あすぱらのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「自分を変えることができるのは、自分しかいない。望む未来があるのなら臆するより動くしかない
きみは、どんな未来でも手に入れられるんだよ」
大きな出来事よりも、何気ない会話や風景が
降り積って感情が動いていく。だからこそ
「失ったあと」その何気なさがどれほど大切か気付かされます。
言葉をかけていれば、気づいていればという思い
が自分自身の経験と重なって少し重い内容を、
含みながらも涙が出るほどの派手な展開というより
じわじわ心に染みる恋愛小説。
じわじわ染みる作品だと感じたけれど私は開始数ページで派手に涙腺崩壊しました。静かに読む予定が完全に号泣イベントでした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ不意に現れた氷山。波打ち際で倒れる幼馴染によく似た少女。高校二年生の進に訪れる人生を左右する夏。二度と戻ってこない夏。
とても難しくて、素晴らしい物語でした。色々な闇や、多種多様の悩みを抱えた少年少女たちが、懸命に抗う様が素敵でした。近未来の日本を舞台にしたSF×青春小説。オリジナリティ溢れるストリートラインは目を見張るものがあります。それぞれの人間関係を把握したり、謎を整理したりするのが大変で、一回読んだだけですとちょっと把握し辛い作品のように感じました。全体が分かってからもう一回読んでみると納得できたり、なるほどって頷けたりしそうな部分が多い気がしますね。 -
Posted by ブクログ
一人の少女を中心に巻き起こる、一度しかやってこない夏休みのお話。家庭だったり、恋愛関係だったり、多感な時期に湧き起こる感情っていうのは、すごく複雑で、素直になれない少年少女は自分自身ですらその正体を掴むことはできない。だから物事の原因を他に押し付けたり、勝手に自己完結させて諦める。ただ素直になれないのは大人も同じで、子供から見た大人っていうのは、本当はもっとちっぽけなもので、案外大したことないのかもしれない。でもいくら立ち止まって前を見なくても、時間だけは勝手に過ぎて行っちゃうし、そこに立ち尽くしてる人間を置いてけぼりにしてしまう。だからこそ最後に決めるのは結局自分自身で、一歩を踏み出すのは自分。そうやって苦しんで、悩んで、葛藤した末に踏み出す一歩っていうのは、物凄く価値があるものだなと、この小説を読んで思った。
そんな安庭に、俺は一度でいいからお尻を蹴って欲しいと思った。 -
Posted by ブクログ
とにかく爽やか。
やはり最近のラノベとは違うよなぁ。
一昔前のジュブナイルっぽい、懐かしい感じがする。
1巻がかなり良かったので、続刊で変な舵取りしてくれるなよ、と願っていたのだが、心配は無用だった。
「恋をすると能力を失う」という事実を突き付けられたものの、ログはロンドと軍乃に対する気持ちがはっきりせず、能力も消えないまま。
三角関係の恋のゆくえは?というところだが、最終的にログが選んだ答えは、あれはどうだったんだろう?
その先が気になる。
ロンドがなぜ魔女になりたいか、その理由が良かった。
ベッドで寝ていた頃の自分への復讐。
1巻で「ポジティブレイブ」という表現があったが、これだけ前向きな力に溢れたキャラクターはそうそういないと思う。
「とにかくここがいい!」というのはあまりないけれど、全体的な雰囲気が私にすごくフィットしていた。
惜しむらくはあっさりしすぎていること。
だらだらと長くなっていくのは嫌いだが、4、5巻続けてもよかったかもしれない。
魅力を上手く伝えられなくてもどかしい。
私の部屋の本棚にはお気に入りスペースがあって、そこに入るのは確実なのだが……。 -
Posted by ブクログ
表紙とタイトル買い。
ライトノベルだが、最近のラノベっぽいクセはない。
魔女の少女と異能持ちの少年が出会って仲良く穏やかに暮らそうとするが、魔女の血や異能がそうはさせてくれない、というお話。
でも異能バトルのストーリーではなくて、何か特別凝った設定があったりイベントが起こるわけでもない。
人物描写というか、登場人物たちのコミュニケーションに主題が置かれている。
でも、これくらいでいい。
こういうフツーのラブコメが読みたかった。
最近のラノベは奇をてらいすぎ、奇抜なことしすぎ。
