松谷明彦のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
超Sレベル 判っていても戦略パラダイムを変えられないのが日本の特徴
73年福祉元年は高度成長の「自然増収」を前提に設計したもの
時代が変わってしまっても、時代不適合の制度を変えられない
「既得権」にメスを入れる覚悟のリーダー=政治家が居ない
しかし追いつめられて日本は変わらざるを得ない
(冨山和彦先生) 野口悠紀夫先生も同じ 有識者は皆んな理解 政治のタイミング
人口減少高齢社会のタブー
(1)少子化対策 日本の団塊 「産めよ増やせよ」(戦前・前後)強力な産児制限
(2)経済成長の追及 生産性・賃金の低さ 後進国型の経済
(3)増税による財政再建 財政支出の削減 永久国債(コンソル公債)
後進国型大量生産の経済を転換する
→地方分散の多極化経済が実現できる
中央集権の仕組みから脱却しなければならない 教育・研究開発・マーケティング
デザイン・製品コンセプトが大事 想定ユーザーのニーズ
市町村合併・コンパクトシティは同じ発想 官の論理
首都東京の劣化 先細り「貯蓄」をどの投資に充当するか 戦略が大事
2020年東京オリンピックは歴史上、愚かな選択(57)
2025年をピークに成長率・一人当たりが急低下
財政の悪化 老人ホーム100万床 20兆円 インフラの維持
これからの東京経済
ビジネスモデルの終焉 技術輸入型大量生産モデル
利益率の激減 過剰設備投資 →生産管理がすべてで「経営」がなかった
終身雇用の中でビジネスモデルの転換は困難 社内の軋轢
行政システムの簡素化 地方に任せて、しかも手続きを省くことを許容 -
Posted by ブクログ
1945年~85年日本の生産年齢人口は4000万人増えました。
これが奇跡の経済成長の要因の1つです。
今後日本は40年で3000万以上生産年齢人口が減少します。
これが日本社会に与える影響は想像できません。
日本の社会は、人口が増加することを前提に作られたきたことを考えると、
今の社会は、これからの社会に全く見合ってないといってよいかもしれません。
早かれ遅かれ、社会保障にメスを入れざるを得ないしょう。
この20年グローバル化による、大きな変化も日本にも訪れましが、
今回の人口減少という波は、戦前の富国強兵策、戦後の人口妊娠中絶を手段として、
大規模な産児制限を行ったことによる、私たちが発生させたものです。
改めて考えると、その代償は大きいなと思います。
明治維新から太平洋戦争に及ぶ莫大な人的被害に及ぶほどの、「人災」が日本に今、刻々忍びよっているのは、間違いありません。
今までと同じで、学校に通う。
今までと同じで、大学に通って、
就活して、企業に入る。
今までと同じで、結婚適齢期で結婚する。
今までと同じで、きちんと、勤めあげて退職する。
それらの、今までの「平均的人生」が、
今後、間違いなく大変化します。
ただ、負の影響かどうかは、どんな専門家でも、はっきりしません。
東京に限っては大丈夫という認識がありますが、
あと20年で高齢者が150万増えます。
現在オリンピックに向けてインフラ整備していますが、著者曰く、愚かな決断だと。インフラは作るより維持する方がコストがかかります。
東京のインフラ維持と超高齢化で経済の活力を失われるとの指摘に、かなり真実味があります。 -
Posted by ブクログ
「人口減少経済の新しい公式」の著者である松谷明彦氏の書く、新著です。総人口減少・高齢化・労働力人口の減少が大都市にどう影響を与えるかを書いた本です。
前著でも、「都会は人を集める。若くて活気がある、と思われているがそこに落とし穴がある。今若い、ということはこれから急速に老化することを意味するからだ」と書いています。
この本では、日本の主要都市別の概観を期待したのですがそこまでの分析はありませんでした。
わが札幌で言うと、2005年の札幌市の人口は188万人で65歳以上の人口の割合は17%なものが2035年には人口が178万人に減るのに対し、65歳以上人口は32%に跳ね上がると予想されています。実数では同時期に32万人だった札幌の65歳以上人口が60万人を超えると予想されています。
また北海道の中で札幌以外の市町村については、今でも高齢化率が高く、これらの年代の方が亡くなっていくことで人口減少に拍車がかかります。しかしそれは介護負担が少ないことやこれ以上労働力人口はあまり減らないことを意味していますので経済の維持と言うことに関してこれから先はあまり影響を受けないのではないかと思います。 -
Posted by ブクログ
日本の生産年齢人口は、今後40年で3000万人減ります。
これが、今後の社会に与える影響は、一体どれほどのものか?
