坪倉優介のレビュー一覧

  • 記憶喪失になったぼくが見た世界

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    十八歳で事故にあってまったくそれまでの記憶をなくしてしまった青年の書いた文章と母親の手記。"記憶喪失"というのはこういうものなのか、という驚きがある。満腹がわからないのでテーブルの上にあるものをすべて食べてしまう、とか、あまいということを初めて知る、とか、ごはんとおかずの違いがわからない、とか、ケガや病気をしている人は人間に見えない、とか諸々衝撃的。その割に自分の名前とか「おっさん」とか「おばさん」という言葉は覚えているらしい。5歳くらいに知識が返ってしまう、ということなのだろうか。本人の感じていることと母親の語る客観的な状況と対比しながら読めるので興味深い。

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    2024年07月11日
  • 記憶喪失になったぼくが見た世界

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    事故で記憶をなくした著者の話。生まれて初めて見るものを不思議に思う気持ちや、知らないことに戸惑いながらもチャレンジしていく様子は読んでいて新鮮な気持ちになった。

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    2022年10月23日
  • 記憶喪失になったぼくが見た世界

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    自身の言葉で始まる文章はまるで1,2歳児の言葉がでない子どもの心の声の様だ。そこから大学へ戻り、更には染めの仕事をする…壮絶な人生、だがとても明るく真っ直ぐに生きていらっしゃる。

    いつか染められた着物を目にしてみたい。

    途中に母親の手記もあり、見守る優しさと強さを感じる。

    解説で俵万智氏が書いたとおり、『もともとの絵画的な才能に濁りのない感性が宿り、芸術家としてプラスだったのでは』と。+にできたのはご自身の努力、家族や友人の愛情、何よりとても素直な心の持ち主なんだろうな、と思った。

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    2021年04月27日
  • 記憶喪失になったぼくが見た世界

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    この世には体験者しか書けない世界があるが、この本はまさにそう。解説で俵万智が書いている通り、子どもの感性をそのまま書いたような文章は、書こうと思って書けるものではない。この文章を読むことで、毎日見過ごしているあらゆることが、全く新しい、けれどよく分かる感覚で立ち上がってくる。
    記憶は、結局全部は戻らなかったのだから、著者は1.5倍位の人生を生きたことになる。それも稀有な体験だ。
    「かあさんだよ」、ごはん、チョコレート、UFOキャッチャーなど、何度も読み返したくなる素晴らしさは、前に読んだ時と変わらないが、自分が年をとって、坪倉さんのご両親の偉大さを感じた。もし子どもが事故にあったら、自分は親と

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    2016年01月25日
  • 記憶喪失になったぼくが見た世界

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    電車の中で読み始め、読み終わりました。
    出だしの線の表現はとてもすごいなぁと、線を眺めながら思っています。

    母親として、お母さん目線でも考えてしまいます。
    1人で大学へ行かせる、しかも電車で。
    一人暮らしをさせる。
    旅に行かせる。
    済んだ過去はやわらいでしまうけれど、その真っ只中にいる時は一分一秒がどんなに不安で不安で不安でたまらなかったことかと思います。

    あとがきで俵さんが書いているように、本当に素晴らしいお父さんお母さんです。
    作者の生き方も、ご両親の生き方も、見習うところがたくさんあります。

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    2015年12月30日
  • 記憶喪失になったぼくが見た世界

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    とても優しくて、暖かくて・・・
    本当に素晴らしい本です。
    自分も何かに向け、頑張ってみたい!
    そう素直に思うことができる本です。

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    2013年06月27日
  • 記憶喪失になったぼくが見た世界

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    ネタバレ

    著者が18歳の時にバイク事故で重体となり、病院で目覚めた時にすべての記憶が無くなっていたという所から本書は始まる。記憶喪失なんて映画やドラマではよくあるけれど、本当にこういう事があるのですね。
    自分の事、家族の事、友人の事、目の前に見える物が何なのか忘れ、本書を書いた事故から12年後でも記憶は点としてしかよみがえらない状態。本人も家族も大変だと思います。各章の終わりにある母親の文章と本人との対比が面白い。

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    2013年03月10日
  • 記憶喪失になったぼくが見た世界

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    記憶をなくした本人と、母親の視点から書かれているノンフィクション。事故で記憶をなくしてしまった美大生が、自分自身を立て直していく過程を追ったものです。本人の記述に挟まれる形で母親による記述があり、全体をとらえるのに役立ちました。
    時に悔しく悲しい思いをしながら成長し人生を再構築していく様子は、子供時代からやり直しているかのようです。坪倉優介という青年は過去を取り戻すことはできなかったけれど、未来を手に入れた。読み終わってそう思いました。

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    2012年07月13日
  • 記憶喪失になったぼくが見た世界

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    見ているものが同じでも見えるものが変わるんだな。言葉も文化も常識も異なるいつかのどこかにぽつんと立った時に何が見えるのかなぁ。

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    2011年12月16日
  • 記憶喪失になったぼくが見た世界

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    ネタバレ

    大学生の時にスクーターで交通事故にあい、記憶喪失になった坪倉さん。
    ドラマや漫画では何かのきっかけで記憶が戻って…という展開になりますが、坪倉さんが失った記憶は戻ってくることはありませんでした。
    しかも自分が誰なのかという記憶だけではなく、日常生活を送るうえで大事な常識も忘れてしまったのです。

    坪倉さん自身も大変でしたが、彼を支えるご家族も大変だったと思います。
    それでもそこから人生を構築していく坪倉さんとご家族。
    胸がいっぱいになりました。

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    2025年11月27日
  • 記憶喪失になったぼくが見た世界