登場人物増やしすぎて描写しきれなかったり、設定追加しすぎて風呂敷たためなかったり。
そういうのはちょっとしたスパイスでいい。
あまり前面に出しすぎると途端に中二臭くなって、もうこの年では読めない。
私にとってはSFも同じ感じかもしれない。
登場人物も等身大に描かれていて自然。
一応ラノベだから、「キャラ」としての色付けはそりゃああるけれど。
彼らの苦悩とかやりたいことも見えてきて、愛着がわいてくる。
単純に萌属性を付加しまくれば1巻でキャラクターに惚れる人もいるけれど、そうじゃないんだよ。
「恋をすると能力は消えるの」
このセリフどきっとしたなぁ。
思春期限定、みたいなの好きだ。
2巻がもう出ているが、「○○になる!」とか「○○を倒す!」みたいなストーリーじゃない分、この先どんな話にでもなると思う。
きっとこの作品の続きを書くのは自由で楽しいと思う。 -
Posted by ブクログ
1巻完結。
2022年に出た小説。この時点からの近い未来(ほぼ13年後)の日本の三浦半島が舞台にしてる小説で、2022年までに日本で起こった事、コロナ感染症や震災のこととかが盛り込まれていて、リアリティーがあった。後半の城ヶ島公園安房崎灯台のエピソードも調べたら形が書いていることと一致していて、そこを妙に強調しているから、現実の2023年日本とこの話の日本が地続きなのか違う世界なのかモヤモヤする。
そう、この話はモヤモヤする。読み終わって一応あの人はあれでとか明らかになるけど、羽と○○のシーンや一耀の○○への気持ちとかが、ワカラナイ。一回読んだだけではワカラナイ。読み終わって、詳しくネタバレ、考察したブログとか読みたいようなモヤモヤ感が残る作品でした。
登場人物も皆、何らかの隠し事をしているし、文体もとてもユニークな比喩を使っていて、そこがまたモヤモヤ。特に安庭羽、デレ無いツンの見かけの内面ぐちゃぐちゃ美少女、プロローグとエピローグはこの娘の独白なのか。
"誰が何のために"がこの作品の核だと思っ
た。
近所に氷山が突如現れるという大事件なのに、登場人物達が自身らの微妙な関係に関心が終始向いていてる前中半の盛り上がらない進みかたに難儀したけど、後半の進みは良かった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレややとっちらかった出だしながら、一見するとテンプレな設定を、奇抜なシチュエーションに落とし込むことによって斬新に見せているのは凄い。特にこの序盤の、絶縁碍子の写真を撮るために、クラス一の美少女の甘言に惑わされて鉄塔を登るというシチュエーションはシーンとして非常に印象深く、ラノベのツカミとしてはバッチリである。その後のヒロインが超能力者、実は主人公も超能力者、その後に現れる第二のヒロインは魔女……という風に設定を贅沢に盛りながら、読み手の興味をバトンリレーのように繋げていく手法は鮮やかの一語。ある程度超能力を使い倒して、能力の使いみちを知っているというのはとても現代的で良い。バトル成分は少なく異能バトルというよりは異能ラブコメといった有様だが、そこはかなり好みが分かれそうではある。ラブコメとしては、難しいダブルヒロインの描き分けや魅力の配分もバランスが良く成功しているのだが、バトル要素の薄さはわりと致命的で、これなら無い方がいいと言う人もいれば、逆にもっと欲しがる人もいるだろう。現状では蛇足でしか無く、バトル要素の薄さの割には能力がオーバースペック過ぎる。しかしそれらの欠点はクライマックスにヒロインの口から発される「恋をすると能力が消える」にきれいに繋がって収束するため、あながち駄目とも言い切れない。持て余していた力が普通になることで消えるというのは王道であり、またそれが前向きに描かれているのは素晴らしく、ラブコメの息吹を感じさせる非常に余韻を感じさせる終わり方となっているのだ。ただ、長々と引っ張ったネタ(途中のヒロインのろうそくの賭けなど)のわりにはやや肩透かしな感じも受け、たくさんの謎を抱えて走ったわりには期待はずれな感じも否めない。また作中で危機となるのがグラツィアーナぐらいでなので話としては盛り上がりに欠ける。それも内輪揉め臭く、最初のヒロインとの関わりが薄いのも難点。総じてラブコメとしては成功しているものの、それ以外の要素が設定といまいち噛み合っておらず、ラブコメ以外を期待して読んだら騙された気になるラノベである。