洪自誠のレビュー一覧
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ところどころ現代の日本では当てはまらないのではないかと思われる提言もあるが、全体的にはためになった。
道教や儒教の思想を強く感じさせる内容で、読んでると心がおだやかになるような気がする。かもしれない。
ポイントは、すべての物や事象は、自分の心次第で変化するということ。
<我貴くして人これを奉ずるは>
栄位のゆえに我を人が尊ぶのは、この身につけた高い冠や大きな帯のためである。微賎のゆえに我を人が侮るのは、この身につけたもめんの衣服とわぐらくつのためである。そうともすれば、もともと我を人が尊ぶのではないから、どうして喜んでおられようぞ。もともと我を人が侮るのではないから、どうして腹を立てておられよ -
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名前だけは知っていた本作ですが、400年前くらいの処世訓なのだと今更ながら知りました。
処世訓、と書くと堅苦しい感じがしますが、私が手に取った現代日本語訳の本書はまったくそういったことはなくて、これは本書が「エッセンシャル版」だからというのもあるのでしょうが、原作者の洪自誠が非常に博識な人で、儒教・仏教・道教の幅広い知識から本作を結晶化させたところが大きいのではないかなと思います。
苦労をしておこう、といったことを書いたかと思えば、
ゆとりをもとう、といったことも書いている。
非常にバランスが良い人だったのだろうと思いました。
それは、「極端に走らない」という文言(前集八一) -
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ネタバレ今回もaudio bookの聴読。
「菜根譚」の著者は洪応明。字の自誠をとって洪自誠と呼ばれる。明代末期、万暦年間(1573-1620)の人であったと考えられている。
「菜根」とは、宋の汪信民の次の言葉にちなむようだ。
「人、常に菜根を咬み得ば、則ち百事を做すべし」
(人は常に菜根をよく咬んでいれば、あらゆる事はなしとげられる)
全体は、前集222条、後集135条、合計357条から構成されており、前集は俗世の人々とのかかわりを中心に語られ、後集は俗世を超えた深淵な境地が説かれている。その内容は、儒教、仏教、道教を背景としているところが最大の特徴である。
役人であった洪自誠が、引退後にそ -
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『菜根譚』は明の時代洪自誠によって書かれた処世訓である。本書は、原文・書き下し文の記載はなく、現代風にかなり意訳されている。一文を味わうというより、折に触れて読み現況を点検するような読み方がよいと感じた。儒教・仏教・道教の3つの考え方がバランスよく配合された本書は、日本の風土に合わせられ、違和感のない生き方の指針になっているのだと思う。今日のビジネス書のエッセンスのほとんどは、本書で網羅できるだろう。ビジネス書と宗教書に親和性があると感じることが多いが、『菜根譚』のような本が古より存在している事実でその理由を説明できよう。
『菜根譚』という書名自体は、宋の頃の「人よく菜根を咬みえば、すなわち -
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ネタバレ真理こそ守り抜くべき重要なこととして扱っている。
奢れるものは、人間が卑しくなるため、質素な生活を勧めている。特に、一歩を譲り三分を減らして譲るがまさにそう。まあ、題名が菜根で、貧困をテーマにしたものだからそれもそうか。
うーん、時代背景からして、貧しい世の中だったから、時代にかなり依存した宗教的な内容だと思う。
今の時代には合わないかなあ。
それでも、生活の見直しには良い本。
人といるときは笑顔で楽しくすることが大切と説く。当たり前だけど、大切なこと。文章内の言葉を借りると、「暖かいところだと万物は育ち、寒ければ万物を枯死させる。だから、人も他人に温かく接すること。」みたいな理由から。
あ -
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約400年ほど前の人物が書いた本が、著名な経営者などにも紹介されるくらい結構読まれているという。
著者は洪 自誠(こう じせい)
1573年 - 1620年の人物とされ、感性は現代人の我々と変わりが無い部分も垣間見られる。
「春も良いけど秋が一番いいね」
・・・だそうで、400年前の人となぜか共感できてびっくり。
道教、仏教、儒教を学んでいる著者の人生論が述べられている。
モノに執着すればする程、人としての豊かさから遠ざかってしまう。
成功や勝利は逆境から生まれるので投げやりになってはいけない。
逆に失敗や敗北は上手く行っている時にこそ注意する必要がある。
キモに命じておきます。。。