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    audible118冊目。

    少し前に読んだ『洞窟おじさん』に続き、この本の著者のような方がいらしたことさえ知らずにいました。
    本も好きだしネットだって毎日見てるのに、案外知らないことが多いんだなあと思いつつ、読んでみることにしました。ちなみに夫は、紙の本で読んだことがあるそうです。

    ドラマなどで「あるある」の記憶喪失ですが、現実社会でも本当にありえることなんだと驚きました。
    わたしの母も、脳の病気になった時に一時的にいろいろ忘れてしまっていたけれど、なぜか家族など人間の顔と名前は全部覚えているのに、自分の家や車はわからず、かわりに子どもの頃の記憶はある…という時期がありました。
    が、2度目

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    2025年07月27日
  • 記憶喪失になったぼくが見た世界

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    よく映画やドラマで題材となる記憶喪失。これが現実にあったと語る本人が出てるテレビを見て興味を持ったので購入。

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    2022年05月07日
  • 記憶喪失になったぼくが見た世界

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    よくドラマなどで目にする「事故による記憶喪失」という症状。大切な人との記憶を失い、すれ違いなどを経てまた新たな関係性を築き上げたところで過去の記憶が戻り…というのはよくある話ですが、現実はそれほど甘くありません。

    自分が何者かはもとより、周囲の人間が離している言葉の意味や、自分の身の回りにあるもろもろの物体の名前や役割、はては社会生活で必要な知識をも失った筆者は、「できない自分」「かわいそうにみられる自分」に苛立ちながら、そして困難を抱えながら新たな生活を進めてゆきます。

    「事故による記憶障害」という症状との闘病記録としても読みごたえがありますし、現在は染織の専門家として活躍する著者の自伝

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    2022年01月08日
  • 記憶喪失になったぼくが見た世界

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    記憶を失った著者の驚きと感動の物語。激レアさんを見るまで知りませんでした。「記憶」の上に人間が暮らしているという当たり前すぎる事実。その重要さを改めて感じさせられた。

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    2019年10月14日
  • 記憶喪失になったぼくが見た世界

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    テレビで著者を観て話が興味深かったので。まず文章が上手い。言葉も全て忘れてしまった著者の手記なので文章力はのちに手に入れたものだ。なので書き方に「アルジャーノンに花束を」のような演出がされている。でも彼の感性は素晴らしく瑞々しく、記憶はなくても記憶力はある。彼の体験から赤ん坊は世界をこんな風に感じているのかもと想像することができるような内容。
    母親としては彼のお母様による手記の部分もいろいろと考えさせられる。一日中続く質問責めに根気よく対応していたお母様も疲れ果ててついついキツい言葉を発してしまうところはまさに育児ノイローゼ。育て直しといえる状態の苦労は並大抵ではなかっただろう。

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    2019年09月12日
  • 記憶喪失になったぼくが見た世界

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    【本の内容】
    18歳の美大生が交通事故で記憶喪失になる。

    それは自身のことだけでなく、食べる、眠るなどの感覚さえ分からなくなるという状態だった―。

    そんな彼が徐々に周囲を理解し「新しい自分」を生き始め、草木染職人として独立するまでを綴った手記。

    感動のノンフィクション。

    [ 目次 ]
    第1章 ここはどこ?ぼくはだれ?―’89.6~’89.8
    第2章 これから何がはじまるのだろう―’89.9~’90.3
    第3章 むかしのぼくを探しにいこう―’90.4~’91.3
    第4章 仲間はずれにならないために―’91.4~’92.3
    第5章 あの事故のことはもう口に出さない―’92.4~’94.3

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    2014年09月20日
  • 記憶喪失になったぼくが見た世界

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    18歳でバイク事故により記憶喪失になった美大生の12年間の手記。
    記憶を失うことは人生を失う事。
    生活の感覚、言葉の意味、味覚の種類、全てを失いながらも大学を卒業し草木染職人となる著者とその家族に感銘をうける。

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    2014年05月04日
  • 記憶喪失になったぼくが見た世界

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    再読です。
    やはり、すごい。
    記憶が戻ってきたときに、また別の自分になるのか?っていう
    問いも、怖いです。

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    2013年11月18日
  • 記憶喪失になったぼくが見た世界

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    ネタバレ

    自分に関する記憶だけでなく、「食べる」「眠る」などが
    全てわからなくなってしまった青年の12年間を綴ったノンフィクション
    見るもの全てが新しく、何なのかわからない彼が表現する私たちの日常はとっても瑞々しい

    冒頭からページが進むにつれて、使われている漢字が増えていくのには感動しました
    また、解説の俵万智さんも書かれていますが、ご両親が素晴らしい
    記憶をなくした息子を一人旅に送り出す、一人暮らしをさせる、スクーターで事故を起こした息子をバイクに乗せる…
    かわいそうだ、かわいそうだと甘やかすのではなく、時に優しさで包み、時に厳しく自立へ向かわせていく姿勢には敬服します

    欲を言えば、もっと坪倉さん

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    2012年10月24日
  • 記憶喪失になったぼくが見た世界

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     記憶喪失といえば、「私は誰?ここはどこ?」の世界だと思っていた。きっと人によって程度や症状はさまざまだとは思うが、著者・坪倉さんの場合はそんなもんじゃない。なにもわからない、言葉もほとんど忘れてしまった状態。そんなほぼまっさらなのに、身体は18歳なのだ。社会的には18歳として生きていかなければならないのだ。
     本書はそんな坪倉さんの言葉と、お母さんの手記で構成されている。見るものすべてが初めてで、しかもそれを表現する術すら持ち合わせていない坪倉さんの言葉は、たどたどしくも新鮮で、それを外から見守る母親の言葉は愛情に満ちている。
     少しずつ生活できるようになっていき、最後には立派な職人さんにな

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    2012年08月26日