あすぱらのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ不意に現れた氷山。波打ち際で倒れる幼馴染によく似た少女。高校二年生の進に訪れる人生を左右する夏。二度と戻ってこない夏。
とても難しくて、素晴らしい物語でした。色々な闇や、多種多様の悩みを抱えた少年少女たちが、懸命に抗う様が素敵でした。近未来の日本を舞台にしたSF×青春小説。オリジナリティ溢れるストリートラインは目を見張るものがあります。それぞれの人間関係を把握したり、謎を整理したりするのが大変で、一回読んだだけですとちょっと把握し辛い作品のように感じました。全体が分かってからもう一回読んでみると納得できたり、なるほどって頷けたりしそうな部分が多い気がしますね。 -
Posted by ブクログ
一人の少女を中心に巻き起こる、一度しかやってこない夏休みのお話。家庭だったり、恋愛関係だったり、多感な時期に湧き起こる感情っていうのは、すごく複雑で、素直になれない少年少女は自分自身ですらその正体を掴むことはできない。だから物事の原因を他に押し付けたり、勝手に自己完結させて諦める。ただ素直になれないのは大人も同じで、子供から見た大人っていうのは、本当はもっとちっぽけなもので、案外大したことないのかもしれない。でもいくら立ち止まって前を見なくても、時間だけは勝手に過ぎて行っちゃうし、そこに立ち尽くしてる人間を置いてけぼりにしてしまう。だからこそ最後に決めるのは結局自分自身で、一歩を踏み出すのは自
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Posted by ブクログ
とにかく爽やか。
やはり最近のラノベとは違うよなぁ。
一昔前のジュブナイルっぽい、懐かしい感じがする。
1巻がかなり良かったので、続刊で変な舵取りしてくれるなよ、と願っていたのだが、心配は無用だった。
「恋をすると能力を失う」という事実を突き付けられたものの、ログはロンドと軍乃に対する気持ちがはっきりせず、能力も消えないまま。
三角関係の恋のゆくえは?というところだが、最終的にログが選んだ答えは、あれはどうだったんだろう?
その先が気になる。
ロンドがなぜ魔女になりたいか、その理由が良かった。
ベッドで寝ていた頃の自分への復讐。
1巻で「ポジティブレイブ」という表現があったが、これだけ前 -
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表紙とタイトル買い。
ライトノベルだが、最近のラノベっぽいクセはない。
魔女の少女と異能持ちの少年が出会って仲良く穏やかに暮らそうとするが、魔女の血や異能がそうはさせてくれない、というお話。
でも異能バトルのストーリーではなくて、何か特別凝った設定があったりイベントが起こるわけでもない。
人物描写というか、登場人物たちのコミュニケーションに主題が置かれている。
でも、これくらいでいい。
こういうフツーのラブコメが読みたかった。
最近のラノベは奇をてらいすぎ、奇抜なことしすぎ。
登場人物増やしすぎて描写しきれなかったり、設定追加しすぎて風呂敷たためなかったり。
そういうのはちょっとしたスパイ -
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1巻完結。
2022年に出た小説。この時点からの近い未来(ほぼ13年後)の日本の三浦半島が舞台にしてる小説で、2022年までに日本で起こった事、コロナ感染症や震災のこととかが盛り込まれていて、リアリティーがあった。後半の城ヶ島公園安房崎灯台のエピソードも調べたら形が書いていることと一致していて、そこを妙に強調しているから、現実の2023年日本とこの話の日本が地続きなのか違う世界なのかモヤモヤする。
そう、この話はモヤモヤする。読み終わって一応あの人はあれでとか明らかになるけど、羽と○○のシーンや一耀の○○への気持ちとかが、ワカラナイ。一回読んだだけではワカラナイ。読み終わって、詳しくネタバレ、 -
Posted by ブクログ
ネタバレややとっちらかった出だしながら、一見するとテンプレな設定を、奇抜なシチュエーションに落とし込むことによって斬新に見せているのは凄い。特にこの序盤の、絶縁碍子の写真を撮るために、クラス一の美少女の甘言に惑わされて鉄塔を登るというシチュエーションはシーンとして非常に印象深く、ラノベのツカミとしてはバッチリである。その後のヒロインが超能力者、実は主人公も超能力者、その後に現れる第二のヒロインは魔女……という風に設定を贅沢に盛りながら、読み手の興味をバトンリレーのように繋げていく手法は鮮やかの一語。ある程度超能力を使い倒して、能力の使いみちを知っているというのはとても現代的で良い。バトル成分は少なく異
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