話で、技術的なことはちっともわからないシロートにはちょっとつらい。次の章では田舎のCD工場に勤める若者、その次は大手レコード会社の幹部が登場する。この三つの話がかわりばんこに語られていくのだが、途中まではなかなか全体像が見えなくて、読み進めるのに苦労した。よくわからない用語がしばしば出てくる -
Posted by ブクログ
タイトルからして、ビジネス書かなと思ったけど中身は実録ITポリティカルサスペンスでした。
前半のmo3開発秘話の当たりや、モリスが上り詰めていく様は非常にスリリングで、当時を知るだけにおもしろかった。
学生の時、研究室のネットを使って、鯖たてて、串通して、交換レート決めて、w@rezサイトで交換してたなあーと感慨深く思い、ああいったことの裏にはグローバーのような連中が跋扈してた訳ね。bit trentつかってmp3とかダウンロードしまくってたから、シーンのファイルとか持ってたかもね。怪しいサイトいっぱいあったもんな、確かに。
ストリーミングのために必死で研究した技術が、CDを「音」と「円盤」を -
Posted by ブクログ
Spotifyを使い始めて、ストリーミングが無料になった経緯を知りたくなったが、Spotifyは最後にちょっとだけ出てきただけ。vevoが誕生した経緯はわかった。
音楽データは、音響心理学を使って簡素化している。人間の聴覚は、人間の声に近い周波数帯を良く聞き分け、その範囲を超えると、だんだん聞こえなくなる。ピッチが近い音はお互いを打ち消し合い、特に低い音が高い音を消す。大きな音の前後の音はかき消される。
動画専門家グループで標準規格を決める委員会のMPEGは、フィリップスの方式をMP2、ブランデンブルクの方式をMP3と名付けた。その後、MP2とは異なるフィルターバンクを用いたAACを開発し