今、日本が陥っている様々な混乱の要因の一つは、
この労働者群が、半世紀に渡って、確実に減ることです。
戦後45年~85年の間、日本のそれは4000万人増えました。
今、自分達が住む社会は、労働力が年々増えていくことを前提として、
作られた社会です。
よって、これからの日本には今の社会システムは、
全く合わない構造を持っています。
この20年間、日本はグローバル進出に失敗しました。
かつての面影は、今の日本企業にありません。
どんな企業でも、1年後残っているとは言えなくなりました。
また、この期間、日本企業は、徹底的なリストラを行い、
人件費を抑えるために、労働形態を正規と非正規に分けるようになりました。
まるで、労働者を階層化しようとしている感じです。
現在、働いている人の4割以上は非正規に分類されています。
同じ仕事をしているのに、
結果年収は正規雇用の半分も満たないという状況に陥っています。
普通の民主国家なら、暴動があちこちで起こっているはずです。
この20年の結果を見ると、GDPは以前とほとんど変わっておらず、
80年代から15年までの労働生産性の上昇率も世界126位になっています。
また、家計消費は94年と比べて140万以上下がってます。
多くの人が感じていますが、
誰もが一応豊かになっていった「以前の日本」は、
もうどこにもありません。
「自己責任」のもとに、経済格差や希望格差が、
日本を包みこんでいます。自己責任という罰は、
自分の行った行為の責任は、自分でとることを意味していますが、
社会・経済環境によって、自分の未来がかなり左右される今の日本で、
この言葉は、死の宣告に近いモノだと思います。
著者は、この著書で、財政面やマクロ経済面でいろんな提言を行っています。
日本のリーダー達は、日本の全ての人々が安心して幸福に暮らせる社会とは何かを、
改めて問い、その社会を作るために、今何をすべきか、その答えや方向性を、
実行しながら、考えよ言っています。
残念ながら、現状の政治や経済の状態を見ると、
恐らく日本がこれから辿る道は、
さらに険しいものとなるでしょう。
少なくとも、私たちは、政治家や経営者に期待はしない方がよいでしょう。
選挙に行くのは、社会参加の一環としてよいと思いますが、
もうわかっていることは、政治家は、国をよく「できない」
ということです。
個人がなすべきことは、所属や組織に頼ることはせず、
また、安定さや不安定さに一喜一憂するのではなく、
自分の人的資本を恒久的に上げ続けるために、
学習能力を高め続ける、「特別な努力」と「良い習慣」が必要になるでしょう。
今も、日本では、階層化とも言っていいような、
状況が発生しています。
おそらく、1割は豊か、残りは貧乏という状況が、
日本に遠からず訪れるはずです。
まとまれば大きな力になりますが、日本人は、もうまとまることも、
助け合うことも、できなくなりつつあります。
それは、社会資源(お金になるもの)が、どんどん減っているからです。
経済的な余裕がなくなっています。
この論理は、「以前の論理」です。
つまり、金がないと何もできないという。
本当は、この論理を超越しなければ、いけませんが、
私たちは、未だに、その論理に思考を支配され、がんじがらめになっています。
そのために個人の学習能力の向上が生涯にわたって必要となるでしょう。
自ら主体的に学んだ知識を使いこなし、そして、自分自身が何が足りないか、
その知識や情報が何かを判断でき、
自分で選択した能力を、確実に獲得できる能力が必要になります。
この能力を高めることを、良しとして、
それが自身の人生を形成する上で、
必要な不可欠なものとなるはずです。
つまり、これは、国や企業や社会には「期待しない」、
独立した個人の態度が以前よりも重要になります。
現在、毎年80万人近く、生産年齢人口が減っています。
これは、愛知県の人口に匹敵します。
これが、消費市場に与える影響は、甚大なものです。
一般的に高齢者になると消費が2割以上減ります。
この点だけみても、企業経営に大きな影響を及ぼすはずです。
高齢化率が一番激しいのは、東京です。
よって、東京がこの人口減少時代の爆心地となります。
本書は、その爆心地がどう変化するのか、また、どう変化させなければいけないのか、
マクロ統計を駆使して、説明しています。
「どう」を知りたい人は、非常に参考になると思います。 -
Posted by ブクログ
日本経済や日本の都市経済に関心のあるかたにオススメします。
日本の人口減少は今後地方部以上に都市部で大きな影響を及ぼすことを示しており、高齢化率増加率・生産年齢人口減少率・若年生産年齢人口減少率等は、すべて都市部で歴史上経験したことのないレベルに突入します。
地方部では相対的に人口も減少していくため、人口に係る公共サービス需要は減少傾向になると著者は言います。それに対して、都市部では、人口は減少しないまま高齢化率が増加することが問題だと指摘しています。よって、今後運営が苦しいのは地方部ではなく都市部であると言います(ただし、交付税の原資は現状都市部が稼いでおり、都市部が苦しくなれば必然的に地方部へのしわ寄せも来ると若生は考えます)。
その中で、GDPの大きさのみを単純に追い求めるのは得策ではなく(例えば、移民の受入等)、まずは現在の国債・地方債をすべて永久公債で凍結してしまうことを提言します。今後の医療費・年金等の増加は、一定の自己責任を伴う形で、異なる仕組みの導入を提言します。
移民の受入等では、日本は戦後に産児制限を行ったことが大きく影響し、恒常的にある世代のみが減少するという特有の人口ピラミッドは解消されません。そのため、人口が減少しても、一人あたりGDPを落とさないように、労働力率と労働生産性の向上を図る必要があると言います。
根本系に今の日本企業の利益率の低下は行き過ぎた機械化によるものだとし、商品を高付加価値化し、機械と人間のベストミックスをはからなければ、利益率の向上は見込みにくいと指摘します。
そのためには、大都市では「人間力」と「国際化」が必要だと説きます。人間力とは、伝統芸能等で示されるような職人力とその職人力の発露としての高付加価値製品を生み出すこと、また国際化は他国の企業等が日本でさらに活動しやすくする市場開放が求められると言います。日本の企業と欧米の企業・アジアの企業が対等に勝負するときに、ようやくイノベーティブな商品やサービスが生まれると言います。その土壌としての大都市であり、大都市は、「人間力」と「国際化」の双方を活用しなければ、労働力の活用先を失うことになりかねません。
大都市の向かう大きな産業の方向性としてはおおむね同意見ですが、永久債権などが実現可能かどうかはかなり難しいところがあると思います。ただし、様々な日本経済・都市経済を見る視点が盛り込まれており、この分野に興味のあるかたはぜひ御覧になってみてはいかがでしょうか。 -
Posted by ブクログ
これからの経済、財政、高齢者施策、個人の生き方には、対症療法ではなく価値観を含む大転換が必要であるとデータを示して繰り返し述べている。
財政については小さな政府(財政)、増税不要を主張している。元利償還費が行政サービスを圧迫するのは確かで財政赤字を増やすべきでないのはもっともだと思う。が、共助により福祉を縮小などの方策には具体性を感じなかった。実際どうすればいいのだろう?
年金については「破綻している」「税投入は誤り」派。(この点は色々な考え方があるが、例えば権丈善一さんの本ではこの手の話は全否定されている。両方の視点を知ることも重要かと。)
著者は日本企業(日本経済)は新興国のビジネスモデルだとして生産年齢人口減少と合わせて経済縮小の根拠としているが、全部が全部ではないと思うので具体的な業種やそうした企業の割合が気になった。 -
Posted by ブクログ
この世に住む人は既に生まれていて、例えば20歳の人が今日突然生まれたりすることはないために、人口動態は死亡率や出生率に非現実的な想定を置かない限り、相当程度正確に予測できる。
日本の人口は、今後団塊の世代が死んでゆき、出産年代の女性が減少し、かつ女性の生涯成婚率が減少する見込みであることから、既婚女性の出生率が現在の2人強から3人強に上がりでもしなければ、確実かつ数十%のオーダーで減少する。
その影響を特に強く受けるのは、過疎化が謳われる地方ではなく、東京をはじめとする大都市圏だ。
地方は十分に高齢化しているので、今後も年齢別人口構成に大きな変化はない。
大都市圏は若年層は引き続き流入するが、高齢層と死者の増大を打ち消すに至らず、顕著に高齢化するとともに2030年以降人口自体が減少する。
高齢化と人口減少は経済規模の縮小につながり、高齢者年金は破綻する。家賃を払えない高齢者は難民化する。労働生産性は改善するどころか低下が見込まれ、GDPも人口以上に低下し、国家財政も破綻する。1000兆を超える国債残高は減少することなく、永久債に借り換えるしかない。
という極めて暗澹となる著者の予測である。
200ページ足らずという分量のせいか、粗い議論も散見するが、大筋は納得できる。
著者の想定が全く間違っているか、シルバー民主主義に負けない長期・大局的な国家運営がされることを強く期待する。 -
Posted by ブクログ
高齢化、少子化、人口構造問題は日本の根本的かつ不可避な問題として以前から勉強をしてきたが、その中で松谷さんの本が一番、客観的で説得力があった。今回は一連の問題の中でも最も深刻となるであろう東京ないし東京圏における人口構造問題についてFocusしての記述となっている。相変わらず、人口構造の推移について凄まじく覚めた予測を出し(人口は増えない、高齢化はバリバリ進む等)、いま政府が打とうとしている各種施策(増税による財政再建、年金一辺倒、東京五輪)もすべて間違っていると、これも覚めに覚めまくって指摘をし、このまま行けば、東京は2025年、2035年、2040年という年をそれぞれターニングポイントにどんどん劣化が進み、2065年ぐらいにやっと平準化し、人口構造問題から脱却すると予測をしている。
これらはすべて、戦前戦後に人口を人為的に弄った罰であり、人口は個人の権利であり無為自然であるべきであると説いている。(なので、政府の少子化対策も次のいびつな人口構造問題を再生産するだけである、としている)
問題の処方箋として、"小さな財政"で対処すべしとして、あとはいつものご説である安価な公共住宅建設、公債の永年化、東京の職人技の再強化等々がならぶが、ちといつもよりも処方箋の迫力がないように感じた。まあ、それだけ東京に打つべき手はない、ということなのかもしれないのだが。。
私自身は、劣化する東京に見切りをつけ、そうそうに田舎に引っ越した、という派なのだと思うが、なにせ生まれ育ったふるさとが東京なわけだから、関心は常に持ち続けたいと思う。